公式HPにフォトギャラリー追加【公式HPにフォトギャラリー追加】虹とスコールに歓迎された「御神火ライド2018」 厳しく美しく、美味しい伊豆大島

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 9月8日に伊豆大島で開催された「伊豆大島御神火ライド2018」はスコールと大きな虹を繰り返す南国のような環境で行われた。前年の倍以上の規模となる450人の参加者が、自然の厳しさや美しさ、地元のグルメを堪能。女性参加者やグループでの参加も多く、サイクリングアイランドの伊豆大島一周を走り切った。

昨年を大幅に上回る450人もの参加者が会場に集まった。右からゲストの牧野ステテコさん、大宅ようこさん、猪野学さん、栗村修さん、MCアケさん、Cyclist編集長・澤野健太 Photo: Shusaku MATSUO

船旅ライドで非日常体験を

 伊豆諸島最大の島であり、東京都に数えられる伊豆大島は、東京の竹芝桟橋、また、静岡県の熱海港から船便で向かえる人気のレジャースポットだ。四方を海に囲まれた地形を生かし、ダイビングや釣りを楽しむ人々で賑わいを見せている。なかでも、1周約45kmという距離と、起伏に富んだコースが魅力で、サイクリングに熱を帯びる同島。「伊豆大島御神火ライド2018」は恵まれた環境のもと、前年に続き2回目の開催となった。

スタート前、海の上にかかった大きな虹と一緒に自撮りする栗村修さん Photo: Kenta SAWANO

 当日の早朝、大粒の雨とテントが飛ばされそうなほどの強風がイベント会場を襲った。大会の名物ともいえる三原山へのヒルクライムを含む「御神火チャレンジコース」は視界不良のため中止となり、全員が島を1周する全長46.8kmの「大島ぐるっと一周コース」へと変更が決定。しかし、続々と会場に集まる参加者の思いが空に伝わったかのように、天候は回復していった。そしてついに大きな虹が空にかかるなか、午前7時半から、芝生の広がる仲ノ原園地で開会式が盛大に執り行われた。

スタート前に配られたポッカサッポロの「キレートレモン 朝バランスゼリー」。スタート前の栄養補給にぴったり Photo: Kyoko GOTO
出走前にDr.ストレッチのトレーナーによる施術を受ける参加者 Photo: Kenta SAWANO

 参加者とともにイベントを走るゲストライダーは4人。Cyclistの連載「輪生相談」でもお馴染みの栗村修さん、NHK番組「チャリダー」に出演する“坂バカ”俳優の猪野学さん、同じくチャリダーで活躍するお笑い芸人の牧野ステテコさん、サイクルヨガのインストラクターの大宅陽子さんだ。参加者たちはゲストライダーの話に耳を傾けつつ、ドクターストレッチによる無料ストレッチサービスで身体をほぐしていた。

いよいよスタート! 450人以上の参加者と一緒にガッツポーズで盛り上がるゲストライダー。左から栗村修さん、猪野学さん、大宅陽子さん、牧野ステテコさん Photo: Kenta SAWANO 

 出発前には約20人のグループを、事前に申請したレベル別に分かれて列を成し、スタートを待った。最初のグループのスタートは1時間あと倒しになり8時。ウェーブ式に笑顔で「いってきます」と仲の原園地から走り始める参加者たちを、伊豆大島の伝統芸能である力強い「御神火太鼓」の演奏が後押しした。

まだまだ余裕! 第1エイドに向けて笑顔で走る参加者 Photo: Kenta SAWANO 

絶品グルメが尽きないエイドステーション

 参加者を最初に迎えるのが厳しいアップダウン区間だ。緑が生い茂る坂道を、険しい顔をして上る様子がうかがえる。ようやく上りきり、海を横目にダウンヒルを終えると最初のフォトスポット「地層大切断面」が姿を現す。長さ約630mも続くバームクーヘンのような縞模様は壮大で、思い思いに写真撮影が行われた。海岸沿いをしばらく行くと、スタートから15km地点で最初のエイドステーションに到着する。

1万5000年もの大地の記憶が参加者を出迎える Photo: Kenta SAWANO
第1エイドの島グルメ。左奥から特産品を使った一口おにぎり、鵜飼商店のコロッケ、恵比寿屋の牛乳せんべい。この3つでかなりお腹が膨れる Photo: Kairi ISHIKAWA
第1エイドのトウシキ芝生広場は海に面する開放的なロケーション Photo: Kairi ISHIKAWA

 第1エイドではポッカサッポロが提供するドリンクのほか、大島銘菓の「牛乳せんべい」や、鵜飼商店のコロッケ、明日葉入りのおにぎりが用意。走り始めて間もないが、地元のグルメに参加者たちは舌鼓を打った。その後、島の東部に進んでいくと第2のフォトスポットである「筆島」を訪れる。筆島は海から突き出た30mの岩で、その通り筆の先の様に見えるのが由来だ。フォトジェニックな光景にジャージから取り出したスマホで絶え間なくシャッターが切られていた。

筆島ポーズで記念撮影するゲストライダーの大宅陽子さん(左) Photo: Kyoko GOTO

 ここからコースは一気に難易度が上がる。最も軽いギアを選択してもペダルが重い上り坂が延々と続き、標高367mまで一気に上る。苦痛に顔をゆがめたり、押して歩く参加者がいる一方で、ますます脚に力が入る健脚のサイクリストの姿もあり対照的だった。オールドスタイルのシングルスピードのバイクで座ったまま走る参加者もいて、周りを驚かせていた。様々なスタイルでヒルクライムできるのも「御神火ライド」の特徴の1つだ。

真っ青な海をバックにヒルクライムする参加者。シングルスピードの古いバイクで走るサイクリストも Photo: Kenta SAWANO
得意の山道に差し掛かり、ペダルに力が入る猪野学さん Photo: Shusaku MATSUO

 自他ともに認める坂バカの猪野さんは水を得た魚のようにスイスイと急こう配を駆け上がる。野生の猿も飛び出すうっそうとした山中を抜けると、日本で唯一の砂漠「裏砂漠」も出現。黒々とした火山が敷き詰められた砂漠を超えるとようやく下りとなる。ここでは濡れた路面に落ち葉が散らばっているため慎重に、慎重に。

第2エイドで大島椿のどら焼きやお菓子を提供する地元のボランティアの方々 Photo: Kenta SAWANO 
旬な素材と特産品を使った焼き菓子 Photo: Shusaku MATSUO
沿道のあちこちで参加者に声援を送る大島町民の姿も見られた Photo: Kenta SAWANO 

 滑りやすいダウンヒルを事故なく過ごした参加者たちは、再び大島グルメが揃った第2エイドへと到着する。ここでは島オクラや島海苔がふんだんに使われた「明太チーズフランス」や明日葉クッキー、鯖サンドといった豪華な食事が用意。長く険しい道のりを経て、お腹を空かせたサイクリストの胃袋を満たしていた。

伝統的な衣装に身を包んだあんこ娘が、「大島椿 どら焼き」をアピール Photo: Kyoko GOTO

 いよいよコースも終盤。岡田港や大島空港を抜けると、第3のエイドに到達する。ここでは「大島牛乳アイス」が大人気。作り手の白井嘉則社長が直々に「ホルスタインの牛乳だからさっぱりして喉が渇かないよ」と参加者に声をかけるなど交流を図っていた。また、島海苔がふんだんにまぶされた明日葉蕎麦が振る舞われる。たくさんのグルメを堪能してきた一行だが、美味しい料理の数々をぺろりと平らげていたのが印象的だった。

大島で育った牛の濃厚なミルクで作られたアイス。観光施設のみならず、地元のスーパーでも販売されている Photo: Masahiro OSAWA
第3エイドで提供された大島特産の明日葉を練りこんだソバ Photo: Kyoko GOTO
調布と大島間を繋ぐ大島空港をバックにフラットな道を進む Photo: Shusaku MATSUO
第3エイドでは塩分補給のためにフジッコの塩こんぶ「減塩ふじっ子」が配られた Photo: Kenta SAWANO 

 海に沿ったサンセットパームラインに出ると、あとはゴールまで一直線。激しい向かい風と、丘がスピードを緩める原因となるものの、各グループが固まってフィニッシュを目指した。

ロードレースアジア選手権にも使われたサンセットパームライン Photo: Shusaku MATSUO

 脚自慢の第1グループがスタートしてから約3時間、ぐるりと島を一周した参加者たちの姿がゲートに戻り、猪野さんを含む第2グループ、第3グループと次々に続く。全員が約46kmのコースへと変更になったものの、獲得標高800m越えの走りごたえのあるコース、また、豊富なグルメを満喫したのか参加者たちの表情は明るかった。

荒天の中走り切った参加者。思わず笑顔がこぼれる Photo: Kenta SAWANO
ゴールの達成感からか思わずガッツポーズする猪野学さん Photo: Shusaku MATSUO
ゲストライダー、サポートライダー、参加者皆一緒に記念撮影 Photo: Shusaku MATSUO

カナダや国内遠方からの参加者も

 東京・護国寺にあるシェアハウスの住人と元住人で結成されたユニークなチーム「ワールドネイバーズハウス」は15人で御神火ライドに参加した。平均年齢28歳と若いグループは戸谷信博さんが発起人であり、リーダーだという。今回が初の全員参加となるイベントで、それに合わせてチームジャージを作成。「こういう環境があったからスポーツバイクを始めることができた」という女性の声が聞こえた。夫婦でお揃いのミニベロで参加したのは賀門和巳さん、有里さん夫妻。「とてもいいコースで、上りが楽しかったです。また練習しに来たいですね」と意気込んでいた。比較的女性の参加者も多く、85人が出走し、島の魅力を体験した。

護国寺のシェアハウスの住人、元住人の15人で結成した「ワールドネイバーズハウス」の皆さん Photo: Kyoko GOTO
夫婦でお揃いのミニベロで参加したのは賀門和巳さん、有里さん夫妻 Photo: Shusaku MATSUO

 「御神火ライドのためにカナダ・モントリオールから帰国し、その足で竹芝桟橋から船で来ました」と話したのは本川ゆうじさん。Facebookで繋がる仲間がグループ内で参加を呼びかけたことが参加に至ったきっかけだという。イベントのためにロードバイクを購入したという仲間にネットを通じて、練習などのアドバイスをしていた本川さん。「ビギナーもいたので、比較的ゆっくりのグループで走りました。コースやグルメはもちろん、久々に仲間と再会できたことも楽しかったです」と振り返った。

カナダから帰国し、大島に駆けつけたという本川ゆうじさん Photo: Kenta SAWANO
競輪の児玉慎一郎選手も参加した  Photo: Kenta SAWANO

 会場にはプロ選手の姿もあった。児玉慎一郎さんは競輪のS級で活躍する競輪選手だ。伊豆大島で選手仲間と9月に合宿しようと企画していたなかで、同月に開催する御神火ライドの参加に至ったという。「昨年のイベントの様子を見て、自転車でも走りやすそうな大島で合宿を決めました。大会は立哨員やスタッフの対応が良かったですね。グルメも美味しかった。翌日に三原山のヒルクライムに挑戦しましたが、とてもきつかったです。同じく走っていたほかのサイクリストたちに抜かれました(笑)」と話し、大会を通して大島を楽しんだ様子だった。

 一通りグループがメイン会場に戻るころ、再びのスコールに襲われたが、大宅さんによるクールダウンヨガは大好評。ロングライドで酷使した首や肩を深呼吸しながらストレッチして、疲れを癒していた。

大宅陽子さんによる自宅でも簡単にできるヨガ。多くの筋肉を酷使するサイクリングは体のケアはかなり重要だ Photo: Kyoko GOTO
後夜祭では地元の団体によるフラダンスなどが披露された Photo: Masahiro OSAWA
猪野学さんと栗村修さんによる「生"輪"生相談」。参加者の質問に真剣に答える Photo: Kyoko GOTO

 また、豪華ゲストのステージが続く後夜祭も開催された。大人気連載のライブ「“生”輪生相談」では参加者からの質問に栗村さんが生返答。ライド中は参加者のパンク修理もサポートしたという親身な栗村さんは、ステージ上でも悩めるサイクリストの疑問に答え、身近な存在として人気を博していた。同時に、猪野さんにもヒルクライムの方法について質問が飛び、栗村さんとともに熱いトークを繰り広げた。

「アンコ椿は恋の花」を披露する演歌歌手の三田杏華さん Photo: Kyoko GOTO
芸人牧野ステテコさんによるお笑いステージ Photo: Kyoko GOTO

後夜祭ではステテコさんのネタも披露

後夜祭の抽選会ではオムロンの電動歯ブラシなど豪華な賞品が当たった Photo: Kyoko GOTO

 また、牧野ステテコさんもこの舞台のためにポールを持参。得意のポールダンスネタを披露し、参加者はもちろん、集まった島民の子供たちからも大盛況となった。このほか、地元のフラダンスグループによる踊りが発表されたり、演歌歌手の三田杏華さんによる「アンコ椿は恋の花」が披露されるなど盛りだくさんのイベントとなった。

 大会実行委員長の白井岩仁さんは「こういった大会が繰り返して行われることで、大島が日常的にサイクリストが走ってくれるような島になって来ています。来年も是非走りに来てください」と参加者との来年の再会を呼びかけた。

マニフレックスのマットレスと枕の体験ブースも好評 Photo: Kyoko GOTO 
協賛するアヴァンギャレージから提供されたヘルメット Photo: Kyoko GOTO

(写真はニコン「D7500」で撮影)

伊豆大島御神火ライド2018

■主催:伊豆大島 御神火ライド実行委員会
■協賛:ニコンイメージングジャパン、Dr.ストレッチ、アヴァンギャレージ、大島椿、オムロン、サンケイビル、ポッカサッポロ、マニフレックス
■後援:東京都大島町

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