UCIポイント44点を加算キナンのトマ・ルバが総合3位、山本元喜が5位でゴール Tdバニュワンギ・イジェン最終日

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 キナンサイクリングチームが出場した、インドネシア東ジャワ州を舞台にしたUCIアジアツアーのステージレース、インターナショナル・ツール・ド・バニュワンギは9月29日、最終日の第4ステージが行われ、キナンのトマ・ルバがステージ3位に入り、個人総合でも3位でフィニッシュした。キナンは総合5位に山本元喜、同9位にサルバドール・グアルディオラと、トップ10に3人を送り込んでチーム力をアピールした。

個人総合上位3選手の表彰。トマ・ルバ(表彰台右)が総合3位に入った Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

最終日にして最大のヤマ場

 26日に開幕した総距離599kmのレースは、山頂フィニッシュだった第1ステージでルバが4位、山本が6位。続く第2ステージは、グアルディオラが8位に入り、よい流れで前半戦を終えた。最終日前日の第3ステージでは、勝負どころと見られた激坂区間でキナンの5選手が次々とアタックを決める奇襲攻撃に成功。ルバと山本がそれぞれ個人総合順位を上げ、3位と5位につけている。

この地域のシンボルでもあるイジェン山 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 そしていよいよ、大会はフィナーレを迎える。最後を飾るのは、この地域のシンボルでもある秀峰・イジェン山のヒルクライム。鋼青色の炎で知られるこの山の頂上にフィニッシュラインが引かれ、選手たちの登坂力を試す。特に今年は最終日にこの区間が設けられたこともあり、総合成績を決定づけるものと予想されてきた。

レース前にアスリチューンを口にする新城雄大 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
コースガイドを確認しながら話し合う山本元喜と新城雄大 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 127.2kmのステージ全体では、スタート以降しばらくは平坦が続き、残り30kmを切ってから山岳区間へ。4級山岳ジャンベサリ、3級山岳カリベンドを続けて越え、そのままイジェン山へと入る。登坂距離6.3kmで、平均勾配13%の上りは、登坂に入ってすぐに急坂が訪れる。中腹で最大の22%、その後も20%前後の激坂が立ちはだかるばかりか、路面が滑りやすいのも特徴。レース終盤に3つのカテゴリー山岳が連続するコースレイアウトだが、緩急さまざまな勾配がフィニッシュまで続いていくイメージだ。

 キナンサイクリングチームは、このステージに総合での逆転をかける。首位と3位のルバとの総合タイム差は2分58秒。難所のイジェン山での走り次第では、逆転は大いに可能だ。

第4ステージに臨むキナンサイクリングチームの5選手。大会スタッフを交えて記念撮影 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
熱帯ならではの自然の中をパレード走行するプロトン。前方に山本元喜が控える Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

新城雄大が上りでペースアップ

 レースはアクチュアルスタートとともにアタックがかかり、やがて7選手が逃げグループを形成した。序盤はコース幅が狭いことを生かして、リーダーチームのセントジョージコンチネンタルが7人以上の逃げを封じ、プロトンのコントロールを開始。キナン勢5人はその背後につけ、終盤の勝負どころに備えた。

リーダーチームの後ろで隊列を組んで走行するキナンサイクリングチームの選手たち Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 逃げグループとメイン集団とは、最大で約6分差まで拡大。この中に個人総合で上位に位置する選手が含まれ、集団はその差を慎重にコントロールする必要があった。

山岳でプロトンを牽引する新城雄大 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 終盤の山岳区間に入った時点でタイム差は約4分。4級山岳ジャンベサリまでセントジョージコンチネンタルが牽引した集団は、3級山岳カリベンドから新城雄大がペースアップを担う。新城の強力な引きによって、集団の人数が絞り込まれていく。カリベンドを越え、イジェン山へ向かうタイミングでさらにキナン勢がレースを動かす。まずアタックを仕掛けたのはグアルディオラ。これはセントジョージコンチネンタル勢のチェックにあうが、有力選手たちの争いを活性化させるきっかけとなった。

イジェン山の力比べでルバが3位

 いよいよ勝負は大会の華であるイジェン山へ。長く続く激坂に各選手の登坂力と消耗度の差がそのまま反映される。1人、また1人と遅れていき、クライマーによる本格勝負の様相になると、ここまで個人総合2位につけていたベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル)が抜け出し、ルバと前日ステージ優勝したジェシー・イワート(オーストラリア、チームサプラサイクリング)が追う形となる。序盤からの逃げメンバーも数人が先頭付近で粘っていたが、クライマーとの勢いの差は歴然。少しずつリードを広げていくダイボールがトップに立ち、ルバとイワートによる2位争いへと変わっていった。

イジェン山の20%勾配を上るトマ・ルバ。懸命に前を追った Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
ステージ優勝とともに個人総合優勝を決めたベンジャミン・ダイボール Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 イジェン山で独走に持ち込んだダイボールが後続に1分近いタイム差をつけて、今大会のクイーンステージを制覇し、個人総合優勝も獲得した。2位争いはフィニッシュを目前にイワートが抜け出し、ルバはダイボールから1分4秒差のステージ3位とした。

 さらに後ろでも熾烈なステージ上位争いが繰り広げられた。山岳アシストを務めたキナンのマルコス・ガルシアが4位で走り切り、グアルディオラも6位。個人総合成績がかかる山本も9位に入り、キナン勢は4選手がトップ10圏内でステージを終えた。

ステージ3位となり、個人総合でも3位を決めたトマ・ルバ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
ステージ9位の山本元喜。個人総合5位となりUCIポイントを獲得 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

キナン勢は総合トップ10に3人

 このステージの結果によって、総合上位陣にシャッフルが発生。ルバは順位を保ち個人総合3位で表彰台の一角を確保した。山本も同様にスタート時の個人総合5位をキープ。順位変動が起きた中で、ここ数ステージで好走を見せてきたグアルディオラが9位に浮上。キナン勢は総合トップ10に3人が入り、UCIポイント44点を加算することに成功している。

走り終えた直後のトマ・ルバの表情 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 このほかキナンサイクリングチームは、各ステージのチーム内上位3選手のタイム合算で競うチーム総合で2位、山岳賞ではルバが3位となり、それぞれ総合表彰台へと上がった。

 これらをもって、アジア屈指の山岳ステージレースである今大会が終了。キナンサイクリングチームとしても、9月中旬から始まったインドネシア遠征が終了した。今回のテーマであった、UCIポイントの獲得と総合上位進出は今大会で果たすことができ、一定の成果を残した遠征となった。

トマ・ルバは山岳賞でも総合3位に Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
チーム総合の表彰でポディウムに登ったキナンの5選手 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
チーム総合の表彰 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

山本元喜のコメント

 チームオーダー通りにレースを運ぶことができ、特に山岳に入ってからの(新城)雄大の素晴らしいアシストによって、自分が想定していた以上に重要な局面まで脚を温存して走ることができた。その甲斐あって、総合成績の維持ができた。順位アップこそならなかったが、結果としてUCIポイントの獲得につなげられたのはよかった。

 インドネシア遠征を通して、スプリントにトライするといった新たな試みもできて、山岳での走りも含めて自らの可能性が広がっている実感がある。調子も上がっているので、残るシーズンもコンスタントにUCIポイントを獲得しながら、持ち味を生かしていきたい。

トマ・ルバのコメント

 今日の結果そのものには驚いていない。山岳で全力を尽くし、実力のある上位2選手とよい勝負ができたと思う。

 大会初日のミスが最終的な結果に直結したように感じている。ただ、その後もトライを続け、第3ステージでの攻撃や今日の山岳に挑むことができた。今後もレースが控えているので、コンディションを整えて本番を迎えたい。

第4ステージ結果(127.2km)
1 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) 3時間49分44秒
2 ジェシー・イワート(オーストラリア、チームサプラサイクリング) +47秒
3 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)+1分4秒
4 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +4分6秒
5 マルセロ・フェリペ(フィリピン、セブンイレブン・クリックロードバイクフィリピンズ)
6 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム) +4分9秒
9 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +5分20秒
29 新城雄大(キナンサイクリングチーム) +14分3秒

個人総合時間賞
1 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) 15時間8分7秒
2 ジェシー・イワート(オーストラリア、チームサプラサイクリング) +58秒
3 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +1分14秒
4 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +5分38秒
5 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +6分47秒
6 マリオ・フォイト(ドイツ、チームサプラサイクリング) +10分23秒
9 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム) +14分14秒
16 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +17分17秒
34 新城雄大(キナンサイクリングチーム) +28分5秒

山岳賞
1 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) 33pts
3 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) 22pts
5 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) 12pts
10 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム) 8pts
12 山本元喜(キナンサイクリングチーム) 6pts

チーム総合
1 セントジョージコンチネンタル 45時間40分13秒
2 キナンサイクリングチーム +2分26秒

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