茨城シクロクロス・取手ステージ織田聖がジャパンシクロクロス開幕戦で優勝 王者・小坂光との終盤マッチレースを制す
ジャパンシクロクロス(JCX)シリーズの開幕戦となる茨城シクロクロス第2戦取手ステージが10月8日、茨城県取手市の小貝川リバーサイドパークで開催され、男子エリートでは織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が現日本王者の小坂光(宇都宮ブリッツェン シクロクロスチーム)とのデッドヒートを制し、自身初となるUCIレース優勝を挙げた。女子エリートは中盤から独走となった唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が大会3連覇となる優勝を飾った。
弱虫ペダル vs. 宇都宮ブリッツェン
昨年から男女の最高峰カテゴリーがUCI・C2に昇格した茨城シクロクロス取手ステージ。今年も全日本チャンピオンの小坂と今井美穂(CO2bicycle)を筆頭に、男女ともに国内トップ選手が多数出場するレースとなった。



81人の選手が出場した男子エリートは、スタート直後から有力選手が集団から抜け出す展開となり、1周目の段階で小坂、織田、前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)、中里仁(Speedvagen Family Racing)、丸山厚(Team RIDLEY)、斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)という6人の先頭パックが形成された。2周目に入るとその先頭パックもふたつに割れ、先頭は小坂、織田、前田の3人に。その後、斎藤が一時は先頭パックに合流したもののすぐにドロップし、弱虫ペダルの2人対、宇都宮ブリッツェン1人の状態でレースは進んでいった。
一瞬の隙を見逃さず先頭へ
残り3周となる8周目になると、コーナーでスリップしてしまった前田が遅れ、先頭は小坂と織田の2人になり一騎打ちの状態になった。

その後の2人は、互いの調子や脚の残り具合を探り合いながら周回を重ねた。最終周となる10周目の半分を過ぎてもパックのまま進んでいったが、長い舗装路の終わりで小坂が前に出てシケインをクリアし、そのままペースを上げて勝負に出た。しかし、しっかりとついていった織田がその後のヘアピンコーナーでインを突いて小坂をかわすと、そのまま最後まで先頭を守り切って優勝を飾った。
初となるUCIレース、そしてJCXレース優勝となったU23シクロクロス日本チャンピオンの織田。前日には国内最高峰のロードレースシリーズ戦、Jプロツアーの最終戦で9位に入り、23歳未満の年間ランキングトップとなってピュアホワイトジャージを獲得。連戦で今レースに臨んでいた。
レース後に織田は「前日のレースがハードで疲れも残っていて、今日は無理だろうなと思っていましたが、3人のパックになってからはチームメートの(前田)公平さんが積極的に先頭を引いてくれて、自分は後方で休むことができました。最後は勝負を仕掛けるならここしかないというところで、しっかり先頭に出ることができたので勝つことができました」とレースを振り返った。
女子は唐見が後半独走
女子エリートは18人の選手が出場。スタートでホールショットを取った今井がしばらく独走を続けたものの、後方から唐見と西山みゆき(Toyo Frame Field Model)が追いつき3人の先頭パックに。その後、先頭は今井と唐見の2人になり、さらにそこから抜け出した唐見が独走でレースを進めて、この大会3連覇となる優勝を飾った。