スポーツバイクメーカーが作ったと強調触れ込み通りの仕上がりか? ジャイアントのe-Bike「エスケープ RX-E+」に試乗してみた

by 大澤昌弘 / Masahiro OSAWA
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 総合自転車メーカーのジャイアントがe-Bikeの「ESCAPE RX-E+」(エスケープ RX-E+)の予約販売を10月下旬から開始する。価格は税別28万円で、2019年1月にデリバリーされる予定だ。予約販売の開始に先立ち、ジャイアントは説明会を実施。「スポーツバイクメーカーが作ったバイク」と強調するが、実際のところはどうなのか。ひと足早く試乗してみた。

試乗会で「ESCAPE RX-E+」の実力を体感 Photo: Kenta SAWANO

目指すはライフスタイルを広げるアイテム

 エスケープ RX-E+は、ジャイアントのクロスバイクの最上級モデルとなる「ESCAPE RX」(エスケープ RX)に改良を加え、電動アシストユニットを搭載したモデルだ。メインターゲットは、ノンサイクリストで、週末の時間があり、カメラ、旅行、ゴルフなどの軽いスポーツを楽しむ50代の男性だという。

 こうした50代男性をターゲットにしつつ、しまなみ海道(約80km)や琵琶湖一周(約200km)といった長距離ライドをアシストし、スポーツ自転車ビギナーのライフスタイルを広げるアイテムにすべく設計された。スペック上の能力は確かにその通りになっており、最高峰の電動アシストクロスバイクと呼ぶべきモデルと言えるかもしれない。

フレームとバッテリーが一体となりスタイリッシュなデザインに Photo: Masahiro OSAWA

 それを端的に示すのが、大容量バッテリーと余分な電力消費を防ぐ工夫だ。バッテリーは497Whの大容量リチウムイオン(パナソニック製)を採用。さらに、ヤマハと共同開発したモーターには12倍のセッティングデータを入れたことで、自然でスムーズなアシストを可能とし、余分な電力消費を防ぎ、結果的にロングライフ化を達成できているという。

バッテリーはパナソニック製 Photo: Masahiro OSAWA
ドライブユニットはヤマハとの共同開発 Photo: Masahiro OSAWA

 エスケープ RX-E+にはアシスト強度の強い順に「SPORT」「NORMAL」「ECO+」「ECO」の4つのモードが用意されており、満充電の状態で、SPORTで約90km、NORMALで約110km、ECO+で150km、ECOで225kmの走行距離を可能にする。他社と比べても、より長い航続距離が実現できるという。

航続距離の長さが大きなウリに Photo: Masahiro OSAWA

 ちなみに、アシストの強度などを操作する「RIDE CONTROL」と呼ばれる操作部には、USBポートを搭載しており、USBケーブルを接続してスマートフォンの充電も行えるのは嬉しい機能だ。

初心者に配慮した装備

 さらに踏み込めば、快適により遠くに安全に自転車に乗ることをイメージしたパーツが取り付けられている。ひとつは、座面に適度な柔らかさを持ち、快適なライドを実現する「CONTACT COMFORT SADDLE」(コンタクトコンフォートサドル)だ。このサドルはサドルバッグやテールライト、泥除けのフェンダーもサドルに直接、取り付けできるUNICLIPシステムにも対応している。

テールライトやサドルバッグ、フェンダーの取付が可能なUNICLIPシステムに対応したサドルが標準装備 Photo: Masahiro OSAWA
油圧ブレーキほか12mmスルーアクスルも採用 Photo: Masahiro OSAWA

 また、車体重量が20kgあるなかで、安心・安全にストップするために、油圧ディスクブレーキを搭載する。ジャイアント商品部企画課の斎藤朋寛氏は「これ以外のブレーキは考えられない」とも話す。さらにギアレシオも使用想定を吟味したうえで、フロント44T×リア11-34Tを採用。こうした細かなところへ配慮が行き届くのは、確かにスポーツバイクメーカーが設計したという触れ込み通りのものと言えそうだ。

エスケープ RX-E+で実走してみた

 様々な特徴のあるエスケープ RX-E+だが、実走はどうか。まず感動したのは、漕ぎ出しの自然さとその軽さだ。アシストの最も強いSPORTモードをメインに使用したが、ペダルに体重を少しかけるだけで、アシストが利く。そこに不自然さはなく、ほんのわずかな力で時速20km超近くまでスピードが上がっていく。感覚的には、自転車であってバイクに近い、新しい何かだ。

 次に感動したのは、斜度のある場所での踏み出し。ギアを落とさず坂道で信号待ちすると、踏み出しがきつくなるが、ギア比に敏感にならずとも、エスケープ RX-E+は十分にアシストしてくれる。

 最も感動したのは長い坂道だ。テストライドの舞台になったのは、東京都多摩市にある、距離700mほどのいろは坂。ロードバイク乗りのトレーニング場所として有名で、平均勾配約8%のストイックな道が続くが、エスケープ RX-E+は余裕でこなす。「ハァハァ」と息を切らしてしまいそうな勾配でも、今日に限っては、笑みがこぼれ落ちてくる。これだけのアシスト能力があれば、初心者でも遠くまで行ってみようと思えてくるだろう。

普段きつい坂道も今日に限っては楽しい Photo: Kenta SAWANO

 逆に下り坂でブレーキをかけても、狙った通りに止まってくれる。車体重量は20kgあるが、その重量による慣性に負けずにきちんと止まれるのは安全な乗車を考えて評価したいポイントだ。

下りでスピードを出しても油圧ブレーキでしっかり止まれる Photo: Kenta SAWANO

 もうひとつ。平坦路では、ノンアシスト状態でも、素直に進んでくれる。バッテリー容量の大きさがウリではあるが、仮に残量がゼロになってしまっても、平坦路であれば、ストレスなく普通の自転車として漕ぎ続けることもできる。長距離を走る際に、坂道はアシスト機能を全開にし、それ以外はノンアシストにしても素直に進んでくれるのは嬉しい。

プロモーションにも注力

 これからの課題は、普段、自転車に興味関心の高くないターゲットから、いかにして注目してもらうかだ。そのためにジャイアントでは、プロモーションにも力を入れていく。その施策として、11月中旬から2019年1月中旬まで、全国のジャイアントストアで毎週末、テストライドツアーを実施する。

 さらに、しまなみ海道や四国一周、びわ湖沿岸などのサイクリング拠点に充電ステーションの設置を計画していたり、ジャイアントストア前橋、今治、松江、びわ湖守山など、レンタサイクルの拠点にe-Bikeを導入して、貸し出しを行ったりしていく。乗ってもらえれば、その便利さや凄さに気づくのが電動アシストバイク。プロモーションが今後の普及を大きく左右することになりそうだ。

■ESCAPE RX-E+
税抜価格:280,000円
サイズ:445mm(XS)、485mm(S)
カラー:ブラック、アイスグレイ
変速:SHIMANO TIAGRA 10Speed
重量:20.0kg(445mm)

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