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まさみんのゆるゆる自転車女子旅<最終回>出会いからイベント主催まで走り続けた8年間 私が自転車に夢中になった理由

by 龍野雅美 / Masami TATSUNO
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 2010年3月に自転車に出会い、2018年3月に自転車イベントを主催するまで自転車で走り続けた8年間。さまざまな自転車のスタイルを楽しみ、走る以外のさまざまなかたちも含めて自転車の活動をさせていただきました。いろんな方にでも出会えて、いろんな経験もできてすごく楽しかった! だけど、ここで一区切り。最終回となるコラムでは、これまでの日々を振り返り「なぜ、ここまで自転車にはまったのか?」、そしてこれから自転車を始めようと考えている人たちに向けて「サイクルライフをさらに楽しむポイント」をお伝えしたいと思います。

「しまなみ海道」スタートの一枚。さおりんが撮ってくれた私のお気に入り Photo: Masami TATSUNO

自転車でつかんだ発見と出会い

 通勤のため自転車を購入して1年も経ったころ、自転車乗りの上司から勧められたのをきっかけに初めての輪行にチャレンジしました。今では5分で終わる輪行作業もこのときは1時間以上もかかってしまい、すごく大変でした。でも自分の力で漕いで出会った人や景色や文化は「いつもとは違う特別な旅」という感覚を与えてくれました。すごく旅先の魅力を身近に感じて、自分の心と体に取り込めた。これが私が自転車に夢中になった1つ目の発見でした。

2013年に参加したサイクリング屋久島。このときはこんなに自転車にはまるなんて夢にも思いませんでした Photo: Masami TATSUNO

 この感覚を追い求めて参加したのが「四国ディスカバリーライド」という3日間で高知県を巡るイベントでした。ここで私は、生き生きとした笑顔で話す人たちから衝撃的な学びを得ました。好きなことを追求するということは、周りの人を元気にする「社会貢献」につながるということです。「じゃあ私ができる貢献は何だろう?」─そう問い続けて見つけたのが地元埼玉で結成された「ポタガール」でした。「私は何に夢中になれるか?私に何ができるか?」。これが2つ目の発見でした。

大好きなポタガールメンバー。楽屋、舞台裏、イベント会場、どこでもおしゃべりは止まらなくてホントに楽しかった!みんな大好きです Photo: Masami TATSUNO

 私にとって、自転車を語る上で欠かせない出会いがあります。ポタガール仲間だった「さおりん」こと旧姓・後口沙織さんです。さおりんは私の記事を毎回チェックしてくれて、いつのころから「まさみん!自転車アイドルになるんだよ!まさみんの書く文章はすごくいいから、2人でいろんなところに行って記事にするんだよ!」と話すようになりました。前半は「えー…」って感じですが(笑)、後半については「楽しそう、さおりんについていこう」とすんなり自分の心に入っていきました。「私の進べき道を教えてくれた人」。本当に、彼女がいなければ今の私はいなかったと思っています。

愛すべきパートナーのさおりん。華奢な体に詰まったパワーは私をいつも奮い立たせてくれました Photo: Masami TATSUNO
いろんなとこに行ったさおりんとの自転車旅行。中でも能登半島は忘れられない思い出の一つ Photo: Masami TATSUNO

 そしてもう一つの大切な出会い。初めて『Cyclist』で編集担当となっていただいた柄沢亜希さんとの出会いです。たまたま取材に来ていた彼女と話が盛り上がり「イベントレポート書いてみない?」といっていただいたのが始まりでした。

柄沢亜紀さんの結婚お祝いパーティー。左から池田清子さん、絹代さん、柄沢さん、さおりん、まさみん。清子さんの手料理を堪能しながら、絹代さんのマシンガントークを堪能する自転女子にはたまらない一日でした Photo: Masami TATSUNO

 もともと本がすごく好きで、本や執筆にかかわる仕事もしてみたいと思っていたので、執筆の機会が得られたのはとても大きな出来事でした。彼女の言葉から伝わる仕事への熱意や真摯な姿勢は、信頼に足るものであり尊敬の対象でもありました。「夢をかなえるチャンスをくれた人でもあり、好きなことにとことん向き合える人」。そんな彼女だから一緒に過ごした時間なんて関係なくて。なんと出会って5回目の集合は、彼女が移り住んだ先のドイツ。一週間、しっかり居座ってきました(笑)。

再出発のために自転車が教えてくれたこと

 自転車旅も執筆もとにかく楽しくて、とにかく夢中だった。そんなときに訪れた出来事が、離婚でした。仕事も家庭も全力で前進していると思っていたのですが、ふと足元に目を落としてみたら、両輪とも疲弊しきってチェーンはうまく回らなくなっていたようです。どの道を進むかを話し合うことやメンテナンスが足りてなかった。それでも、結婚も離婚も私にとっては多くのことを学ぶ良い経験でした。

 離婚後しばらくは、霧の中にいるような気持ちでした。それを終えるきっかけとなったのが連載「ツーリングの達人」でおなじみ、モデルで旅サイクリストの山下晃和さんとの出会いです。これからの生活や自転車とどう付き合っていくかすごく考えていたとき、「ポートフォリオを作ってみるといい」とアドバイスをくれました。

山下さんには足を向けて眠れません。本質を見抜き、問い、指示してくれる“本物”の人 Photo: Masami TATSUNO

 「なぜ自転車なのか、自転車の何が好きなのか、書くことを続けたいのか、書くことで何を伝えたいのかをはっきりさせること。自分の分身となってそれを伝えるためのツールを作ると整理できる」とのことでした。すごーく真剣に考えました。いろんなことを見つめ直して、アウトプットしては山下さんやさおりんに見てもらって直して…。30歳を過ぎて、改めて自己分析することになるとは思いませんでした(笑)。

 でも、これを作ったことで「何が好きなの?」「何がしたいの?」がちゃんと答えられるようになりました。自信を持って『Cyclist』編集部に「連載を持たせてください!」と直談判しに行くことができました。当時の編集長に「好きに書いていいよ」と言ってもらえ、やりたいことを全部やらせてもらうことができました。

私を信じ、支えてくれた「シクロクエスト」を運営するseabird社の野地さん。いっけんチャラい感じなのに、懐深い男前な方です(笑) Photo: Masami TATSUNO

 2018年3月に開催した「シクロクエストinさいたま」のときもそうでした。このときイベントを一緒に支えてくれた仲間からは「あなたのやりたいことは何?」「それで何を伝えたいの?」と何度も問いかけられ、何度も自分と向き合いました。キャパオーバーになってパニックになることもあったけれど、相手から伝わる本気の気持ちや自分の「やりたいこと」に向かっているという自信は、揺らぐことなく私を支えてくれました。

誰でも、いつでも、何でも始められる

 冒頭に挙げた「なぜ、ここまではハマったのか?」と「サイクルライフをさらに楽しむポイントとは?」の答えを振り返ります。

【私が自転車に夢中になった3つの理由】

①きっかけになる感動や学びがあったこと
②感動や好きなこと、やりたいことや伝えたいことにとことん向き合い、発信できたこと
③本気で向き合ってくれる人がいたこと

【これから自転車を楽しむための3つのコツ】

①チャンスは逃さないこと。知らない世界に飛び込んでみるって大事!
②自分を知ること。自分の好きなことに自信を持って、やりたいよ思うことを言い続けること
③人の言葉に耳を傾け、一人きりにならないこと(ご縁に感謝せずにはいられない!)

 私は一流の選手でもないし、たくさんの人を集めて会場を盛り上げるほどの力もありません。でもそれは自分でも望んではいません。正直、今でも写真を撮られるのはすごく苦手(苦笑)。私が望むのは自分の紡いだ言葉が、やがて誰かの楽しみや喜びに変わること。そんな私から伝えられるものは大したものではありませんが、誰かの役に立てたらと思います。誰だって、いつからでも、何だって始められます。

ポタガールでの体験で忘れられないのがさいたまクリテリウムbyツールドフランス。世界レベルの選手のみなさんと一緒に走る経験をさせていただきました Photo: Masami TATSUNO
シクロクエストの運営をサポートしてくれたヨガスタジオ「yuel」オーナーのtommy(左端)。彼がいなければ、度重なるトラブルを乗り越えることができなかったと思います。精神的にすごく助けていただきました Photo: Masami TATSUNO

 2015年10月からの3年間にわたり、「まさみんのゆるゆる自転車女子旅」を読んでいただき、ありがとうございました。みなさんのサイクルライフがより充実したものになることを願っています。

龍野雅美龍野雅美(たつの・まさみ)

「まだ知らない日本の魅力を発掘したい」、「自転車のあるライフスタイルの楽しみ方を届けたい」という思いからライターとしても活動を始める。埼玉県と自転車の魅力を発信するポタガールとしても活動中。「ポタ日和」で情報発信をしているほか、ウェブサイト「Masami’s Library」でも執筆中。

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