キナンサイクリングチームが出場初日はトマ・ルバが4位 インドネシアで開催のツール・ド・バニュワンギ・イジェン

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 キナンサイクリングチームが出場する、インドネシア・東ジャワ州を舞台とする4日間のステージレース、インターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ・イジェン(International Tour de Banyuwangi Ijen、UCIアジアツアー2.2)が9月26日に開幕した。153.1kmで争われる第1ステージから山頂フィニッシュが設けられ、キナン勢はトマ・ルバが4位でゴール。レースを通して激しいアタックの応酬となったが、総合上位進出に向けて足場を固めている。

キナンサイクリングチームのトマ・ルバ(左)が、山頂フィニッシュの第1ステージをステージ4位で終えた Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

登坂力が要求される4日間のステージレース

 9月中旬から同国への遠征を行っているキナンサイクリングチームは、この大会へは3年連続出場。2016年の個人総合優勝を筆頭に、確実に総合上位を押さえてきている。今年はタイトル奪還と、UCIアジアツアーポイントの獲得をテーマに臨む。メンバーはルバのほか、山本元喜、マルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラ、新城雄大の5選手。

レース2日前のチームプレゼンテーションに参加したキナンサイクリングチームの5選手。左からマルコス・ガルシア、新城雄大、山本元喜、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 この大会の最大の特徴は、UCIアジアツアー屈指の山岳ステージレースであるところ。今年は第1ステージと最終日の第4ステージが、山頂フィニッシュに設定されている。特に第4ステージは、鋼青色の炎で知られるイジェン山を上る。平均勾配13%、部分的に20%程度の急坂区間もあり、総合成績を左右する可能性が高い。また、第2、第3ステージもアップダウンに富み、大会を通して登坂力とスピードが試される。4日間の総距離は599kmとなる。

 第1ステージは、大会の拠点都市であるバニュワンギを出発し、しばし南下。中盤から折り返すようにして北上すると、内陸の山岳地帯へと入っていく。最後は平均勾配6%の2級山岳ロウォ・バユの頂上にフィニッシュする、初日から厳しいコース設定だ。

アタックで集団は細分化

 レースは、アクチュアルスタートからアタックが散発した。キナン勢もメイン集団前方に位置し、激しい出入りに対応する。そして、30km地点を目前としたタイミングで変化が生まれた。8人が集団から抜け出し、ここにキナン勢からは新城が加わった。有力チームがいずれも選手を送り込んだ形となった強力な逃げグループは、スタートから60kmを過ぎる頃にはメイン集団に対して5分以上のリードを得た。

レース序盤、アタックのチェックに動く新城雄大 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
プロトンのペースアップに反応するサルバドール・グアルディオラ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
追走グループのペースアップを試みる新城雄大 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 一度は先頭の8人を見送ったメイン集団だったが、60km地点を過ぎたポイントに設けられたフィードゾーンをきっかけに数人がアタック。これにキナンからはルバがチェックに動いた。さらに山本も続き、複数の追走グループが形成された。ときを同じくして先頭でも2選手が飛び出し、新城は第2グループに位置して前を追うこととなる。

追走グループを率いるトマ・ルバ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 快調に飛ばす先頭の2人に対し、追走はめまぐるしく選手が入れ替わり、アタックと吸収とを繰り返す。キナン勢は新城らのグループにルバが合流。ともにローテーションに入り、ペースアップを試みながら進んでいく。さらにその後ろでは山本らのグループも追い上げ、ロウォ・バユの上りを前に新城とルバに合流した。

ルバ、山本が総合上位に

 先頭とのタイム差を縮めたい追走グループは、新城と山本が懸命にペースメイク。上りに入って絞り込みが始まると、総合争いのライバルと見られる選手の動きをルバがチェックした。

独走でステージ優勝を挙げたマーカス・クレイ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 結果的に、中盤から飛び出した選手がともに逃げていた選手を振り切って、独走勝利。単独追走した選手をはさんで、ルバたちのグループはステージ3位争いへ。ライバルの先着こそ許したものの、トップとは3分38秒差の4位でフィニッシュ。今後の厳しい山岳ステージで勝負することとなる選手をマークしながら、ステージを終えている。

 アシストとしても貢献した山本も終盤まで追い込み、ステージ6位を確保。逃げでレースを構築した新城のほか、グアルディオラ、ガルシアもこのステージを走り切っている。

最後まで追い込んでステージ6位とした山本元喜 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 個人総合は、おおむねフィニッシュ順位が反映され、ルバが4位、山本が6位に位置。次のステージ以降は、チームとしてこの2人のポジションアップを意識していくこととなる。

 27日に行われる第2ステージは、スタシウン・カリバル(Stasiun Kalibaru)からカンタール・ブパティ・バニュワンギまでの179.3km。今大会の最長ステージとなる。スタートから中盤までは長い下り基調となり、そこから山岳にカテゴライズされない登坂が約20km続く。終盤は細かなアップダウンを経て、バニュワンギ市街地でフィニッシュを迎える。

トマ・ルバのコメント

 (前戦の)ツール・ド・シアクで強さを見せたセントジョージコンチネンタルの選手たちが、今回もスマートな走りを見せていた。われわれは少しミスがあって、私ひとりが力のあるチームの数人に対応しないといけない時間帯もあった。この結果を受け止めて、次の戦術をみんなで話し合いたい。

 まだレースは終わっていないし、総合で上位に入るという目標は続いている。第2ステージ以降もチャンスを見ながらアタックしていきたい。

新城雄大のコメント

 序盤は大人数のアタックをチェックすることを心掛けて走った。逃げが決まったのは、今後ライバルになるであろうチームの動きに合わせたことによるもの。中盤で2選手が飛び出したときは、他の選手をマークしていたときで、逆サイドから行かれてしまった形だった。

 トマが後ろから合流して以降もアタックが多くて、飛び出そうとする選手に対応していたが、結果的にセントジョージコンチネンタルの選手を追いきれなかった。

 今日は自分の読みの甘さもあって、逃げを許すことになってしまった。第2ステージも逃げを狙いながら、チームの総合成績につながる走りをしたい。

第1ステージ結果(153.1km)
1 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) 3時間42分22秒
2 マシュー・ゼノヴィッチ(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) +1分35秒
3 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +3分38秒
4 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)
5 ジェシー・イワート(オーストラリア、チームサプラサイクリング) +4分45秒
6 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +4分49秒
21 新城雄大(キナンサイクリングチーム) +10分40秒
75 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム) +13分23秒
77 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +13分36秒

個人総合時間賞
1 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) 3時間42分10秒
2 マシュー・ゼノヴィッチ(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) +1分37秒
3 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +3分46秒
4 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +3分50秒
5 ジェシー・イワート(オーストラリア、チームサプラサイクリング) +4分57秒
6 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +5分1秒
21 新城雄大(キナンサイクリングチーム) +10分52秒
75 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム) +13分39秒
77 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +13分48秒

チーム総合
1 セントジョージコンチネンタル 11時間12分19秒
3 キナンサイクリングチーム +13分54秒

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