title banner

ツール・ド・Jプロライダー<2>「親父とは仕事からプライベートまで何でも話します」 宇都宮ブリッツェン小坂光選手にインタビュー

by 大澤昌弘 / Masahiro OSAWA
  • 一覧

 国内最高峰のロードレースシリーズ「Jプロツアー」の選手にスポットを当てた本連載「ツール・ド・Jプロライダー」の第2回は、少し趣向を変えてシクロクロス日本チャンピオンを取りあげます。宇都宮ブリッツェンの小坂光選手にCyclist編集部の大澤昌弘が話を伺いました。

宇都宮ブリッツェンの小坂光選手。ジャパンカップ開催前の10月初旬の宇都宮市森林公園にて Photo: Masahiro OSAWA

 小坂選手は、1988年生まれの30歳。宇都宮ブリッツェンに所属しながらも、宇都宮市役所に勤務する職員という、チームの中では少し変わった存在です。

 平日は公務をこなし、練習時間が限られる環境に置かれながらも、2017年には全日本シクロクロス選手権エリート男子クラスで優勝し、日本チャンピオンに。今年も優勝を狙い2連覇を目指したいと話します。

「親父、勝ったぞ!」と抱き合って喜んだ小坂選手。2017年の全日本シクロクロス選手権にて Photo: Shusaku MATSUO

 父親の小坂正則さん(スワコレーシング)もシクロクロスの最前線で今なお活躍する選手であり、全日本をとった際には「親父、勝ったぞ!」と抱き合って喜んだ小坂選手。親子二人三脚で競技に取り組んできた面もあり、競技だけではなく、家族関係も気になるところです。

 端正な顔立ちに、おっとりとした話し方。勤め先も市役所。娘を持つ親として、こういう青年に嫁いでほしいという理想形にも思えます。絵に描いたような好青年は本当に好青年なんでしょうか。

◇         ◇

自転車を始めたきっかけは?

小学校低学年のとき、親父がレースをやっていたのでその影響です。小学校4、5年生のころにはシマノ鈴鹿ロードに出たんですけど、全然ダメでした。小学生のときは自転車よりもサッカーを一生懸命やっていて、県大会で優勝した経験もあるんですが、中学生になってからは、そんなに強いチームではなくて…。楽しみつつ頑張りつつやっていた感じですかね。

何がきっかけで、サッカーからシクロクロスに競技を転換したのですか?

高校生のときにレースに出たら楽しかったんです。サッカーをやって体を鍛えていたのもあって、割とポンポンと昇格できたんです。大学に行ったら自転車をやろうと考えて、大学から自転車一本に絞りました。

自転車以外の趣味ってありますか?

お酒を飲むのが結構好きで(シーズン中は節酒とのこと)…。元チームメートの大久保陣(現チーム ブリヂストン サイクリング)とはよく行きますね。

好きなお酒は?

ビールですね。

宇都宮と言えばカクテルが有名なので、ここぞとばかりにPRしてくるかと思いました(笑)。

いや、ホントにたまにバーにも行くんですよ(笑)。すごい雰囲気がよくてお酒もおいしいお店が多くって。それから、趣味と言えるほどではないんですけど、バイクにも乗ります。ホンダのXR400モタードが実家においてあって、親父とも一緒に乗りに行ったりしますね。まだ、しっかりしたツーリングには行けていないんですけど。

あと、うなぎが好きでたまに食べに行きます。宇都宮はうなぎ屋が結構多いんですよ。

うなぎ好きを公言する人に初めて会いました(笑)。

蒸してから焼いたりとか、柔らかさが違うとか、店舗ごとに違いがあって、神奈川の大磯にある「國よし」には感動しました。一食7000円くらいで高いんですけど、宇都宮から電車で行って…。

音楽とか文系の趣味はありますか? アニメを観るとか?

アニメは観ないですね。音楽でいくと、この前、初めてウルトラジャパン(※)に行きました。高校の同級生と行ったんですけど、飲んで、聴いて、踊って、楽しかったです。

※EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)の音楽イベント

あのパーティーピーポー感が凄いイベントですよね? EDM好きなんですか?

欧州に行くとレース会場でかかっていて、気分も上がるしいいなと思って。シクロクロスでお世話になっている池本真也さんの影響もあります。

ウォーミングアップで聴いているのもEDMなんですか?

EDMのときもありますけど、一番は、ジム・クラス・ヒーローズの「The Fighter」(ザ・ファイター)で、聴くと気分が上がる感じですね。

EDMが出てきたのは意外でした。

なんか真面目な印象で通っているんですかね?

好青年のイメージが強いです。シクロクロスで日本チャンピオンになってから、モテまくってるのかなとも思ったんですけど…。

全日本チャンピンになってから、というのもあるのかもしれないですが、露出が増えると「ちょっとモテてるかも…」というのはありますね。波はありますけど「モテ期が来たかも」というのはありました(笑)。

レース中の小坂選手

思い出に残る失敗体験はありますか?

2015年の関西シクロクロス希望が丘文化公園で、横山航太(シマノレーシング)とずっと競っていて、最終コーナーを回ったら僕の勝ちだなと。スプリントの自信もあって、「これで勝った!」と思って手を挙げようとしたら、横山に差されてしまった。それが一番の失敗でしたね。

どうしてそうなったんですか?

チームのメカニックがお店をオープンする日だったんですよ。ウェアの胸元にロゴを入れていて、ロゴを指さしてゴールしようとしたら差されてしまって…。”決めてやるぜ”っていう意気込みがレース前からあったんですけど…。

めちゃくちゃいい人じゃないですか。

そんなことないですけど、いつもお世話になっているので…。

最後に、父・正則さんの話がちょいちょい出てきますが、仲はいいんですか?

仲はいいですね。二人で飲みに行ったりしますし、親父が宇都宮に来る時は、自分の部屋に泊まりますし。ブリッツェンに入る前まで、遠征では親父が車を運転してくれて、一緒に時間を過ごしましたから。

何を話すんですか?

親父とは仕事からプライベートまで何でも話します。親父も公務員なので、仕事は重なる部分もあるんですよ。

全日本チャンピオンになる前から、全日本をとろうぜ、みたいな話はあったんですか?

幼稚園の頃から、全日本のタイトルをとりたくてもとれない親父の姿を見てきて、ものすごく大きなものだというイメージはありました。以前は父がタイトルを狙っていましたが、ここ数年は、応援されているように感じていました。

2017年に日本チャンピオンに Photo: Shusaku MATSUO

◇         ◇

 端正な顔立ちのシクロクロス日本チャンピオン。まぁ、モテるんだろうなと、小坂選手のリアルライフを暴いていこうとするものの、女性の影はほぼ見えませんでした。見えてきたのは、むしろ、父親の存在です。

 幼少の頃から父・正則氏の背中を見続け、多くの時間をともにし、今なお、仕事からプライベートに至るまで何でも話すという彼にとって、父が特別な存在のように思えてなりません。全日本をとった際に「親父、勝ったぞ!」と発した小坂選手の言葉は、大きく深い意味があるように思います。

 そして、人柄もよく、何を聞いても、一言一言ゆっくりと真摯に答えてくれる、小坂選手はやっぱり好青年。少しでも違った側面を引き出せればと意気込みましたが、インタビュアーとしては完敗です。そんな小坂選手にいちファンとしてレース会場で声援を送りたいと思います。

関連記事

この記事のタグ

ツール・ド・Jプロライダー

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

ショップナビ

スペシャル

自転車協会バナー
新春初夢プレゼント2019

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載