ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 コースプレビュー<第3週>マイヨロホ争いはアンドラで決着 戦い抜いた勇者たちがマドリードへ帰還する最終6ステージ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 スペインをめぐるグランツール、ブエルタ・ア・エスパーニャは、いよいよ最終週へと突入する。最高の栄誉であるマイヨロホを中心に、各賞争いは熱を帯びている。第3週もバラエティ豊かなステージ編成。個人タイムトライアルのほか、大会最終盤には隣国アンドラへと進み、ピレネーの山々を駆けることになる。そしてプロトンは、マドリードで3週間の長き戦いを終える。クライマックスが近づいてきた2018年最後のグランツール。最終6ステージのコースを解説する。

スペイン各地をめぐるプロトン。第3週を迎えるブエルタ・ア・エスパーニャ2018は首都マドリードを目指して進んでいく。写真は第11ステージ Photo: Yuzuru SUNADA

ブエルタ2018第3週コースプレビュー

●9月11日 第16ステージ サンティリャーナ・デル・マル~トレラベガ 32km個人タイムトライアル

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第16ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 前週後半の激坂3連戦をこなした選手たちは、2回目の休息日を経て最終週へ臨む。その初日は、32kmの個人タイムトライアル。全体を通して高低の変化が少なく、まさにスペシャリスト向きのレイアウト。最後の1kmで180度ターンが控えるが、おおむねテクニカルなポイントも少なく、コンディションが良ければハイスピードバトルとなりそうだ。大会主催者はトップライダーであれば時速50kmで走破できると予想する。そして、マイヨロホ争いにおいても重要な1日に。ここでのタイム差が勝負を決定づける可能性も十分に考えられる。

●9月12日 第17ステージ ゲチョ~バルコン・デ・ビスカヤ 157km 中級山岳

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第17ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 中級山岳ステージにカテゴライズされるが、その実態は「これぞブエルタ!」と言えるプロフィール。スタート後、3級山岳をはさんでバスクの代表都市であるビルバオを2回通過。その後もバスク州を南北にめぐりながら、2級や3級の山岳をこなしていく。そして、この日6つ目にして頂上フィニッシュとなるのが、ブエルタ初登場のアルト・デル・バルコン・デ・ビスカヤ。登坂距離7.3kmの上りの後半で、最大勾配23.83%の驚異の区間が待ち受ける。平均勾配9.7%で、中腹を迎えると急激に勾配が厳しくなる。さらに、フィニッシュ手前も13%の急坂。前日の個人タイムトライアルで何とか乗り切ったクライマーにとっては、反撃ののろしを上げる1日になるか。

●9月13日 第18ステージ エヘア・デ・ロス・カバジェロス~レリダ 186.1km 平坦

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第18ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 カテゴリー山岳がまったく設けられない、いわば完全フラットステージ。実質第10ステージ以来となる、スプリンターによる競演日だ。ここまでハードに戦ってきた総合系ライダーにとっては、残るステージも見据えて脚を休めるべく「移動ステージ」としておきたいところ。あとは、強風時の対策とトラブル回避も意識が必要だ。コースには極端な変化がなく、最終局面ではフィニッシュ手前約2kmと1kmにコーナーがあるが、慎重にクリアできれば問題はなさそう。スプリンターを擁するチームは、アシストを出し合いながら安定したレース構築に努めたい。

●9月14日 第19ステージ レリダ~アンドラ.ナチュランディア 154.4km 平坦頂上フィニッシュ

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第19ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 第2ステージ以来となる変則ステージ「平坦頂上フィニッシュ」。前日のステージでフィニッシュしたレリダを出発し北上。上り基調ではあるものの、各種ポイントが設けられないこともあり、プロトンは淡々と進行するか。133.4km地点で隣国アンドラへ入国。ここからレースは動き出す。フィニッシュを目指す1級山岳コル・デ・ラ・ラバッサは、登坂距離17km。上りの入口で最大の13%となるが、登坂を進めるにつれて勾配は緩やかに。一方で、つづら折りが特徴的で、いくつものコーナーが選手たちを出迎える。この坂を上りきれば、総合上位陣にとってマイヨロホをかけた争いがいよいよ佳境を迎えることになる。

●9月15日 第20ステージ アンドラ.エスカルデス=エンゴルダニ~コル・デ・ラ・ガリナ.サントゥアリ・デ・ラ・マーレ・デ・ドゥ・デ・カノリック 97.3km 上級山岳

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第20ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 ブエルタ2018総合争いは、97.3kmの山岳ショートステージでおおむね決着する。アンドラ領内で過ごす1日は、短い距離に6つのカテゴリー山岳が凝縮する、今大会でも屈指の高難易度ステージだ。

 スタート直後から2級山岳コル・デ・ラ・コメリャを上って、1級のコル・デ・ベイサリスへ。登坂距離7.1km、平均勾配8%、最大13%の上りは、レース前半と後半にそれぞれ1回ずつ通過する。

 その間で上ることになる1級山岳コル・デ・オルディノは、頂上までの9.8kmで勾配の変化が少なめ。最大勾配8.5%だが、ほぼ同様の傾斜を上がっていく。一度下って、2回目のコル・デ・ベイサリスへと入っていく。レース中盤は、コル・デ・ベイサリスを中心に8の字にアンドラ国内をめぐるイメージだ。

 スタート直後に上ったコル・デ・ラ・コメリャに再び向かうと。レースは終盤戦。2回目の上りは前回とは逆向きで、カテゴリーも3級。頂上からの下りはテクニカルで、その後のわずかな平坦区間も含めてプロトンのペースアップが予想される。

 そして、最後に迎えるは超級山岳コル・デ・ラ・ガリナ。今大会のクライマックスとなる上りは、登坂距離こそ3.5kmだが、上り始めの勾配11%から始まり、10%前後の勾配が頂上まで続いていく。また、約20カ所にも及ぶコーナーが続くつづら折りも最終盤のレース展開にどう影響するか。総合争いを繰り広げてきた選手たちは、マイヨロホ獲得の可能性に賭けて、一気に駆け上がる。

 レース距離が短いこともあり、スタートからハイペースで進行することも想定されるステージ。総合エースを抱えるチームが、アシスト陣も含めてどういった動きを見せるのかも注目だ。そして、このステージを終えた段階でマイヨロホに袖を通した選手が、今大会の王座を濃厚とする。

●9月16日 第21ステージ アルコルコン~マドリード 100.9km 平坦

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第21ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 8月25日にスペイン南部のマラガで幕を開けたブエルタ・ア・エスパーニャ2018は、ついに完結の時を迎える。最後は恒例の首都マドリードへの帰還だ。郊外のアルコルコンを出発したプロトンは、大会の慣例でもある最終ステージのパレード走行を行い、やがてマドリード市内へと入っていく。

 基本的に総合争いは展開されないが、大会最後のステージ優勝をかけてスプリンターを中心に「レース」が行われる。マドリードの目抜き通りであるプラド通りを使い、5.9kmのサーキットを12周回。今年、完走を果たす勇者たちは何人になるだろうか。

 そして、フィニッシュラインを通過した瞬間、第73回ブエルタ・ア・エスパーニャが閉幕。3週間、総走行距離3254.7kmの旅が終わりを迎える。

 キュベレーの噴水や、コムニカシオネス宮殿を見ながらの総合表彰式では、個人総合のマイヨロホを筆頭に4賞のほか、チーム総合といった各賞の選手たちが栄誉にあずかることになる。

 栄冠は誰の手にわたるのか。最終週の6ステージですべてが決まる。

マドリードでの総合表彰式では各賞のほか、上位3選手が登壇し煌びやかな中で祝福を受ける =2017年9月10日 Photo: Yuzuru SUNADA

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