ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第15ステージ超級山岳をピノが独走勝利 マイヨロホはイェーツが守るも、総合争いは接戦のまま第3週へ

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第15ステージは9月9日にリベラ・デ・アリバからラゴス・デ・コバドンガまでの178.2kmで争われ、超級山岳の終盤で飛び出したティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)がステージ優勝を飾った。サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)はステージ3位に入り、2位以下とのタイムをわずかに拡大。勝負の行方はまだまだわからず、接戦が続いている。

超級山岳ラゴス・デ・コバドンガを独走で勝利したティボー・ピノ Photo: Yuzuru SUNADA

山岳賞争いも激化

 アストゥリアス山岳3連戦のトリを飾る本ステージは、4つのカテゴリー山岳が登場。スタート直後には3級山岳、中盤から終盤にかけて1級山岳が2つ、そして超級山岳の山頂にフィニッシュ地点が設定されていた。カテゴリー山岳外のアップダウンも多くあり、この日の獲得標高は4000mだ。また、超級山岳ラゴス・デ・コバドンガはブエルタ名物の上りの一つで、登坂距離11.7km・平均勾配7.2%・最大勾配20%となっている。

 レーススタート後は、山岳ポイントを狙ってトマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)が3級山岳を先頭通過。いったん逃げが集団に吸収されると、12人の逃げが決まった。

 メンバーはイバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ)、ベンジャミン・キング(アメリカ、チーム ディメンションデータ)、ピエール・ロラン(フランス、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNL・ユンボ)、タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チーム スカイ)、バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)、ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)、ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)を含み、最も総合成績が良いのは10分3秒遅れの21位につけるベネットだった。

積極的なレース展開を見せたアスタナだったが、エースのロペスは2位だった Photo: Yuzuru SUNADA

 最初の1級山岳はモレマが先頭通過し、2つ目の1級山岳はキングが先頭通過。山岳賞ランキングトップに立つルイスアンヘル・マテ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ)と7ポイント差でデヘント、8ポイント差でキング、14ポイント差でモレマと続いており、山岳賞争いも混沌としてきた。

 メイン集団はミッチェルトン・スコットがコントロールしており、逃げ集団とのタイム差は5分以上に拡大。すると、代わってアスタナが集団けん引を担い、逃げ集団とのタイムを縮めにかかった。2つ目の1級山岳を越えるころには、3分程度まで縮まっていた。

アスタナのペースアップで集団は7人に

 残り22km地点の中間スプリントを過ぎたところで、逃げ集団からガルシアが単独アタックに成功。タイム差をどんどん開いて、後続に1分ほどのリードを築いてコバドンガのふもとに到達した。

 メイン集団はアスタナが引き続き集団コントロールを担っていた。コバドンガの上りに差し掛かると、遅れてきた逃げメンバーを続々と吸収。さらにハイペースを刻むメイン集団から、総合9位のトニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、総合12位のウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ)が脱落した。

コバドンガの上りで遅れるヨン・イサギレ Photo: Yuzuru SUNADA

 先頭を単独で逃げていたガルシアも粘りを見せたものの、残り8km地点で集団に吸収された。一連のアスタナのペースアップによって、メイン集団の人数は15人まで減っていた。

 そうして、お膳立てが整ったところでエースのミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム)がアタック。総合7位のヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)、総合10位のエマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が遅れてしまった。

 モビスター チームはリチャル・カラパス(エクアドル)が先頭に立って、ナイロ・キンタナ(コロンビア)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)を引き連れてロペスとの差を詰めていく。ロペスを射程圏に捉えたところで、カラパスは離脱。

 これで先頭はマイヨロホのサイモン・イェーツ、総合2位のバルベルデ、総合3位のキンタナ、総合4位のロペス、総合5位のステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ)、総合6位のリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、総合8位のエンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)、そして総合11位のピノの7人に絞り込まれた。

ラスト6kmを独走したピノ

 集団がひとつになり、若干けん制状態になった残り6.3km地点、ピノがアタックを仕掛けた。総合では2分46秒遅れということもあって、ピノのアタックには誰も動かなかった。ピノは集団から大きくリードを築いて独走に持ち込んだ。

 引き続きけん制気味の集団で、次に動いたのはマイヨロホを着るサイモン・イェーツだった。切れ味鋭いアタックで、集団を引き離すことができたものの、バルベルデが献身的なアシストを見せて1km後にはサイモン・イェーツを集団に引き戻した。しかし、ウランがついていけずに脱落。

ナイロ・キンタナ(左)のために、献身的なアシストが光ったアレハンドロ・バルベルデ(右) Photo: Yuzuru SUNADA

 続いてマスがカウンターアタックを仕掛ける。1回目は不発に終わったものの、間髪入れずに再度アタック。クライスヴァイクとバルベルデが集団から千切れた。

 ピノは集団から20秒ほど先行したまま、マイペースで山頂を目指していた。サイモン・イェーツ、キンタナ、ロペス、マスと4人になったメイン集団は、互いにけん制する時間も増えてきて、ピノとの差は縮まらない。

 残り4km、またもやサイモン・イェーツがアタック。キンタナとロペスがピタリとチェックし、2人を振り切れないと判断したサイモン・イェーツは間もなく踏みをやめると、今度はロペスがアタック。しかし、ほか3人を振り切ることができない。

 アタックがかかっては振り切れずにペースダウン、ということを繰り返していると、遅れていたクライスヴァイクとバルベルデが集団に戻ってきた。そのタイミングでロペスがカウンターアタックを仕掛けると、集団を振り切って単独で2番手に浮上した。

ステージ3位に入ったサイモン・イェーツは、総合首位を堅守 Photo: Yuzuru SUNADA

 サイモン・イェーツが先頭で追いかける際、前に出ようとしないキンタナに対して大きな身振りで先頭交代を要求していた。しかし、キンタナは脚が残っていないのか先頭交代には応じず、やはり追走ペースが上がらなかった。

 そうして、絶好のタイミングで抜け出したピノが独走のまま山頂に到達。ブエルタでは初となるステージ優勝を飾った。

 28秒遅れてロペスがステージ2位。ラスト1kmは500mほど下って、500mほど上るレイアウトだったが、上り区間でスパートをかけたサイモン・イェーツがロペスを猛追し、ピノから30秒遅れのステージ3位となった。キンタナは34秒遅れのステージ7位となり、総合上位勢ではマスとピノが順位を上げた一方で1〜5位の順位に変動はなかった。

 レース後のピノは「フィニッシュまで約6kmのところでアタックするつもりだった。体調も良く、総合争いで直接の脅威ではなかったので、大チャンスだと思っていた。コバドンガはスペインの“ラルプ・デュエズ”と見ていて、そこで私は勝ったことがあった。世界選のことはマドリードに着いてから考えたい」と語った。

ステージ優勝の表彰を受けるティボー・ピノ Photo: Yuzuru SUNADA

 翌日は休息日。山岳3連戦を戦ったアストゥリアス州の隣のカンタブリア州から第3週のレースが始まる。つかの間の休息を経て、第16ステージは32kmの個人タイムトライアルで争われる。平坦基調のコースになっており、大きなタイム差を生み出すステージとなりそうだ。

第15ステージ結果
1 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) 5時間1分49秒
2 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +28秒
3 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +30秒
4 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +32秒
5 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ)
6 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) +34秒
7 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)
8 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) +1分25秒
9 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +1分33秒
10 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +1分49秒

個人総合(マイヨロホ)
1 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 64時間13分33秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +26秒
3 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +33秒
4 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +43秒
5 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +1分29秒
6 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) +1分55秒
7 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +2分10秒
8 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) +2分27秒
9 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +3分3秒
10 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +3分15秒

ポイント賞(プントス)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 115 pts
2 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 83 pts
3 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 71 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ルイスアンヘル・マテ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) 64 pts
2 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) 57 pts
3 ベンジャミン・キング(アメリカ、チーム ディメンションデータ) 56 pts

複合賞(コンビナダ)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 13 pts
2 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 13 pts
3 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 16 pts

チーム総合
1 バーレーン・メリダ 192時間48分14秒
2 モビスター チーム +3分13秒
3 ボーラ・ハンスグローエ +27分23秒

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UCIワールドツアー ブエルタ・ア・エスパーニャ2018

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