産経新聞連載【若手記者が行く】よりアップダウン、突然の雨…そしてグルメを堪能 自転車の聖地「しまなみ海道」に“突撃”

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平地を走るサイクリスト。しかし、アップダウンも多い =愛媛県今治市平地を走るサイクリスト。しかし、アップダウンも多い =愛媛県今治市

 愛媛県今治市と広島県尾道市を結び、「サイクリストの聖地」と呼ばれる「瀬戸内しまなみ海道」。昨年6月に松山支局に赴任以来、地元テレビなどでよく目にしてきた。瀬戸内海をまたぐ橋の上を自転車で疾走するのは気持ちよさそうだ。「よし、行ってみよう」。軽い気持ちで横断を目指したのだが…。 (産経新聞松山支局 田中森士)

思わぬ9組待ち

 しまなみ海道の愛媛県側の玄関口である今治市まで車で向かった。市サイクリングターミナル「サンライズ糸山」がレンタサイクルを多数備え、1回500円という低料金で借りられるという。着くと、駐車場には多くの車が止まっていた。いやな予感が的中した。まさかの「9組待ち」。しばらく待ってみたが、自転車が返却されている様子はない。

 時間が過ぎていく中、スマートフォンで「今治 レンタサイクル」と検索してみた。すると、約7キロ離れたJR今治駅に「ジャイアントストア今治」があり、自転車を貸し出しているらしい。すぐ予約して車に飛び乗った。

ロードバイクを選択

 「ジャイアント」は、自転車好きで知らない人はいないといわれるほど有名な台湾のメーカー。同店はその日本法人(川崎市)が昨年4月にオープンさせた。

 レンタサイクルは「まずは自転車に乗ってもらおう」と同社として初めて始めたもので、他の国内9店舗では扱っていない。

 せっかくなので本格的なロードバイク、しかも非常に軽いカーボン製にした。かなり前傾姿勢になるが軽く、驚くほど運転しやすい。一番レンタル料が高いこのタイプは5時間3千円で、1日だと5千円。途中で乗り捨てができないということもあり、伯方島(今治市)の「道の駅 伯方S・Cパーク」までの片道約27キロを5時間で往復するルートに決めた。

青ラインが目印

 海道を渡りきる計画は早くも崩れたが、「とにかく青い線を目印に進んでください」と店のアドバイスを受け、出発。足元を見ると、確かに道路端に目印となる青いラインが引いてある。これをたどっていけば尾道まで行けるという。

 少々きつい上り坂を、ギアを軽くして走る。約30分で海道の入り口に到着した。見れば海には複雑な形の美しい島々が広がり、メディアが取り上げるのもうなずける。しばらく進むと料金所が見えた。自転車を降りて200円を支払う。

上って下って……

 ここから先の道を見ると微妙な登り坂になっている。船舶を通すために橋の中央部分を高くしており、アップダウンが生じているのだという。

 自動車道と並行していたはずの自転車道が左に大きくカーブし、今度は下りになった。ペダルをこがなくていいので快適だが、下ったということは次に登りが待っているということだ。案の定、橋に向かって厳しい登り坂が見えてきた。

 その後も同じようなアップダウンが登場。この繰り返しで足がパンパンになりながらも、何とか折り返し点の道の駅に着いた。

やっぱり楽しい

 売店で伯方島名物「伯方の塩」を物色していると、多くのサイクリストの姿があった。広島県廿日市市の会社員、石川匡一郎さん(41)は「私は2回目ですが、家族と来たのは初めて。危険な所は特にないので、子供連れでも安心」と楽しそうに話した。

 のんびり休んでいると、晴れていた空が急に曇りだし、雨がポツリポツリと落ちてきた。そういえば雨具を持ってきていなかった。急いで自転車にまたがり、来た道を引き返すことにした。

胃袋も大満足

 ひたすらペダルをこいでいるうちに雨がやみ、瀬戸内の夕焼けが目の前に広がった。息をのむような美しい光景に、思わずカメラでパシャリ。

 店に自転車を返した帰り道、今治に来たもう一つの楽しみである「今治焼豚玉子飯」を味わった。B級グルメの祭典「B-1グランプリ」で3位になった人気料理。ご飯の上に焼豚と目玉焼きをのせ、甘辛いタレがかけてある。体力を使った後だけに、あっという間に完食。胃袋も大満足の一日となった。

 これで終わればよかったが、2日後の朝に強烈な筋肉痛が襲ってきた。「しまなみ海道は甘くない」と思いつつ、足を引きずって仕事に向かった……。

産経新聞 中国・四国版より)

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