Jプロツアー第20戦窪木一茂が5勝目、年間王者のルビーレッドジャージ獲得決定 JBCFまえばしクリテリウム

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 国内最高峰のロードレースシリーズ、Jプロツアー第20戦「第3回JBCFまえばしクリテリウム」が9月29日、群馬県前橋市の群馬県庁、前橋市役所周辺特設周回コースで開催され、残り300mほどで単独で抜け出した窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)が今季5勝目となる優勝を飾った。

今季5勝目を挙げた窪木は、この日の勝利でルビーレッドジャージを確定させた Photo: Nobumichi KOMORI

台風24号による影響で2周減の42km

180度コーナーでタテに伸びたメイン集団がS字コーナーでさらに伸びる Photo: Nobumichi KOMORI

 今年で3回目の開催となったまえばしクリテリウムは、群馬県の中心地とも言える県庁と前橋市役所の周辺に設定された1周3.5kmの公道特設周回コースが舞台。基本的にフラットなレイアウトだが、2カ所の180度コーナーやテクニカルなS字コーナーが選手たちに踏み直すパワーとテクニックを要求する難しさを持ったコースと言える。また、この日は接近する台風24号による諸々の影響が考慮され、当初の14周から12周に2周減らされ、42kmでの開催となった。

JBCFのレースの前には一般参加のレースも開催され、小学校低学年の子どもたちがスタートする Photo: Nobumichi KOMORI
ホームチームの群馬グリフィンを先頭に選手たちが整列する Photo: Nobumichi KOMORI

 レースがスタートし、ニュートラル区間を終えるとアタック合戦になったレースは、ほどなくして窪木、入部正太朗(シマノレーシング)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)の3人が集団から抜け出して逃げ集団を形成する展開になった。レースもまだ序盤ということもあってメイン集団はこの逃げを容認する構えを見せたが、有力チームの有力選手3人の逃げは展開次第では波乱を生みそうな予感を感じさせた。

右から入部正太朗(シマノレーシング)、窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)の逃げ集団が形成される Photo: Nobumichi KOMORI

 しかし、この日3回設定された最初のスプリント賞を窪木が獲得すると、そのまま窪木は集団に戻る動きを見せ、さらに「窪木さんと入部さんが動いたのでチェックに入ったら逃げが決まってしまった」とレース後に語った小野寺も、本来のチームプランとは異なる動きだったこともあって踏み止めて集団に戻ったことで、逃げは入部の単独となった。

フランシスコ・マンセボがスポット参戦

 単独で逃げる入部に対して、メイン集団は前戦の維新やまぐちクリテリウムでも最終盤まで完璧なレース運びを見せたマトリックスパワータグがコントロールを開始。安原昌弘監督のサプライズで何の事前告知もなくスポット参戦となったフランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)や佐野淳哉(マトリックスパワータグ)、ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)がきっちりペースメイクをして入部を泳がせるような状態になった。

窪木が集団に戻り、逃げは入部と小野寺の2人に Photo: Nobumichi KOMORI
サプライズの出走となったフランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)。チーム関係者によると今回はスポット参戦だが、来期出場の可能性はゼロではないとのこと Photo: Nobumichi KOMORI

 そんな中、7周目になるとメイン集団中ほどで落車が発生、集団が大きく分断される展開になった。また、落車で負傷した選手がコース上に横たわっていることもあって、コミッセールはレースの一時中断を決定。スタート・フィニッシュ地点に集められた選手たちは、負傷した選手の回収とコース上の安全確認が済むまでコース上で待機を余儀なくされることになった。その後、それまでのレースはキャンセルとなり、あらためて5周のレースとして再開することが決まり、再スタートが切られた。

落車で分断された後方集団がスタート・フィニッシュ地点で止められる Photo: Nobumichi KOMORI
前方集団もスタート・フィニッシュ地点へと戻ってくる Photo: Nobumichi KOMORI

 再スタートが切られたレースは、選手間の紳士協定で中断前の単独で逃げる入部と、それを追うマトリックスパワータグがコントロールするメイン集団という展開に戻された。するとここで、木村圭佑(シマノレーシング)が単独アタックを仕掛けて集団から抜け出し、程なくして単独で逃げ続ける入部に合流して逃げはシマノレーシングの2人に。一方のメイン集団も、残り2周の段階になると宇都宮ブリッツェンが先頭に出てマトリックスパワータグと主導権を奪い合う状態になり、ペースアップ。逃げる2人とのタイム差を縮めながら最終周を迎えた。

残り2周になる段階で宇都宮ブリッツェンが集団先頭に出る Photo: Nobumichi KOMORI

 最終周に入ると、マトリックスパワータグと宇都宮ブリッツェンが先頭を奪い合うメイン集団が、逃げるシマノレーシング2人とのタイム差をみるみる縮め、残り距離もわずかというところで2人を吸収。そのまま大集団でのゴールスプリント勝負に持ち込まれるかと思われたが、マトリックスパワータグと宇都宮ブリッツェンが位置取り争いを繰り広げる一瞬の隙をついた窪木が単独で飛び出し、リードを奪った状態で最終コーナーをクリア。そのまま後続を寄せ付けずに優勝を飾った。

メイン集団はマトリックスパワータグと宇都宮ブリッツェンが隊列を整えながら最終周へ Photo: Nobumichi KOMORI
タイミング良く抜け出した窪木が先行した状態でホームストレートに姿を現す Photo: Nobumichi KOMORI

 優勝した窪木は「今日のレースは途中のスプリント賞も取って、最後のスプリントで勝利も挙げるというチームプランでした。最初のスプリント賞を取れたので、マトリックスパワータグとチームメートが集団をコントロールすればゴールスプリントも狙えると思って集団に戻りました。途中の落車に堀が巻き込まれてリタイアしてしまって、それで全員が勝たなければいけないと思ったことも大きかったですね」とレースを振り返った。また、最後の場面に関しては「自分は5、6番手ぐらいにいたのですが、最終コーナーの前で先頭に出て先行してスプリントしたいと思って抜け出したら、後ろもゴチャゴチャしたようでついてこなかった。先にかけ出しておいて良かったです」と、自身の判断に手応えを感じていた。

右から3位の大久保陣(チーム ブリヂストンサイクリング)、優勝した窪木、2位の小野寺 Photo: Nobumichi KOMORI

 最終戦の第22戦「経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」は全日本選手権オムニアムと日程が重複するため不出場になるが、この日の優勝で、窪木は個人ランキングのポイントを2,654ポイントまで伸ばし、年間王者の証であるルビーレッドジャージの獲得が決定した。

 そのことについて問うと「チームとしてはジャージではなくて勝ち星を挙げるということにこだわっていましたが、結果的に自分がジャージを着用したことでチームの連携も取れるようになったし、スポンサーへのアピールにもなったので良かったですね。個人としても、これまでは年間を通してJプロツアーに出場するということがあまりなかったので、こうして勝ちにこだわってジャージを獲得できたということは自信になります」と喜びを口にした。

スプリント賞を獲得した、右から窪木、入部、木村とプレゼンターの片山右京JBCF理事長 Photo: Nobumichi KOMORI
ルビーレッドジャージは窪木が確定させたが、ピュアホワイトジャージは一歩リードする織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が守り抜けるか Photo: Nobumichi KOMORI

第21戦「JBCF群馬CSCオータムロードレース」は中止

 翌30日に開催される予定だった第21戦「JBCF群馬CSCオータムロードレース」は接近する台風24号の影響を考慮して中止が決定されたため、今シーズンのJプロツアーは、最終戦となる10月7日の「JBCF経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」を残すのみとなった。現時点で窪木のルビーレッドジャージ獲得と宇都宮ブリッツェンのチームランキング1位は確定しているが、23歳未満のランキングトップの選手が着用するピュアホワイトジャージは、現時点でジャージを着用している織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が圧倒的に有利な状況ではあるが、最終戦まで確定しない状況だ。

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