ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第10ステージ完璧なスプリントでヴィヴィアーニが2勝目 イェーツは終盤パンクもマイヨロホを堅守

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
  • 一覧

 ブエルタ・ア・エスパーニャ第10ステージは9月4日にサラマンカ.サラマンカ大学からフェルモセリェ.ベルミージョ・デ・サヤゴまでの177kmで争われ、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)がステージ優勝を飾った。レース終盤には総合上位勢にパンクによるトラブルが相次いで発生したものの、総合首位はサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が堅守した。

集団を完全に制圧し、パーフェクトなスプリントで勝利したエリア・ヴィヴィアーニ Photo: Yuzuru SUNADA

台地を進む平坦ステージ

 スタート地点にあるサラマンカ大学はスペイン最古の大学のひとつで、1218年に創立し今年で開校800周年を迎えた。生徒数は約3万人を誇り、日本の大学と比較すると慶應義塾大学、明治大学、近畿大学と同じくらいの規模となっている。

サラマンカ大学前の広場をスタートする選手たち。一番手前はマイヨロホを着るサイモン・イェーツ Photo: Yuzuru SUNADA

 コースは標高800m前後の台地を進み、カテゴリー山岳は残り30km地点に設定された3級山岳のみという平坦ステージだった。とはいえ、吹きさらしの荒野を通り抜けるコースになっており、横風への警戒が必要だ。ラスト5kmは、ほとんど一直線で道幅も広く、順調にレースが進めばハイスピードな集団スプリント勝負になると予想されていた。

 この日の逃げはティアゴ・マシャド(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)とヘスス・エスケラ(スペイン、ブルゴス・BH)の2人のみ。メイン集団では、集団スプリント勝負に持ち込みたいクイックステップフロアーズ、コフィディス・ソルシオンクレディなどスプリンターチームが中心となって集団コントロールを行い、逃げ集団とのタイム差を最大3分程度にコントロールしていた。

 3級山岳に向かって、両者のタイム差は徐々に縮まり、上り区間に入るとエスケラが遅れて、マシャドが単独先頭となった。しかし、集団はすぐ後ろに迫っており、山頂にたどり着く前に集団に吸収された。なお3級山岳は、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスターチーム)が先頭通過した。

クイックステップが集団を完全制圧

 集団スプリントに向けて、態勢を整える大集団からディエゴ・ルビオ(スペイン、ブルゴス・BH)がアタック。集団は危険な動きではないと判断し静観。ルビオは独走で十数秒程度のリードを築いた。

 すると、集団ではマイヨロホを着るイェーツ、総合3位のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスターチーム)、総合14位のウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チームサンウェブ)らが相次いでパンク。先頭でルビオが逃げている状況で、まだ集団のスピードが上がり切る前のタイミングだったため、全員すぐに集団復帰を果たした。

 残り9km地点でルビオは集団に吸収。しばらくは、道いっぱいに広がりながら静かに集団スプリントへの位置取り争いが繰り広げられていた。

 クイックステップ、ロットNL・ユンボ、チーム サンウェブ、UAEチーム・エミレーツ、バーレーン・メリダが先頭で横並びになる形で隊列を組んだまま、ラスト3kmのアーチをくぐるタイミングでクイックステップが先頭に立ってペースを上げ主導権を握った。

 アシストを6人残していたクイックステップトレインは盤石の体制。先頭をキープしたままラスト1kmのアーチをくぐった。

 そのタイミングで、ルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)がアタック。数秒のリードを築いたものの、ミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップフロアーズ)が冷静に差をつめて捉える。

 モルコフから引き継いたファビオ・サバティーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が最終加速すると、絶好のポジションでヴィヴィアーニを発射。付き位置にいたペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)は、ヴィヴィアーニの加速に対して離されないことが精一杯の様子。集団を完全制圧したクイックステップトレインに導かれ、ヴィヴィアーニが大会2勝目を飾った。

ヴィヴィアーニの勝利を確信し、後方でガッツポーズするサバティーニ Photo: Yuzuru SUNADA

 勝利したヴィヴィアーニは「今年一番の完璧なリードアウトで、チームメイトは最高の仕事をしてくれた。私たちが最強で最速でありたいと思うので、今日は少しだけプレッシャーを感じていた。最速だったら負けるわけにはいかないからね」と語った。貪欲に勝利を狙う「ウルフパック」(狼の群れ)の一員として、ヴィヴィアーニ自身は今季17勝目、チームとしては今季60勝目となった。

 また、サガンがステージ2位に入ったことでバルベルデからマイヨプントスを奪取。その他のジャージは移動がなかった。

大会2勝目、今季17勝目となったヴィヴィアーニ。そしてチームとしては今季60勝目となった Photo: Yuzuru SUNADA
サガンはツール・ド・フランスに続いてポイント賞ジャージを獲得できるのだろうか Photo: Yuzuru SUNADA

 翌第11ステージは、モンブエイからリベイラ・サクラ.ルイントラまでの今大会最長となる207.8kmで争われる。カテゴリー山岳は、3級が3つ、2級が1つではあるが、終始細かいアップダウンが続いており、非常にタフなレースとなりそうだ。フィニッシュ地点のベイラ・サクラ.ルイントラは2016年大会でも登場し、その時はサイモン・イェーツが独走勝利を飾った。スプリンターが生き残るのは厳しそうだが、独走・逃げ切り・集団スプリントなど様々な展開が考えられるステージとなるだろう。

第10ステージ結果
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 4時間8分8秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) +0秒
3 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)
4 ネルソンアンドレス・ソト(コロンビア、カハルラル・セグロスエレヘアー)
5 マルク・サロー(フランス、グルパマ・エフデジ)
6 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ)
7 イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ)
8 ヨン・アベラストゥリ(スペイン、エウスカディ バスク カントリー・ムリアス)
9 シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)
10 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)

個人総合(マイヨロホ)
1 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 41時間3分0秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1秒
3 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +14秒
4 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +16秒
5 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +17秒
6 トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +24秒
7 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +27秒
8 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) +32秒
9 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +43秒
10 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNL・ユンボ) +47秒

ポイント賞(プントス)
1 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 83 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 81 pts
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 66 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ルイスアンヘル・マテ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) 60 pts
2 ベンジャミン・キング(アメリカ、チーム ディメンションデータ) 33 pts
3 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) 24 pts

複合賞(コンビナダ)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 11 pts
2 ベンジャミン・キング(アメリカ、チーム ディメンションデータ) 24 pts
3 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 32 pts

チーム総合
1 ロットNL・ユンボ 123時間9分16秒
2 モビスター チーム +1分36秒
3 アスタナ プロチーム +4分8秒

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

UCIワールドツアー ブエルタ・ア・エスパーニャ2018

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載