ベン・スウィフトは2季ぶりにチーム スカイに復帰トニー・マルティンがロットNL・ユンボに移籍 初のオランダチームで復調なるか

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 来シーズンからチーム ユンボとなるロットNL・ユンボが、トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)と2年契約を結んだことを発表。ベン・スウィフト(イギリス、UAEチーム・エミレーツ)は2シーズンぶりに古巣・チーム スカイへの復帰を決めた。

ロットNL・ユンボへの移籍を決めたドイツTT王者のトニー・マルティン 写真は2018年ジロ・デ・イタリア第16ステージにて Photo: Yuzuru SUNADA

移籍で心機一転、得意のタイムトライアル勝利を狙う

 マルティンは2008年にチーム コロンビアでプロデビュー。高い独走力が見込まれ、スプリントトレインの一角を担い、2009年にはチームのシーズン84勝に大いに貢献した。2012年からオメガファルマ・クイックステップに移籍。主に個人タイムトライアルで勝利を量産し、4度のタイムトライアル世界王者に輝くなど、世界屈指のTTスペシャリストとして活躍していた。

史上最多タイとなる4度のタイムトライアル世界王者に輝いたトニー・マルティン Photo: Yuzuru SUNADA

 2017年からカチューシャ・アルペシンに移籍。今年6月のドイツ国内TT選手権では圧巻の7連覇を飾ったものの、ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)やトム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)らの台頭も相まって、在籍2年間でわずか3勝と低迷していた。

 33歳のマルティンにとって、オランダチームへの移籍はキャリアで初めてとなる。新たにビアンキバイクに乗って、再びTTスペシャリストとしてトップコンディションを取り戻すことが期待され、さらにはディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)のリードアウトトレインの一角として起用されることだろう。

 マルティンは「ロットNL・ユンボに加わることを楽しみにしています。私の野望はエースをサポートし、タイムトライアルでも勝てる、卓越した選手となることです。」とコメントしている。

スウィフトは古巣に経験をもたらす

 スウィフトは、2009年にチーム カチューシャでプロデビューを飾ると、翌シーズンから誕生したイギリスのワールドチーム「スカイプロサイクリング」に移籍。以来7年間にわたって、スカイに在籍し、2012年にはトラック世界選手権のスクラッチレースで世界王者に輝き、2014、2016年と2度にわたってミラノ〜サンレモで表彰台を獲得するなど、スプリンターとして活躍した。

2シーズンぶりに古巣に復帰するベン・スウィフト。写真は2017年アムステルゴールドレースにて Photo: Yuzuru SUNADA

 2017年にUAEチーム・エミレーツへ移籍。同年のクリテリウム・デュ・ドーフィネでは、ラルプ・デュエズにフィニッシュするクイーンステージで2位に入る走りを見せ、スプリントだけでなく上りへの適応力を見せた。

 2015年シーズン以来、自身の勝利から遠ざかっているものの、集団コントロール、スプリントのリードアウト、逃げ、山岳でのアシストとマルチな役割をこなすことができるバイプレーヤーとして貴重な戦力となることだろう。さらに来シーズンでプロ10年目を迎える30歳のスウィフトの経験を生かして、クリストファー・ローレス(イギリス)やクリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー)といった若手スプリンターの指南役も務める。

 スウィフトは「プロサイクリストとして自分の野望と目標は持っているが、チームの若手と一緒に仕事をすることも本当に楽しみにしています。非常に才能のある若手選手に、私の経験を伝えていきたいです」とコメントしている。

その他の移籍情報まとめ

 チーム スカイはスウィフト以外にも、ヨナタン・ナルバエス(エクアドル、クイックステップフロアーズ)とフィリッポ・ガンナ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)を獲得。プロ1年目、21歳のナルバエスは、クイックステップとの契約が1年残っていたが、チームとナルバエスの双方が合意の下、契約を破棄してスカイへの移籍を決めた。持ち前の登坂力に加えて、高い独走力を生かして、スカイ首脳陣はヨナタン・カストロビエホ(スペイン)のような選手に育成していく方針だ。

2018年ミラノ〜トリノを走るヨナタン・ナルバエス Photo: Yuzuru SUNADA
2016年トラック世界選手権個人パシュートで優勝したフィリッポ・ガンナ Photo: Yuzuru SUNADA

 ガンナは193cmの高身長が目立つ22歳の選手。2016、2018年のトラック世界選手権個人パシュートで世界王者となり、2016年U23版パリ〜ルーベでの優勝経験を持つ。スカイはイギリスのチームでありながら、バイクのピナレロ、ウェアのカステリ、ヘルメットのカスクなどイタリアに本拠地を置くブランドと親和性の高いチームだ。そのため若手有望イタリア人選手の獲得はスポンサーの観点からも大いに歓迎される補強となった。石畳などのクラシックレースやタイムトライアル能力を磨きつつ、ゆくゆくはオールラウンドに活躍できる選手となることが期待されている。

2018年ツール・ド・フランスに出場したエドワード・トゥーンス Photo: Yuzuru SUNADA

 エドワード・トゥーンス(ベルギー、チームサンウェブ)は、移籍1年目の今季はチームにフィットできないまま未勝利に終わった。来シーズンの契約を破棄して、古巣のトレック・セガフレードへ移籍を決断。スウィフトやEFエデュケーションファースト・ドラパックへ移籍するアルベルト・ベッティオール(イタリア、BMCレーシングチーム)を含め、最近は出戻りとなる移籍が多くなっている。

 来季からポーランド企業のCCCがメインスポンサーとなる現・BMCレーシングチームは、CCC・スプランディ・ポルコウィチェから2人のポーランド人選手を獲得。28歳のパヴェル・ベルナスは身長190cm、同じく28歳のカミル・グラデクも身長194cmと共に、新CCCチームではエースのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー)のためのクラシック要員として起用される見込みだ。

一番左の選手がパヴェル・ベルナス、その隣がカミル・グラデク Photo: Yuzuru SUNADA

 また解散したアクアブルースポーツから31歳のシュテファン・デニフル(オーストリア)を獲得。スポンサー問題が長引いたため、移籍市場で出遅れた新CCCチームは、プロコンチネンタルチーム所属の選手を積極的に補強している。

ツアー・オブ・ターキー最終ステージで2位に入ったエドゥアルド・プラデスは、ボーナスタイムを獲得し2位と0秒差で総合優勝を決めた Photo: Yuzuru SUNADA

 ツアー・オブ・ターキーで総合優勝を飾ったエドゥアルド・プラデス(スペイン、エウスカディ・ムリアス)は31歳にしてモビスターチームへ移籍を決めた。チームUKYO所属のベンジャミ・プラデスの弟であり、日本のJプロツアーを走った経験も持つ。今季プロコンチネンタルチーム所属で唯一ワールドツアーで総合優勝した選手だ。

 現時点でワールドチーム18チーム中、すでに来シーズン以降の契約を結んだ選手の数が25人を越えるチームは13チームある。徐々に各チームの陣容も固まってくる一方で、今年ワールドチームに在籍した選手で、来季以降の契約の有無が明らかになっていない選手は58人いる。

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