ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第11ステージ逃げ切ったデマルキが自身3度目のステージ優勝 イェーツは総合首位を堅守

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージは9月5日、モンブエイからリベイラ・サクラ.ルイントラまでの207.8kmで争われ、今大会最長距離を走るステージを19人の逃げ集団から独走に持ち込んだアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシングチーム)がステージ優勝を飾った。ブエルタでのステージ優勝は通算3度目と相性の良さを見せた。サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)は危なげないレース展開でマイヨロホを堅守している。

ブエルタ通算ステージ3勝目となる勝利をあげたアレッサンドロ・デマルキ Photo: Yuzuru SUNADA

最長ステージで大量19人の逃げ

 今大会最長距離を走る中級山岳ステージは、3級山岳3つ、2級山岳1つを含む、絶えずアップダウンが続くタフなコースレイアウトになっていた。ラスト18.5km地点にある3級山岳(登坂距離8.2km・平均勾配4.4%)が一つの勝負どころとなり、2年前にも同じフィニッシュ地点が登場した際はサイモン・イェーツが逃げ切り勝利を飾っていた。

 レースがスタートすると、逃げ切りが狙えるステージであるため、激しいアタック合戦が繰り広げられていた。ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)も逃げを試みるシーンも見られていた。

 しばらくして、ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシングチーム)、トマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)を含む3人が集団から抜け出し、30秒ほどのリードを築いた。そこへ、11人の追走集団が合流して最初の3級山岳に突入。さらにブリッジをかけてきた選手や、上り区間でハイペースな逃げ集団から脱落する選手も現れて、最終的に19人の逃げ集団が形成された。

ピノが逃げ集団に乗って攻撃 Photo: Yuzuru SUNADA

 メンバーはフランコ・ペリツォッティ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ナンズ・ピーターズ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)、アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシングチーム)、ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシングチーム)、トゥーンス、ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)、ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、ピエール・ロラン(フランス、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、セルジオルイス・エナオ(コロンビア、チーム スカイ)、ヨナタン・レストレポ(コロンビア、カチューシャ・アルペシン)、バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)、ミケル・ビスカラ(スペイン、エウスカディ バスク カントリー・ムリアス)ら、名だたるクライマーや逃げ屋を含む強力な選手が揃っていた。

 激しいアタック合戦と、逃げや追走が長らく続いたことで、最初の2時間の平均時速は48kmと、アップダウンを含むにもかかわらず、驚異的なスピードをマーク。また、2分33秒遅れで総合16位のピノが加わったことで、メイン集団は逃げを完全に容認することはなくタイム差をコントロール。最大4分30秒程度まで開いたものの、最後の3級山岳を迎える頃には3分程度まで縮めていた。

最後の上りで独走に持ち込んだデマルキ

 3級山岳に入ると、モレマのアタックを皮切りに逃げ集団内ではステージ優勝に向けた争いが勃発した。山頂まで5kmほど残した地点からレストレポがアタック。この動きはロッシュがピタリとマーク。2人が先行する展開となった。

 続いて残った集団からビスカラがアタックすると、今度はデマルキがチェックする。集団からある程度リードを築いたところで、デマルキはビスカラを置き去りにして先頭2人へのブリッジに成功。BMCが先頭に2人となり、レストレポに対して数的優位を築いた。

第6ステージ優勝のブアニはこの日リタイアした Photo: Yuzuru SUNADA

 ロッシュが先頭けん引をしてペースをつくると、デマルキがアタックを仕掛けて独走に持ち込む。しかし、粘りの走りを見せたレストレポが山頂までにデマルキに追いつくと、2人は協調しながら後方の追走集団を突き放しにかかった。

 その追走集団では、総合成績を挽回したいピノが積極的に動いていたものの決定的な動きには繋がらない。するとペリツォッティとピーターズが追走集団から抜け出した。

 残り10kmで先頭2人と追走2人とのタイム差は50秒ほど。その差はなかなか縮まることがなく、ステージ優勝の行方は先頭2人に絞り込まれていった。

 デマルキとしては、スプリントに強いレストレポをフィニッシュ連れていきたくなかった。残り5km地点付近の短い上り区間で、レストレポに対して再三アタックを仕掛けると、レストレポはたまらず遅れてしまう。

 20秒以上差を開いて、ダウンヒルへ突入。突然降ってきた雨に濡れた路面でも、デマルキは攻めた走りを見せる。20秒以上のタイム差を維持したままラスト1kmのアーチをくぐり、最後までスピードが衰えることなくフィニッシュ。2015年の第14ステージ以来となる、通算3度目のブエルタステージ優勝を飾った。

万全の調子ではなかったデマルキは、フィニッシュ後は疲労困憊の様子だった Photo: Yuzuru SUNADA
フィニッシュ後、お互いの健闘を称え合うデマルキとレストレポ Photo: Yuzuru SUNADA

 レース後のデマルキは「もし、スプリントを待っていたら、自分は2位だっただろう。だから最後の上りで仕掛けるしかなかった。正直言って、私は最高の脚を持っていなかったが、勝てて良かった」と振り返った。

渾身の走りでステージ優勝をもぎ取ったデマルキ Photo: Yuzuru SUNADA

ピノの攻撃は不発、イェーツが首位をキープ

 マイヨロホを抱えるミッチェルトン・スコットは逃げにヘイグを送り込んだことで、集団けん引は総合2位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)を擁するモビスターチームが中心となって行っていた。強力なメンバーの多い逃げ集団とのタイム差を一気に縮めることはできずとも、3分前後のタイムをキープしながら終盤の3級山岳を迎えていた。だが、それでもバーチャルでマイヨロホはピノの元へと移るタイム差だった。

総合2位で複合賞ジャージを着るバルベルデ Photo: Yuzuru SUNADA

 逃げ集団からデマルキらが飛び出し、さらにペリツォッティらが抜け出して残ったピノを含む逃げメンバーたちは、ステージ優勝の可能性が低くなったことで一気にペースダウン。ラスト5km地点付近の上り区間までにはメイン集団とのタイム差は1分程度となっていた。

 その上り区間に入ると、メイン集団ではEFエデュケーションファースト・ドラパックが組織的にペースアップを開始。ほとんど総合上位勢しか残らないほどに、一気に人数を減らす強烈な動きだった。

 EFのペースアップを引き継いだモビスターがペースアップを継続。ダビ・デラクルス(スペイン、チーム スカイ)やエマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が一時的に遅れるシーンも見られたが、有力選手が完全に脱落するまでは至らず。

 最終的にメイン集団はピノから12秒遅れでフィニッシュ。この結果、マイヨロホは引き続きサイモン・イェーツが守り抜いた。

マイヨロホをキープしたサイモン・イェーツ Photo: Yuzuru SUNADA

 総合上位の順位変動はほとんどなく、各賞ジャージもそれぞれ全員がキープしている。

 翌日の第12ステージはモンドニェードからファロ・デ・エスタカ・デ・バレス.マニョンまでの181.1kmで争われる。海外沿いを走るコースとなっており、中級山岳ステージにカテゴライズされているものの、集団スプリントになる可能性も十分見込まれている。少なくとも総合争いでは大きな動きは起きにくいものと思われる。

第11ステージ結果
1 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシングチーム) 4時間52分38秒
2 ヨナタン・レストレポ(コロンビア、カチューシャ・アルペシン) +28秒
3 フランコ・ペリツォッティ(イタリア、バーレーン・メリダ) +59秒
4 ナンズ・ピーターズ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +1分24秒
5 ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシングチーム) +1分45秒
6 ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル) +1分46秒
7 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)
8 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシングチーム) +1分48秒
9 セルジオルイス・エナオ(コロンビア、チーム スカイ) +1分50秒
10 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)

個人総合(マイヨロホ)
1 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 45時間57分40秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1秒
3 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +14秒
4 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +17秒
5 トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +24秒
6 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
7 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +27秒
8 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) +32秒
9 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +43秒
10 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNL・ユンボ) +47秒

ポイント賞(プントス)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 85 pts
2 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 83 pts
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 66 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ルイスアンヘル・マテ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) 60 pts
2 ベンジャミン・キング(アメリカ、チーム ディメンションデータ) 33 pts
3 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) 30 pts

複合賞(コンビナダ)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 10 pts
2 ベンジャミン・キング(アメリカ、チーム ディメンションデータ) 24 pts
3 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 35 pts

チーム総合
1 ロットNL・ユンボ 137時間53分57秒
2 モビスター チーム +55秒
3 バーレーン・メリダ +6分14秒

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UCIワールドツアー ブエルタ・ア・エスパーニャ2018

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