ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第12ステージ逃げ切ったジェニエスが2年ぶり3度目のステージ優勝 マイヨロホはヘスス・エラダが獲得

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第12ステージは9月6日にモンドニェードからファロ・デ・エスタカ・デ・バレス.マニョンまでの181.1kmで争われ、アレクサンドル・ジェニエス(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)が2年ぶり3度目のステージ優勝となる逃げ切り勝利を飾った。序盤から逃げに乗って、ステージ16位となったヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ)が総合首位に浮上。マイヨロホはサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)から、プロコンチネンタルチーム所属のエラダの手に渡った。

逃げ切りを決め、少人数でのスプリント勝負を制したアレクサンドル・ジェニエス Photo: Yuzuru SUNADA

18人の逃げは完全容認

 スペイン北西部のガリシア州・モンドニェードをスタートし、ガリシア州のなかでもさらに最北西部の大西洋沿岸の街、ファロ・デ・エスタカ・デ・バレス.マニョンへとフィニッシュするコースだ。中級山岳ステージにカテゴライズされているものの、プロフィール上はスタート直後とレース後半に3級山岳が2つあるのみだが、ブエルタ特有の地図上に見えない厳しい上りが潜んでいる油断ならないステージだった。

海岸沿いの道路を走るプロトン Photo: Yuzuru SUNADA

 集団スプリントの展開も予想されていたが、この日は大量18人の逃げが決まった。メンバーは、ジェニエス、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ)、ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシングチーム)、ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)、トマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)、ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)、ディラン・ファンバーレ(オランダ、チーム スカイ)、ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)ら18人で、最も総合タイムが良いのは5分45秒遅れの総合22位のエラダだった。

 メイン集団はリーダーチーム、スプリンターチームともに逃げ切りを容認する姿勢を見せ、ミッチェルトン・スコットとモビスター チームが中心にコントロールしながら11分近いタイム差でレースは進んでいった。

 逃げ集団、メイン集団ともに残り50km地点付近の3級山岳では特に目立った動きはなかった。その後の残り35km地点付近の上り区間では、逃げ集団からニバリがアタックを仕掛けるも、集団は破壊するまでは至らず。

逃げに乗ったヴィンチェンツォ・ニバリは積極的な動きを見せていた Photo: Yuzuru SUNADA

 続いて残り24km地点の中間スプリントポイントをデヘントが先頭通過。3位で通過したカンペナールツがそのままアタックを続行した。パデュン、フォルモロ、ブランビッラが追いついて4人が飛び出し、やや遅れてファンバーレ、ジェニエス、デヴェナインス、トゥーンスが追いついて、新たに8人の先頭集団を形成した。

 残り15km地点で、先頭集団とニバリやエラダのいる追走集団とのタイム差は1分以上に開き、メイン集団とのタイム差は相変わらず11分前後を推移しており、勝負の行方は先頭8人に絞り込まれた。

スプリントで強さを見せたジェニエス

 残り10kmを切ってくると、ステージ優勝に向けて先頭集団の動きが活発となった。

 残り8km地点付近、下り区間に差し掛かるとタイムトライアルに強く独走力の高いファンバーレがアタック。今季1勝をあげているネオプロのパデュンがチェックして、一時的に2人がリードしたがすぐに集団に引き戻された。

 下り切って、上りに入ると、上りスプリントを得意とするトゥーンスがアタック。ジロ・デ・イタリア総合10位のフォルモロ、欧州選手権個人タイムトライアル2連覇のカンペナールツ、そしてパデュンが追従。少し遅れて、ファンバーレ、ジェニエスがそれぞれ単独でブリッジして先頭は6人となった。

 残り2km地点付近の下り区間を終えると、車一台が通れるくらいの狭い道に突入し、短い上り返しの坂が登場。トゥーンスが再びアタックを仕掛けたものの、警戒していたライバルたちはしっかりとチェック。トゥーンスがスピードを緩めたところ、ちょうどラスト1kmのアーチをくぐったタイミングで今度はカンペナールツがカウンターアタック。ファンバーレ、フォルモロが遅れてしまった。

 そのままカンペナールツが先頭で残り500m地点まで走っていると、上りで遅れたファンバーレが先頭の4人に追いついた。

スプリントで競り合うアレクサンドル・ジェニエス(中央)とディラン・ファンバーレ Photo: Yuzuru SUNADA

 残り350m付近から、4番手につけていたジェニエスがスプリントを開始。背後にいたファンバーレは、ジェニエスをピタリとマークしながら2番手に浮上。

 残り100mでファンバーレはジェニエスの横に並んで抜き去ろうとするものの、ジェニエスは歯を食いしばって踏ん張っていた。サイド・バイ・サイドのまま、最後はジェニエスがわずかに先着。2016年大会以来となるブエルタ通算3度目のステージ優勝を飾った。

 エラダは先頭から2分32秒遅れでフィニッシュ地点に到達。メイン集団は先頭から11分39秒遅れでフィニッシュしたため、マイヨロホはエラダのもとへと移った。

マイヨロホを獲得したヘスス・エラダ Photo: Yuzuru SUNADA

 ステージ優勝のジェニエスは「ジロでは総合を狙ったが、ブエルタではステージで勝つために来た。18人の選手それぞれにチャンスがあったなかで、自分が勝つ自信はなかった。逃げ集団が2つに割れたことでチャンスが大きくなったとは思うが、ファンバーレは速くて、カンペナールツはとても強かった。最後のスプリントはタフだったよ」とステージを振り返った。

マイヨロホを一旦手放したサイモン・イェーツ Photo: Yuzuru SUNADA

 ミッチェルトン・スコットはマイヨロホを手放すことになったが、それよりも週末のアストゥリアス山岳3連戦に向けて、前日に続いてエネルギーを節約することを優先させたようだ。サイモン・イェーツは「今日は少し疲れているチームメイトもいたので、全てをコントロールしようとしなかった。(エラダにマイヨロホを渡したことで)少しのリスクを背負うことになったがそうした。週末が本当に重要なレースとなるだろう」と語っている。

 その山岳3連戦の1戦目は、カンダス.カレーニョからバリェ・デ・サベロ.ラ・カンペロナまでの174.8kmで争われる。フィニッシュ地点の1級山岳アルト・デ・ラ・カンペロナは登坂距離4.2kmの平均勾配が11.6%の激坂だ。特にラスト1.5km区間は最大勾配19.5%に達し、総合バトルが激化することは必至だろう。

第12ステージ結果
1 アレクサンドル・ジェニエス(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) 4時間22分59秒
2 ディラン・ファンバーレ(オランダ、チーム スカイ) +0秒
3 マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ)
4 ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシングチーム)
5 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル) +2秒
6 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) +5秒
7 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード) +24秒
8 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップフロアーズ) +48秒
9 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) +2分27秒
10 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ) +2分29秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) 50時間28分56秒
2 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +3分22秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +3分23秒
4 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +3分36秒
5 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +3分39秒
6 トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +3分46秒
7 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
8 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +3分49秒
9 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) +3分54秒
10 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +4分5秒

ポイント賞(プントス)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 85 pts
2 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 83 pts
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 66 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ルイスアンヘル・マテ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) 60 pts
2 ベンジャミン・キング(アメリカ、チーム ディメンションデータ) 33 pts
3 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) 30 pts

複合賞(コンビナダ)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 11 pts
2 ベンジャミン・キング(アメリカ、チーム ディメンションデータ) 26 pts
3 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 37 pts

チーム総合
1 バーレーン・メリダ 151時間23分41秒
2 ロットNL・ユンボ +14分10秒
3 モビスター チーム +15分5秒

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UCIワールドツアー ブエルタ・ア・エスパーニャ2018

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