空力と剛性を最適化したオールラウンドなレース機材生まれ変わったリブの「エンヴィリブ ディスク」 最新の女性用エアロロードをインプレッション

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 「ジャイアント」が手がける女性ブランド「Liv」(リブ)の女性専用エアロロード「ENVILIV」(エンヴィリブ)に新たにディスクブレーキバージョンが登場した。ディスクブレーキ仕様となったことでエアロダイナミクス性能と安定性が増した新フレームだが、それに加えて女性用に剛性が最適化され、女性専用パーツを組み合わせることによって、より高い反応性と操作性を獲得した。9月下旬の発売に先駆け、同モデルの最上位機種「ADVANCED PRO 0 DISC」を試乗した。

リブの新作エアロロード「エンヴィリブ ディスク」をインプレッション Photo: Shusaku MATSUO

キラリと光るクールなブラック

 「エンヴィリブ」を目にした第一印象は「クール」。重厚感あるオールブラックの見た目は、一見すると「女性用」の印象は皆無だが、光が当たるとフレームにボーダー状に施されたホログラムが角度によって七色に輝く。それだけで、まるでシックなドレスをまとった“オトナ”の女性のような雰囲気に一変する。

「ENVILIV ADVANCED PRO 0 DISC」 Photo: Shusaku MATSUO
クールなブラックのフレームに施されたホログラム。陽の光を浴びると角度によって輝きが変わる Photo: Shusaku MATSUO

 変わったのは印象だけではない。同シリーズは、リブがもつ女性の体格に関する解剖学的構造、筋肉のエネルギーや出力バランス、サイズのバリエーションに関するデータに加え、リブがサポートするUCIウィメンズチーム「Team Sunweb Women」(チーム・サンウェブ ウィメン)のライダーからのフィードバックを受けて、フレーム設計やパーツの細部に至るまで改良された。

細部までこだわった空力設計と操作性

 女性のためのレーシングジオメトリや女性専用サドルなどの従来の設計に加え、エアロ性能と剛性を高次元で両立させる「コンタクトSLRエアロバー&ステム」を採用。実走行状態での空気の乱流を最小限に抑えるパイプ形状で、空気抵抗を削減する特性が加わるなど、細部にまで空力が配慮された設計となった。このコックピットが繰り出すポジショニングと、パワーを最大限に伝達するために最適化されたフレーム剛性。そして鋭くシェイプされたチューブで、これまで以上にキレのある乗り味へと進化を遂げた。

エアロ性能と剛性を高次元で両立させる「コンタクトSLRエアロバー&ステム」(※「NEOS TRACK」は別売り) Photo: Shusaku MATSUO
効率的な空力を生み出す、しなやかでエッジが効いた形状のフレーム。各所にカムテール形状を取り入れ、風の巻き込みによって起きる抵抗を抑制している Photo: Shusaku MATSUO

 さらに「Advanced Pro 0」と「Advanced Pro 1」モデルには、高い制動力と、より高速な制御を実現するシマノ・アルテグラの油圧ディスクブレーキを搭載。また「Advanced Pro 0」には、直感的に操作できるシマノのアルテグラDi2、そしてジャイアントが2019年モデルとして発表したクランク一体型のパワーメーター「POWER PRO」(パワープロ)が搭載された。

アルテグラ油圧ディスクブレーキを搭載 Photo: Shusaku MATSUO
左右のクランクでそれぞれパワーを計測する自社製メーターを標準装備 Photo: Shusaku MATSUO
ハンドリング性と空力性を両立する「SLR1エアロディスク カーボンホイール」(フロント42mm、リア65mm) Photo: Shusaku MATSUO

 ホイールには前後でハイトの異なるジャイアントのフルカーボンエアロホイールを標準装備。横風の影響を受けにくい後輪にはエアロ性能と動力伝達に優れた65mm高のリムを、前輪には横風のコントロール性を高めるために42mm高のリムを採用した。巡航性能と操作性を両立する一方で、雨天時でも一定の制動力が得られる。重量や剛性を妥協せずに空力性能を高めたディスクモデルだ。

女性が出力を維持できる剛性バランス

 いわゆる通常のエアロロードバイクは速く走らせるために大きなトルクが必要で、エアロロードに乗ったことのある女性なら、その剛性に脚が踏み負けてしまったという経験がある人も多いのではないだろうか。そうした印象をもって乗り比べてみると、エンヴィリブの第一印象は「ドライな硬さ」だ。踏み負けるような重さや硬さはなく、軽快な乗り心地の中にも力を逃さない一本筋の通った硬さを感じた。

空力と剛性を優先し、力の伝達を最大限に高めた積極的なレースジオメトリ。踏んだ力が増幅する感覚を覚える推進力 Photo: Shusaku MATSUO

 漕ぎ出しは筆者の愛機「Liv LANGMA」に比べればやや重たさも感じるが、いったんスピードに乗れば空気の抵抗を引き裂くように進む鋭敏な乗り心地と、前に引っ張られるようなエアロ性を体感できる。さらに加速していくと踏んだパワーが増幅するように推進力が生まれ、通常のロードバイクで踏む場合よりも重たいギアに入れて踏み続けることができた。

 加速するために脚を犠牲にするというのではなく、乗り手の出力を受け止め、推進力を高めて直進安定性を保つといった感覚。脚力の強い男性であれば物足りないかもしれないが、この加速しやすさと直進安定性を生み出す剛性バランスが“女性専用設計”の肝であることがわかった。

ディスクブレーキの制動力とフォークの横剛性が加わったことで正確な制御を実現。コーナリングもシャープな反応 Photo: Shusaku MATSUO

 登坂やコーナリングなど、さまざまなシチュエーションでも優れた操作性を発揮した。

 とくにコーナリングでは、スピードを落としすぎることなく制御しながらインに入ることができ、抜けた後の立ち上がりもそのままスピードに乗ってスムーズに加速することができた。上りでは軽さの利点が発揮されたことはもちろん、ダンシングのしやすさも申し分なく、レース機材としてオールラウンドな性能であることが確認できた。「自分に乗りこなせるエアロロードがない」とあきらめていた女性のホビーレーサーには、ぜひ一度試してもらいたい1台だ。

■ENVILIV ADVANCED PRO 0 DISC
サイズ:XXS(430)、XS(465)、S(500)
重量:7.9kg(XXS)
税抜価格:630,000円

“光”の速さをまとう「SPECTRA」

 試乗時に筆者が着用していたのが、“光”をモチーフにデザインされたハイパフォーマンスモデル「リブ・SPECTRA(スペクトラ)コレクション」。すばやく動く光=スペクトルのように“速く”そして“自由に”という思いを込め、鮮やかなブルーの中に流れるような“光”のデザインが施された。スペインの高級サイクルウエアブランド「ETXEONDO」(エチュオンド)製のハイパフォーマンスモデルで、プロチームのジャージをベースとしたレースフィットモデルとなっている。生地には吸汗速乾素材を採用。ジャージのずり上がりを防止する裾のシリコングリッパーに加え、背面には被視認性の高い反射アクセントが施されている。

“光”をモチーフにデザインされた「スペクトラ SS ジャージ」(画像左、中)と「スペクトラショーツ」。颯爽と走る女性を引き立てるクールで鮮やかなブルー ©Liv

 ショーツも同じくエチュオンド製。優れた運動追従性があり、耐久性の高い吸水速乾性素材に、ロングライドに適したエチュオンド製の女性専用パッドを採用している。腹部の締め付けが少ない腰バンドデザインと、太ももの締め付けが優しいレッグバンドで、ライド中のストレスを緩和する作りになっているのが特徴だ。

■LIV SPECTRA SS JERSEY
サイズ:XS、S、M、L
カラー:ブルー
税抜価格:14,000円

■LIV SPECTRA SHORTS
サイズ:XS、S、M、L
カラー:ブラック・ブルー
税抜価格:17,000円

エアロと快適さを両立したヘルメット「EXTIMA」

 せっかくエアロロードに乗るなら、身に着けるアイテムまで空力性能にこだわりたいもの。リブがサポートするプロ選手も使っている「EXTIMA」はエアロヘルメットのような空力特性をもちながら、計算されたベンチレーションの配置で快適さを犠牲にしない新世代のオールラウンドヘルメットだ。

ロードヘルメットの通気性とエアロヘルメットのスピードを兼ね備えた「EXTIMA ASIA」(マットブラック) Photo: Shusaku MATSUO
効率的に配された「AEROVENTポート」がヘルメット内部の空気の流れを作り出す Photo: Shusaku MATSUO

 頭を低く構えるスプリントポジションを考慮したデザイン。戦略的に配置された「AEROVENTポート」がヘルメット内部のエアフローを整流し、エアロダイナミクスと高い冷却機能を両立させている。

「EXTIMA ASIA」(マットホワイト) ©Liv

 軽量かつ高強度のポリカーボネートアウターシェルにEPSを熱圧着した構造で、 EPS内部にはポリカーボネート構造シェル(ISS)を配置し、全体の軽量化と高強度化を実現している。上下左右のアジャスト機能で自然なフィット感を作り出す「GIANT CINCH PRO フィットシステム」が搭載されている。カラーはブラックとホワイトの2色を展開。リブのブランドカラーであるパープルを基調とした鮮やかなセンターラインが、女性らしさを引き立てるデザインになっている。

■EXTIMA ASIA
サイズ:M(52-58cm)、L(56-62cm)
カラー:マットブラック、マットホワイト
税抜価格:19,000円

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