ひと際目立った観戦者にインタビュージャパンカップ本戦の思いはそれぞれ 人一倍楽しみ、気合いの入っていた観戦者たち

by 大澤昌弘 / Masahiro OSAWA
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 ジャパンカップサイクルロードレースが10月21日、宇都宮市森林公園で開催された。朝早くから8万2000人の観客が集まり、思い思いにレース観戦を楽しんだ。Cyclistは、人一倍楽しもうとする意気込み高い観客にインタビューした。

トレック・セガフレードのブースは朝から大盛り上がり Photo: Masahiro OSAWA

デゲンコルプ「世界ナンバーワンのファン」

 朝8時40分頃。レース会場に到着したトレック・セガフレードの選手たち。会場に着くなり、トレックブースを訪れ壇上に登り、ファンへ意気込みを語っていた。前日のクリテリウムで優勝したジョン・デゲンコルプは「世界ナンバーワンのファンだ」と述べ、エースを務めるファビオ・フェリーネは「日本は初めて。最善を尽くしたい。この言葉が本気だと数時間後にはわかるだろう」と話し、本気で望むと誓っていた。

 これはレース当日に組みこまれているチームプレゼンテーションではない。あくまでファンサービスのための突発的なイベント。こうしたファンサービスを手厚く行っていたのがトレック・セガフレードだった。

 その最前列に目を向けると、トレックジャージを身にまとった集団がいた。全国各地から集まりレース観戦をしているのだとか。トレックブースでは最前列に並び、スタート・ゴールライン手前50mの無料観戦エリアにも陣取るグループ。実はこれ、もの凄く大変なことらしいのだ。

トレックブース最前列にいたグループ。レース会場で出会う自転車仲間だそうで、長崎、宮城など全国各地から集まったという Photo: Masahiro OSAWA
トレックブースにいた観客がスタートゴール50m手前の無料観戦エリアにも。サインはトレックの全選手の実物。相当気合が入っていると確信 Photo: Masahiro OSAWA

何時間待ったんですか?

 チームプレゼンテーションがスタートし、プレスとして絶好の撮影場所をもらえるのはありがたい。そしていつも思う。「観客のみなさんごめんなさい」。背後にいる観客は、朝早くから並び努力の結果、絶好の位置をキープできたはずなのだ。僕らも仕事とはいえ、何だか申し訳ない気持ちもある。そう考えていたら「彼らは何時から並んだんだろう」と気になってしまう。先ほどのトレックジャージの集団も、この苦行を乗り越えていたわけなのだ。

 無料観戦エリアにおいて、チームプレゼンテーションが最前列で見られる絶好の位置。そこをキープした別のトレックファンに聞いたところ午前3時から並んだという。

ゴール50m手前の最前列をとるために午前3時から並んだという Photo: Masahiro OSAWA

 森林公園のゲートがオープンするのは午前7時。それより4時間も前から並んでいた。それでも先頭から10番手ほどらしい。先頭はいつから並んでいるのだろうか。

 そこまでするなら有料観戦エリアもいいのでは? と思えるが、別府史之の応援イラストを描いてきた女性は「並ぶのがロードレース観戦の醍醐味」だという。少し意地悪く「雨が降っても並ぶ?」と問いかけても、「もちろん」という言葉が返ってきたのは、少々びっくりした。気合いの高さに感心しきり。

朝からグッと来る先生の計らい

予定にないファンサービスもこなす渡辺航先生 Photo: Masahiro OSAWA

 会場を歩くと、人だかりができていたのが、弱虫ペダルの作者、渡辺航先生のブースだった。ブースの張り紙を見ると、先生のサイン会は昼からとなっている。にもかかわらずに目の前で行われているサイン会。弱虫ペダル特製カードも配られていた。

 こちらもサプライズイベントのようだ。サプライズサイン会の理由を渡辺先生に聞くと「いい感じに机が置いてあったので」と話し、続けて「自転車をもっと盛り上げたいですし、こうした場しかないので」と語ってくれた。朝からグッと来る言葉をいただいた。

気合いの入った男性を探す

 会場を見渡して、気合いの入った格好をしていたのは女性ばかり。男性はいないかと探していたら、古賀志林道の頂上にぬいぐるみを5つ背負った男性を発見した。宇都宮市から来た大岩さんが背負っていたのはグストのぬいぐるみ「アタ吉」だった。ぬいぐるみの可愛さに惹かれて、自転車への興味が高まり、特別カラーのグストのタイムトライアルバイクを買ったのだとか。可愛がりすぎたのか、ぬいぐるみ頭部が擦れてほころんでいたのが印象的だった。

5つのアタ吉を背負っていた宇都宮市の大岩さん Photo: Masahiro OSAWA

 古賀志林道を下ると、大きな目玉の被り物をした人を発見。ニコニコチャンネルで展開する「プロ観戦者への道」というコンテンツのつながりで大勢でやってきたのだという。なぜ目玉の格好なのかと聞くと「妖怪の森が近いので」とこちらが困る返答に。とりあえず、盛り上がっていたので良しとして、写真を撮影させてもらい、その場を立ち去った。

妖怪ルックにこだわった参加者も Photo: Masahiro OSAWA

プレスカーから手を振ってみる

 せっかく盛り上がっているのだから、こちらも盛り上げてみようと思い立ち、プレスカーに乗車。ところかまわず手を振りまくると、手を振り返してくれる人多し。田町交差点からスタート/ゴールまで84人の人が反応してくれた。ドライバーに聞くと「一日中手を振ってくれるんですよ。あの人たち」といったコメントを何度か聞いた。こうした盛り上げ役がいることでお祭りは一層楽しくなる。今年のジャパンカップは終わってしまったが、せっかくのお祭り。手を振るだけでもOK。来年はそんな盛り上げ役が一人でも増えることを願いたい。

手を振ると返してくれる人多数。運転手によると着ぐるみの女性は一日中手を振ってくれていたのだとか Photo: Masahiro OSAWA

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