19歳の松田祥位が2位石上優大が「おおいたアーバンクラシック」優勝 日本ナショナルチームU23勢がワン・ツー

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 日本で7つ目のUCI(国際自転車競技連合)公認レース「おおいたアーバンクラシック」(アジアツアー1.2)が10月14日、大分県大分市の大分スポーツ公園周辺に設定された1周10kmの特設周回コースで開催され、序盤の逃げ集団から最後の先頭集団まで常に先頭でレースを展開し続けた石上優大(日本ナショナルチーム)が優勝を飾った。

最終周終盤に雨澤毅明を振り切った石上優大(左)と松田祥位(右)の日本ナショナルチーム2人がワン・ツーフィニッシュを達成した Photo: Nobumichi KOMORI

10人の逃げ集団が形成

 2014年の初開催から、国内ツアー戦Jプロツアー終盤戦の重要レースとして年間ランキング争いに大きな影響を与えてきた大分県大分市での2連戦。5回目となる今年は、UCIアジアツアー1.2の国際レースに昇格を果たし、名称も「おおいたアーバンクラシック」も変更になった。コースは、サッカーW杯の試合も行われた大分銀行ドームもある大分スポーツ公園とその周辺公道を使用する、1周10kmの周回コース10周する150kmで、昨年のレースとは逆回りを採用。明確な勝負どころと言えるような個所はないものの、ジェットコースターのようにアップダウンを繰り返すレイアウトは、サバイバルな展開を生むには十分。展開次第では、完走者数もかなり絞られるコースと言える。

スタートラインに選手たちが整列し始める Photo: Nobumichi KOMORI
前日のクリテリウムで優勝した黒枝咲哉(右、シマノレーシングチーム)と黒枝士揮(左、愛三工業レーシングチーム)の地元出身の兄弟がスタート前に笑顔を見せる Photo: Nobumichi KOMORI
快晴の中でレースがスタートする Photo: Nobumichi KOMORI

 予定通り午前9時にスタートしたレースは、1kmのニュートラル区間を終えて正式スタートが切られると、アタックの応酬となった。数人の選手が飛び出しては集団が吸収するという状態を繰り返すなか、3周目に4人の選手が飛び出し、さらに後方から6人の選手が合流して10人の逃げ集団が形成された。

アタック合戦を繰り返す集団が住宅街のパークプレイス内を走り抜ける Photo: Nobumichi KOMORI

 10人の逃げ集団は、トビー・オーチャードとジョナソン・ノーブル(ともにオーストラリア、オーストラリアンサイクリングアカデミー ライドサンシャインコースト)、新城雄大(キナンサイクリングチーム)、小石祐馬(チームUKYO)、ロビー・ハッカー(オーストラリア、チームUKYO)、鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)、ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)、ダミアン・モニエ(フランス、愛三工業レーシングチーム)、入部正太朗(シマノレーシングチーム)、石上という構成。有力チームの選手がまんべんなく入ったことでメイン集団もこの逃げを容認し、逃げに選手を送り込んでいないブリスベン コンチネンタル サイクリングチームが先頭に立って集団のコントロールに入ったことで、1分程度のタイム差を保った状態でレースは進んでいった。

モニエ(愛三工業レーシングチーム)を先頭に集団から4人の選手が抜け出す。 Photo: Nobumichi KOMORI
10人の逃げ集団が大分スポーツ公園内の道幅の狭いコースを進む Photo: Nobumichi KOMORI
協調体制を取り、ローテーションを繰り返しながら逃げ続ける10人の逃げ集団 Photo: Nobumichi KOMORI

逃げ吸収から3人が先行

 8周目になると、逃げ集団で積極的にローテーションに加わっていた小石が体調不良のため後退し、そのままリタイア。逃げ集団は9人となったが、なおも協調して逃げ続ける展開が続いた。しかし、レースも3分の2を終える頃になると、逃げ集団内では思惑や脚の残り具合の違いからか協調体制が崩れ始め、それを嫌った鈴木が逃げ集団から飛び出して単独で先行するなど、少しずつ動きが出始める展開に。鈴木の吸収後にはトリビオが単独で抜け出して先行する時間も出るようになってきた。

メイン集団が遠く別府湾を望む高台を下っていく Photo: Nobumichi KOMORI
テクニカルな下り区間を軽快に下っていく逃げ集団 Photo: Nobumichi KOMORI
メイン集団はブリスベン コンチネンタル サイクリングチームが先頭に立ってペースメイク Photo: Nobumichi KOMORI
フィニッシュへと続く上り区間をメイン集団が進んでいく Photo: Nobumichi KOMORI

 一方のメイン集団も、ここまでコントロールを続けたブリスベン コンチネンタル サイクリングチームと入れ替わるようにトマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)が先頭に立ってペースアップを開始すると、徐々に活性化して少しずつ人数が絞り込まれ始め、逃げ集団とのタイム差も少しずつ縮まり始めた。

小石祐馬が後退し9人になった逃げ集団がなおも逃げ続ける Photo: Nobumichi KOMORI
メイン集団がスタート・フィニッシュ地点へと続く上り区間を上っていく Photo: Nobumichi KOMORI
協調体制が崩れ始めた逃げ集団からトリビオが単独で先行する Photo: Nobumichi KOMORI

 そんな中、レースも残り2周となる14周目に入ると、ついにメイン集団が逃げ集団を吸収して集団はひとつになり、レースは振り出しに。ひとつになった集団から雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)がアタックを仕掛けて抜け出すと、その動きに石上と松田祥位(日本ナショナルチーム)が反応して合流し、3人の先頭集団が形成された。3人の先頭集団に対し、メイン集団は牽制し合ったのか、追走する脚がなかったのか、追走すべきチーム勢がまったくと言っていいほど動くことができずにペースダウン。先行する3人とのタイム差が30秒程度にまで開いた状態で、レースは最終周に入った。

ひとつになった集団から飛び出した3人の選手が最終周に入る Photo: Nobumichi KOMORI

次世代の若手選手が表彰台を占める

 最終周の中盤を過ぎても、先頭集団の3人とメイン集団とのタイム差は縮まらず、先頭集団3人の逃げ切りが濃厚な状態に。すると、先頭集団内で数的優位に立つ日本ナショナルチームは松田がアタックを繰り返して雨澤の脚を削りにかかり、残り1kmを切るタイミングで仕掛けたアタックに雨澤がつき切れずに遅れ、松田が単独で先行する展開になった。

 さらに、松田の攻撃の間に脚を休めることができた石上も雨澤を振り切って先行する松田に合流し、日本ナショナルチームの2人がそろってゴールに姿を現わしそのままワンツーフィニッシュ。序盤から終始、積極的な走りを続けた石上が見事に優勝を飾った。

チームメートに優勝を祝福される石上優大(中央) Photo: Nobumichi KOMORI

 優勝した石上は、今年の全日本選手権ロードU23を制した20歳。U23の日本代表でも活躍するほか、今年はAVC AIX EN PROVENCEに所属してフランスのレースでも経験を積んでいる。8月のツール・ド・ラヴニールで鎖骨を骨折し、その状態で出場した世界選手権は完走できず、悔しさを胸に秘めて出場した今レースで、UCIレース優勝を掴み取った格好になった。また、2位に入った松田は19歳、3位の雨澤はエリート1年目の23歳と、次世代を担う若い世代が表彰台を占める結果になった。

表彰式。左から2位の松田祥位、優勝した石上優大、3位の雨澤毅明 Photo: Nobumichi KOMORI
優勝した石上優大はベストアジアライダー賞も獲得 Photo: Nobumichi KOMORI
優勝した石上優大はベストU23ライダー賞も獲得 Photo: Nobumichi KOMORI

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