逃げにも乗りチームとして良い形最終日は山本元喜が区間4位 キナンサイクリングチームが出場、ツール・ド・シアク

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 キナンサイクリングチームが出場したインドネシア・スマトラ島を舞台に行われてきたステージレース、ツール・ド・シアク(Tour de Siak、UCアジアツアー2.2)が、9月21日の第4ステージをもって閉幕した。最終日は大会拠点都市・シアクの市街地サーキットでの97.6kmで争われた。キナン勢はレース終盤にプロトンで発生したアタックに山本元喜が反応。そのまま集団の追い上げをかわし、4位でフィニッシュした。また、中盤から終盤にかけてはサルバドール・グアルディオラが逃げグループでレースをリードするなど、チームとして良い形で大会を終えている。

終盤にアタックを決めた山本元喜(中央)が、ステージ4位となった Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

シアク市街地のスピードバトル

 18日に開幕した大会もついに最終ステージ。大会初日からライバルチームの猛攻と徹底マークに遭ったキナンサイクリングチームだったが、前日の第3ステージで新城雄大が逃げグループでレースを展開。ビッグリザルトにこそつながらなかったが、存在感を示す走りを見せ、最終ステージへとつなげた。

2周回目、追走を試みる新城雄大 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 その最終、第4ステージ。17kmに設定された市街地コースをおおよそ6周回するレースは、鋭角コーナーやラウンドアバウトがあり、スピードとともに集団内でのポジショニングも求められる。ショートステージだが、逃げ切りが決まる可能性もあり、キナンサイクリングチームとしても、あらゆる展開を想定。個人総合でチーム最上位につける山本の順位アップも狙いながら臨んだ。

 現地時間午後2時8分にスタートが切られると、予想通り激しいアタックの応酬。2周回目に入る頃には、個人総合首位のマシュー・ゼノヴィッチ(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル)を含む8人が逃げグループを形成。リーダージャージ自らレースを先行する状況となり、追う立場となったキナン勢は果敢に追走を試みた。

メイン集団でレースを進める山本元喜 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
シアクのシンボル「シアク・スリ・インドラプラ・ブリッジ」(シアク王国大橋)を見ながら走るプロトン Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

グアルディオラが逃げ

 しばらくは先頭をゆく8人とメイン集団とが30秒前後のタイム差で進んでいたが、この形勢は中盤までには落ち着き、いったん集団は1つとなる。ここで流れを変えたのはグアルディオラ。4周回目に入ってアタックを成功させ、3人の逃げグループを率いる。

4周回目に逃げグループを形成したサルバドール・グアルディオラ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 逃げメンバーが個人総合成績に大きく関係する選手たちではなかったことから、メイン集団のコントロールを担うセントジョージコンチネンタルは無理に追うことはせず、30秒前後のタイム差で進行。グアルディオラを前に送り込んだキナン勢は、終盤に備えて集団内の好位置を確保していった。

 5周回目に4人となった逃げグループだったが、最終周回を目前にメイン集団がペースを上げ、タイム差が縮まっていく。20秒差で残り1周の鐘を聞いたが、フィニッシュまで10kmとなったところで15秒差。逃げ切りの可能性に賭けて粘ったグアルディオラだったが、ほどなくして集団へと戻ることとなった。

メイン集団でレースを進めるトマ・ルバ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
サルバドール・グアルディオラを含む4人が最終周回まで先頭を走り続けた Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

チャンスに反応した山本が先頭グループに

 このままスプリント態勢に入るかと見られたレースは、残り3kmで大きな局面を迎える。有力チームを中心にアタックが発生し、これにキナン勢も反応。山本がセントジョージコンチネンタル勢をマークし、そのまま集団に対しリードを奪った。

メイン集団の追い上げをかわしてステージ優勝争いに挑んだ山本元喜 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 最後の長い直線も先頭をキープした山本らは、集団の追い上げをかわしてステージ優勝争いへ。4人による勝負となり、残り200mから加速した山本だったが、わずかに及ばず。それでもステージ4位を確保。他の4選手もトラブルなくフィニッシュラインを通過した。

 全4ステージを終えて、キナンサイクリングチームは山本の個人総合17位が最高。ライバルチームに大会前半でリードを奪われ、そのまま最終成績に反映した形となったが、第3ステージ以降は逃げやアタックから見せ場を作るなど、今後に向けて良い形で大会を終えることができている。久々のレースだった選手もステージを追うごとにコンディションの高まりを実感している様子だ。

レースを終えた選手たちを地元の人たちが囲む Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 チームの次戦は、9月26〜29日のインターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ・イジェン(International Tour de Banyuwangi Ijen、UCIアジアツアー2.2)。今回と同じインドネシアでのステージレースに臨む。ツール・ド・シアクとは対照的に、ジャワ島東部の山岳地帯が舞台となる。チームが得意とする山岳での戦いで、今回の雪辱を誓う。

●山本元喜のコメント

 アタックが決まった局面は残り3kmを切ったあたり。セントジョージコンチネンタルの選手が前をめがけて飛び出したので、この動きが決定的になると読んで自分も続いた。先頭交代のローテーションにも加わったが、できるだけ勝負に集中できるよう位置取りを優先した。スプリントは前日までの反省から、残り200mまで待って加速したが、自分にとってはそれでも早すぎたかもしれない。他の選手とのスピードの違いは感じなかっただけに、こうした形での勝負を経験しているかどうかの違いが勝敗に表れたように思う。アタックの直前にはトマ(ルバ)や(新城)雄大も動いてくれて、それに助けられた。

 今大会はリザルトには結びつかなかったが、みんな上手く仕上がっていると思うので、それを次戦で発揮したい。

●サルバドール・グアルディオラのコメント

 4周回目に前方で動きがあったので、逃げが決まると思って一緒に反応した。レースリーダー(セントジョージコンチネンタル)のペースメイクによって最終周回に捕まってしまったが、トライできたことはよかった。

 ツール・ド・シアクはとても良いレースだと感じている。平坦系のステージレースだったため本領発揮とはいかなかったが、山岳がメインの次戦は力を発揮できると思う。

ツール・ド・シアク第4ステージ(97.6km)結果
1 アクマルハキーム・ザカリア(マレーシア、チームサプラサイクリング) 2時間19分34秒
2 ライアン・カヴァナフ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +0秒
3 アフィク・オスマン(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
4 山本元喜(キナンサイクリングチーム)
5 ディラン・ペイジ(スイス、チームサプラサイクリング) +1秒
6 ラクマド・ウィビソノ(インドネシア、PGNロードサイクリング)
38 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)
41 新城雄大(キナンサイクリングチーム)
54 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム) +22秒
56 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +1分45秒

個人総合時間賞
1 マシュー・ゼノヴィッチ(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) 11時間52分35秒
2 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +8秒
3 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +3分49秒
4 ライアン・カヴァナフ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +4分37秒
5 ディラン・ペイジ(スイス、チームサプラサイクリング) +4分49秒
6 アクマルハキーム・ザカリア(マレーシア、チームサプラサイクリング) +4分50秒
17 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +5分6秒
36 新城雄大(キナンサイクリングチーム) +5分17秒
46 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム) +5分38秒
54 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +9分33秒
57 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +16分2秒

チーム総合
1 セントジョージコンチネンタル 35時間42分19秒
8 キナンサイクリングチーム +10分57秒

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UCIアジアツアー キナンサイクリングチーム

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