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旅サイクリスト昼間岳の地球走行録<16>海外ツーリングの“肝”、パッキング 快適・便利・安全性を左右する収納術

by 昼間岳 / Gaku HIRUMA
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 僕は海外で荷物をどう減らすかではなく、どう積み込むかというのを常に考えていた。一言でパッキングといっても、毎日何回も積んだり降ろしたりする作業なので、この作業をいかに早く楽にできるかというのは海外ツーリングでは非常に重要になってくる。旅を終えて3年が経とうとしているが、当時の旅のパッキングは今でもはっきりと覚えている。

走行したままハンドルバックからカメラを取り出し、止まらずに撮影する Photo: Gaku HIRUMA

パッキングの基本

 バックパックに荷物をパッキングする時の基本は軽いものは下に、重たいものを上にした方が楽に背負えるが、自転車では逆になる。理想は重たいものはリアバッグの下の方に入れ、よりフレーム側にパッキングし、軽いものはフロントに入れて安定感を高くする。安定感の悪い重量のある自転車を力で抑え込んで走るのは、体力の消耗に直結するので安定感のあるパッキングは必須になってくる。ただ、そうはいってもよく使う装備がバッグの奥に入っているのではいちいち面倒だ。安定感は重要だが、僕は使いやすさを重視したパッキングを行っていた。

旅の初期。昼飯を作るのにも沢山のバッグを開いている。これだと無駄が多すぎる Photo: Gaku HIRUMA

 僕は必要なバッグしか開けないで済むようなパッキングを心がけていた。まず、野宿の時にだけ開けるテントや雨具の入ったバッグ。このバッグは唯一濡れていた装備をそのまま入れられるバッグにした。朝早く出発するため、大体テントに結露が付いて濡れた状態でしまわなければならないため、一緒に入れる装備は雨具など濡れても良い装備にした。ただ、もちろんそのままだとカビが生えるので、昼休憩の時に広げて乾かしておいた。

収納場所で貴重品を自衛

 次に宿に着いた時にだけ開けるパソコンや町での着替えが入ったバッグ、そして食糧と調理器具バッグ、野宿と宿の両方で使う寝袋などが入ったバッグ、という具合に分けていた。こうすることで、雨の中のテント設営も必要以上のバッグを開けなくて済むし、宿に着いた時でも、使うバッグ以外は自転車に荷物を括り付けたままで部屋の中に置いておくことができた。

バッグ一つでテント設営完了。設営後不審者に見つかってもすぐに撤収出来る Photo: Gaku HIRUMA

 さらに自転車が重すぎて、利き腕の右手ではないと持ち上がらないので、壁に立てかけるのは常に自転車の右側面だったのだが、パソコンなどの電子機器や重要アイテムであるテントなどは、この常に壁側となる右側面のバッグに入れておいた。少しでも目を離す時は自転車にはカギを付けるようにしていたが、さすがにバッグ全てに付けるわけにはいかず、パッと持って行かれにくいバッグに大切な物を入れておいた。逆に一番取られやすい左前のフロントバッグには食糧など現地調達が容易なものを入れていた。

 ハンドルバッグには貴重品やカメラ、日記や本を入れていて、商店やレストランなどでも外して常に持ち歩き、メモをしたり、ガイドブックをチェックしたりしていた。中には緩衝材を入れて走行中も片手でカメラを取り出し、すぐに撮れるようにしていた。なんてことのない工夫だが、重量級の自転車をいちいち止めて写真を撮るのは非常に手間なので、よほどの絶景以外は自転車に乗ったまま撮れるこの方法は、非常に使いやすかった。

アフリカの食堂。ハンドルバッグのみを持ち、店に入っても自転車の見えるところで食事をする Photo: Gaku HIRUMA
ペアランをしていると走行中の写真も撮り合える Photo: Gaku HIRUMA

 そして荷物の括り付けにも工夫が必要だ。サイドバッグはキャリアにそのまま取り付ければ良いが、その他のリアのサイドバッグの上に載せるバッグは、走行中の振動などでバランスが崩れて落ちそうになっていることもあるので注意が必要だ。

 僕はオルトリーブの「ラックパック」というボストンバッグタイプを使っていた。これは同じくオルトリーブのサイドバッグに簡単に取り付けることができ、念のためさらにタイヤチューブで補助的に固定していた。しっかり固定ができるという利点と、積み込みにストレスなく短時間で行えるという利点は非常に大きい。またこういうバッグを持っていれば、2泊3日位の自転車を宿に置いてのサイドトリップも容易に行くことが出来るのでお薦めだ。

昼間岳昼間岳(ひるま・がく)

小学生の時に自転車で旅する青年を見て、自転車で世界一周するという夢を抱いた。大学時代は国内外を旅し、卒業後は自転車店に勤務。2009年に念願だった自転車世界一周へ出発した。5年8カ月をかけてたくさんの出会いや感動、経験を自転車に載せながら、世界60カ国を走破。2015年4月に帰国した。『Cyclist』ではこれまでに「旅サイクリスト昼間岳の地球写真館」を連載。ブログ「Take it easy!!

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