岐阜県で開催、海外からの参加者も橋本英也、テオ・ボスも参戦、固定ギアのクリテリウム「sfiDARE CRIT」に観客も熱狂

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 今回で第3回目となるフィックスドギアバイク(ノーブレーキの固定ギアトラックバイク)によるクリテリウムsfiDARE CRITが9月15日、岐阜県羽島市の桜堤サブセンターで開催されました。男性、女性問わず日本にも非常にファンの多いテオ・ボス(オランダ)やアジア大会オムニアム2大会連続金メダリストの橋本英也(チーム ブリヂストンサイクリング)の参戦もあり、予選から勝ち上がった26人で行われる決勝戦は非常にハイレベルなレース展開になりました。名古屋を拠点にCLTを展開する蜂須賀智也さんのレポートでお届けします。(TEXT & PHOTO HATCH 蜂須賀智也、PHOTO Kikuzo)

アジア大会オムニアム2連続金メダリスト、橋本英也(ブリヂストン)が最終コーナー立上りゴールスプリントでアンリミテッドクラスを制する Photo: Kikuzo

競輪選手・児玉利文さんが主催

 昨年夏のプレ大会を経て今回で第3回目となるsfiDARE CRITは降ったり止んだりの秋の気まぐれな天気のなか行われた。大会を主宰する児玉利文さんは現役の競輪選手である傍ら昨年、今年と本場ニューヨークで開催されたRed Hook Critや先日韓国で開催されたking of trackに参戦。本場の空気を体感する事でフィックスドギアクリテリウムの第一人者としてその楽しさを伝えるべく、毎月開催する練習会で着実に愛好家も増えている。

アンリミテッドクラスの決勝に進むには予選5周回で5位以内に入らなくてはならない。もちろんテオ・ボスも予選から Photo: Hatch

 今大会はFIXED NATION CUPのオフィシャル大会に認定されており、児玉氏と師弟関係にある橋本英也やテオ・ボスが参戦するということで非常に話題性も多く、遠くはアメリカから参戦する女性サイクリストもいるなど、フィックスドギア(固定ギア)愛好家をはじめ60人が参戦。前大会以上に国際色も豊かでオーディエンスも多く非常に盛り上がった。

今大会は非常に国際色豊かでスタイルもバイクも楽しみ方も人それぞれ Photo: Kikuzo
アメリカからの参戦のケネディー。持ち前のコーナーワークで先頭を引く

敗者復活戦のチャンスも

 コースはテクニカルなコーナーを多数含む1.2kmで予選(5周回)で勝ち上がった26人による、アンリミテッドクラスの決勝戦(16周で15位以内がNATION CUPのポイントを付与)で順位を競う。予選で負けてしまったライダーも敗者復活戦で再び決勝に上がるチャンスもあり、勝ち上がったライダーにもチャレンジクラスの決勝が用意され、エキスパートからビギナーまで全てのライダーがレースを楽しめるルールとなっている。

アンリミテッドクラス決勝。終始先頭を引き現役競輪選手2人に次ぐ3位入賞をした貞末優和(BLACK SOX BICYCLE CLUB) Photo: Kikuzo

 小雨の降る中、スタートしたアンリミテッドクラスの決勝は序盤のアタック合戦から児玉利文、ジャスミン・テン・ハブのsfiDARE CRIT JAPANチーム、橋本英也、貞末優和(BLACK SOX BICYCLE CLUB)、高橋健一(White Jack)が抜け出しラスト3周で児玉、高橋による逃げが決まるも、最後は橋本がこの2人を吸収し圧巻のスプリントで第3回sfiDARE CRITアンリミテッドクラスを制した。橋本は前日のいわき平でのナイターレースからの移動で、ほとんど寝ていないなかでの参戦、そして初体験のフィックスドギアクリテを魅せるレース展開でファンやオーディエンスを盛り上げた。

初体験のフィックスドギアクリテを魅せるレース展開で雨のなか駆けつけたファンやオーディエンスを盛り上げた橋本英也。児玉氏とは師弟関係にある Photo: Hatch
AAS製のsfiDARE CRITオリジナルゼッケンプレート

優勝した橋本英也(チーム ブリヂストンサイクリング)

 雨の中、初の固定ギアでのクリテリウムということでコーナーでのタイヤのグリップの感覚が読めず、リアタイヤが滑る感覚があったので終盤オーバーランしてしまいましたが、路面のグリップするギリギリのなかで適応していきました。フィジカルとバイク性能が主体となる普通のクリテリウムと違い、ブレーキがないトラックバイクということで体重移動のみで曲がらないといけないので非常にいいトレーニングになるので、児玉オーガナイザーにこのフィックスドギアクリテを盛り上げてもらいたい。

世界を制したテオ・ボスのコーナー立上りの本気のダンシングはオーディエンスを魅了した Photo: Kikuzo
本当にこの雨のなか参加してくれるのか、参加者やオーディエンスが心配するなか本気の走りを魅せてくれたテオ・ボス。オーガナイザー児玉氏の広い交友関係がうかがえる Photo: Kikuzo
東海の自転車シーンを牽引する筧太一氏とテオ・ボスのツーショット。受付にて限定販売されたビートTシャツも即完売していました Photo: Hatch

オーディエンスを魅了したテオ・ボス

 フィックスドギアバイクによるクリテリウムは初体験。雨で路面がとてもスリッピーでナーバスになってしまった。ストレートで真剣に追いかけたんだけどね、今まで出たレースのなかで一番デンジャラスだった。参加者のなかで僕が一番スキルがなかったんじゃないかあ?! とてもいい雰囲気でいい大会なので、トレーニングして次回必ずリベンジしたいよ。

ヨーロッパでのレースを終え帰国後、時差ボケのままsfiDARE CRITに参戦した中原恭恵(右から2人目)。レースでの活躍はもちろんてテオ・ボスの通訳を引き受けてくれた Photo: Hatch

女子優勝の中原恭恵(マースランドスターインターナショナル)

 初のフィックスドギアクリテということで、和代さんも本当に強くて、毎コーナーをイライラさせてしまったけど、順応した中盤以降は固定ギア独特のレースを楽しみ、残り3周からかけようと決めアタックを何度もかけ最後独走できてよかった。帰国後時差ぼけのなかこの日を楽しみにしてしたけど、想像以上にエキサイティングで非常に面白かったです!

オーガナイザーの児玉利文

 固定ギア=危険というのが日本では先入観があり、世間なかなか受け入れがたい現実もあるが、固定ギアに限らずレースというフォーマットは全てに危険性を含んでいるなか、やはりみんなスリルを味わいたいという根底があるのではないかと思っています。

 そのなかで昨今海外で盛り上がりをみせるクリテリウムというフォーマットでのフィックスドギアバイクレースは、バイクの性能やフィジカルのウエイトが低く、ストリートライダーからプロアスリートまで全てのライダーが楽しめ、エンターテインメント性も高くスキルアップもできる。今回は海外のレースの運営面も見て看護師を入れて救護体制も強化しました。

 今後は大会だけでなく日々の活動を通してヨーロッパのモーターレースのようにジャンルレスな空間を作りながら、FIXED NATION CUPのオフィシャル大会として日本だけでなくアジア圏でシリーズ戦を開催し、フィックスドバイクギアクリテリウムのカルチャーを盛り上げていきたい。次回は来春開催するのでぜひ!

国内唯一のフィックスドギアクリテチーム『sfiDARE CRIT JAPAN』。児玉和代さんは、妻としても児玉選手を支える。名古屋在中のジャスミンはチームと海外の架け橋的役割。
BUCYO COFFEEの深煎り豆を使用したブレンドコーヒーやホットドッグ、タコタイスで参加者やオーディエンスをサポートしてくれたBAKESHOP FIKAさん
sfiDARE CRITの心臓部となる計測システムは京都車連さん Photo: Hatch

児玉和代(今大会の広報で、児玉氏を妻として支える一方で様々なレースを走り、先日のking of trackで優勝)

 私達がCRITを広めたいと思ったのは、そもそも身近にトラックバイクがあり、それが純粋にカッコいい!と思えるものだったからです。本場ニューヨークでのレースを経験し、このCRITをエンターテインメントとして日本でも広めたいと思いました。とくに女性ライダーはルックスもクールでオシャレでたくましく、それをたくさんの人に発信するためには、自分がライダーとして走って、身をもって魅力を語らなければという思いから世界にチャレンジしてます。海外のように、なかなかストリートでノーブレーキのレースを開催するのは法律上難しいですが、最終目標はストリートでのレース開催とのこと。今後のチームの活動にも注目です。

ストリートフィックスドライダー、トラック競技愛好家、ダートライダー、プロレーサーまでまさに異種格闘技戦となった第3回sfiDARE CRIT Photo: Hatch

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