オススメサイクリングコース紹介②日向涼子さんと秋の和歌山を満喫 「白と紺碧のシーサイドライン」から「みかん海道」へ

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 今、サイクリストの興味を惹きつけてやまないエリアがあります。紀伊半島の南西に位置し、北は大阪府、隣に奈良県と三重県、そして南岸は太平洋に囲まれた和歌山県。土地の約8割が自然豊かな紀伊山地で、多様な自然景観が広がっています。紀北エリアには紀の川サイクリングロードや天空の聖地・高野山ヒルクライム。熊野古道でつなぐ巡礼の聖地・熊野が広がり、温暖な気候で海・川・山の自然が創り出す「水の国、わかやま」の代表エリアでもある紀南。モデルでサイクリストの日向涼子さんが、和歌山県のオススメのサイクリングコースを2回にわたってナビゲートします。前編に続き、後編では白亜の石灰岩が美しくそびえ立つ白崎海岸に代表されるシーサイドラインや、醤油発祥の地として知られる湯浅地区の風情あふれる街中を散走。みかんや太刀魚の街を駆け抜ける約60kmの南西海岸をめぐる紀中エリアのコースへ出かけます。(写真・文=橋本謙司)

←連載①「聖地・高野山ヒルクライム&有田川ライド」

今回は白と紺碧のシーサイドラインから、みかん海道へ向かう Photo: Kenji HASHIMOTO

 

日向さん今回のスタート地点は、和歌山県の南西部に位置する日高町の、JR紀勢本線の紀伊内原駅です。ここ日高町は、近海で獲れる鮮魚が自慢の町。中でも、幻の巨大魚として知られるクエは、街のシンボルとして有名です。

今回のサイクリングの起点はJR紀勢本線の紀伊内原駅 Photo: Kenji HASHIMOTO
体長1mにもなる巨大魚のクエ。しかし、このモニュメントはあまりに巨大すぎる! Photo: Kenji HASHIMOTO

大阪からアクセス良い紀伊内原駅を出発

 さて、今回は、和歌山の沿岸部を東は三重方面から、西は和歌山市までつなぐJR紀勢本線の紀伊内原駅から出発。大阪方面から輪行でのアクセスもよいので、今回のコースの起点にオススメだ。ここから日高町を抜けて、一路太平洋沿岸を目指して走り出す。途中、道沿いでクエのモニュメントと記念撮影! 海岸線に出るまでの序盤は多少のアップダウンがあり、のどかな田園風景が広がる中を走り抜ける。

コース序盤はのどかな田園風景の中を走る。こちらは小涌の田園地帯 Photo: Kenji HASHIMOTO

 今回のコースは、幾つかの漁港町を通過するものの、基本的にシーサイドラインになるため、補給やトイレ休憩は計画的に行いながら走りたい。序盤、方杭浜沿いにある「温泉館 海の里 みちしお」はサイクルステーションでもあり、ドリンク補給のポイントとして最適。サイクリングのプラン次第では、温泉や食事処を利用してもいいだろう。

シーサイドラインに出て間も無くの地点にある温泉館「海の里」みちしおの湯 Photo: Kenji HASHIMOTO

 クエの町・日高町から由良町へ。コバルトブルーの海と白い岩の織りなす絶景で知られる白崎海岸をはじめ風光明媚なシーサイドラインは今回のコースのハイライトシーンのひとつ。

日向さんシーサイドライン沿いは交通量も少なく走りやすいです。もちろんサイクリング推奨ラインであるブルーラインも敷かれているので安心です。そして、和歌山県の西海岸は入り組んだ地形を特徴としていて変化に富んでいます。由良港は、奥ゆきのある港のため波が立ちにくく、タンカーなどの修繕場としても活躍しているそうです。海上自衛隊の由良基地もあり、タイミングよく巨大な潜水艦も見ることができました。

ブルーラインが敷かれた県道24号が通っている由良港を走る日向さん Photo: Kenji HASHIMOTO
白崎海岸の象徴でもある海中からそびえ立つ岩門の「立巌岩(たてごいわ)」のすぐ脇を通過 Photo: Kenji HASHIMOTO

白波と岩が魅力の白崎海岸

 白崎海岸の象徴でもある海中からそびえ立つ岩門の「立巌岩」(たてごいわ)のすぐ脇を通過。そこから白崎海洋公園までのシーサイドラインは大迫力だ。晴れて太陽が注いだコバルトブルーの海と光り輝く石灰岩の白い岩肌は、地中海やエーゲ海に例えられることもあるそうだ。そして、白波の立つ荒々しさもまた迫力があり魅力的だ。

奥に巨大な岩門の「立巌岩」を望む白波の立つ白崎海岸 Photo: Kenji HASHIMOTO
スマホを取り出しスヌーピー島をパシャリ Photo: Kenji HASHIMOTO
衣奈ビーチの緩やかな上り坂をいく Photo: Kenji HASHIMOTO

 白崎海岸の次に登場するのは、何かに似ている形をした島に、ふと立ち止まってみたくなる十九島(つるしま)だ。遠くから見ると犬が横たわっているように見えるため、“スヌーピー島”として親しまれている。緩やかなアップダウンを繰り返しながら、由良の衣奈海岸と湯浅の栖原海岸を走りぬけ、今回のサイクリングも後半へ。栖原海岸から見える苅藻島(かるもじま)は、地元生まれの高僧・明恵上人の修行の地として知られる。

栖原海岸から見える苅藻島(かるもじま) Photo: Kenji HASHIMOTO

江戸時代の雰囲気が残る湯浅を走る

日向さん今回のコースは、シーサイドラインを駆け抜けるだけではなく、それぞれの街中に立ち寄って散走すると楽しみが広がります。私は、小休憩がてら広川町にある「稲むらの火の館」で津波や地震に関して学ぶことができる資料館を訪れました。また、醤油発祥の地として知られる湯浅の街並み散走はオススメです。江戸時代の佇まいを色濃く残す街は、重要伝統的建造物群保存地区にも指定され、独特の世界観が広がっています。

全国でも珍しい最新の津波に関する情報が集まった資料館も併設する「稲むらの火の館」 Photo: Kenji HASHIMOTO
歴史概要などの解説・展示がされている Photo: Kenji HASHIMOTO
江戸情緒あふれる湯浅の街並み Photo: Kenji HASHIMOTO
風情ある店の入口 Photo: Kenji HASHIMOTO
ランチは「寿司・割烹 松由」独自のしらす丼 Photo: Kenji HASHIMOTO

 湯浅の散走を終えて、ランチタイムは、湯浅の街中にある「寿司・割烹 松由」へ。ここの名物は、ふっくら温かいしらすと椎茸の佃煮でいただく独自のしらす丼。醤油なしでしらすの味を楽しんでもよし、湯浅の醤油をかけてもよし。二度美味しいしらす丼でお腹を満たしたらゴールの有田をめざして再出発だ。ゴールの有田市のJR紀勢本線の箕島駅までは残り20kmを切っているものの、終盤には「有田みかん」の産地で知られる有田市を一望できる「有田みかん海道」が待っている。上り始めから山頂までの登坂距離は2.5kmと短めながら、実はハード!?

有田市の南側に広がる山間部を縦走する「有田みかん海道」 Photo: Kenji HASHIMOTO
山肌のいたるところにみかん畑がある「有田みかん海道」 Photo: Kenji HASHIMOTO

日向さん「みかん畑があるところに坂あり」かもしれません。水はけも日当たりも良い急峻な山肌にみかん畑が広がる「有田みかん海道」は、上りの距離はせいぜい2.5kmほどです。でも、平均7%近くもある急勾配なので、甘く見ているとちょっと辛いかも。そして、この道にもブルーラインは敷かれているので、サイクリングにはオススメのルートということですね! 頑張って上り切ったらご褒美がほしいところです。

みかん畑ヒルクライム後に絶景

 山頂に到着すると、北側には有田市の街並みを、南側には四国と紀伊半島の間にある紀伊水道を見渡せる360°のパノラマ展望が広がっている。ヒルクライムの達成感を味わえるが、みかん街道ヒルクライムの魅力はそれだけでない。なんと山頂には、2017年にオープンしたばかりのイタリアンレストラン「テスティモーネ」があり、ご褒美に絶品スイーツなどいかがだろう。もちろん、本格パスタをいただけるランチコースもあり、ここをランチスポットにしてライドを楽しんでもよいだろう。

 こちらにはたくさんの自転車を駐車可能なバイクラックが設置され、現在、開催中の「WAKAYAMA800モバイルスタンプラリー」のチェックポイントの一つでもある。県全域で45カ所に設置されたモバイルスタンプラリーのQRコードを読み込むとスタンプをゲット。専用のマイページでスタンプを集めるとTREKのロードバイクなど豪華商品が当たる。
 
 ちなみに、地元和歌山出身のマネージャーは、大学まで自転車競技部で競技に打ち込んでいたサイクリスト。「今後、サイクリストの立ち寄りスポットとしてご利用いただければ嬉しいです」とおっしゃっていました。

有田みかん海道の頂上にあるイタリアンレストラン「テスティーモーネ」 Photo: Kenji HASHIMOTO
自家製ティラミスは本場イタリアの味 Photo: Kenji HASHIMOTO
有田市を一望できるテラス席も Photo: Kenji HASHIMOTO

日向さん坂道はキツめだけど、わずか2.5km上れば、絶景とスイーツのご褒美が待っています。有田市を一望できるテラス席で優雅なひとときを満喫できます。今回、和歌山県の南西海岸を走る60kmのコースも、この山頂から一気に下ってしまえば、ゴールのJR紀勢本線の箕島駅はすぐそこです。距離は短めながら、ゆったりとシーサイドラインを楽しめる今回のルートはいかがでしたか。次の週末にぜひ走ってみてください。

黄色のお揃いの漁船が停泊している太刀魚の港として知られる箕島漁港 Photo: Kenji HASHIMOTO
輪行なら各方面へアクセスできるJR箕島駅へ到着 Photo: Kenji HASHIMOTO

今回の和歌山サイクリングのパートナー

■TREK Checkpoint(トレック チェックポイント)

 スムーズで快適な乗り心地ながら、いかなる路面も物ともしない走破性の高さが特徴のグラベルロード。左右非対称チェーンステーや衝撃吸収機構を備える独自設計のフルカーボンモデルだ。

TREK・Checkpoint(トレック・チェックポイント)  Photo: Kenji HASHIMOTO

注目! サイクリストにやさしい宿紹介

■白崎シーサイドハイツホテル

 2日目ゴール地点の有田川町の南に位置する由良町。太平洋沿岸の美しい白崎海岸を望む全室オーシャンビューのホテル「白崎シーサイドハイツ」。白崎海岸は“日本のエーゲ海”とも称され、絶景のシーサイドライドを楽しめる。ホテルには、バイクラック完備の施錠付きの自転車倉庫があり、サイクリストを歓迎している。フロアポンプや工具類も一式揃っている。ホテルの自慢は、何と言っても近海で獲れた新鮮な海の幸。幻の魚「クエ」など、ボリューム満点の食事がリーズナブルな価格で楽しめる。

全室オーシャンビューのホテル「白崎シーサイドハイツ」 ©和歌山県 
新鮮な海の幸をふんだんに使った料理を楽しめる Photo: Kenji HASHIMOTO
鍵付きの自転車倉庫、フロアポンプや工具もある Photo: Kenji HASHIMOTO

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サイクルツーリズム ロングライド 和歌山県

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