title banner

栗村修の“輪”生相談<135>20代女性「彼氏にレース後、マッサージをしてほしいと言われます」

  • 一覧

 
 私の彼氏は自転車競技をしているのですが、よくレース後にマッサージをしてほしいと言ってきます。真剣にレースに取り組んでいるようなので、応援したい一心で、ネットで調べたスポーツマッサージの方法を実践しているのですが、ツーリングメインの私にはどの筋肉をどのようにケアするのが正解なのかわかりません。

 そこで、練習時、レース前、レース後などタイミング別のケアの仕方を教えてください!

 また、参考になる本やネット記事など何かあれば教えていただきたいです!!

(20代女性)

 なんと素敵な彼女さんでしょうか。彼氏さんも喜んでくれることでしょう。

 スポーツマッサージは自転車競技と切り離せない、重要なものなんですが、実はとっても奥が深いのです。僕も選手だったので、ずいぶんとスポーツマッサージを受けてきましたが、いろいろな意味で「差」があるのがスポーツマッサージです。

 スポーツマッサージの基本コンセプトは、筋肉を揉みほぐして血行を良くし、回復を促進することです。でも、やり方や上手・下手、それから合う・合わないに、大変な差があるんです。上手い人のスポーツマッサージは、マッサージの最中は施術内容によっては結構な痛みを感じるのに、終わったらまったく揉み返しなどが起こらなかったりします。しかし、慣れてない人のマッサージだと翌日に歩けないくらい揉み返しがきたりします…。

 というわけで、スポーツマッサージはとても難しいんです。正直、玄人向きです。やり方によっては状態が悪化するリスクもありますからね。

自転車競技とマッサージはとても密接な関係にあるといわれる Photo: Yuzuru SUNADA

 僕としては、難しいスポーツマッサージよりもストレッチをお勧めします。ストレッチには一人ではできないもの(股関節周りなど)もありますから、そういうストレッチの方法をネットや本で探してみてください。内容はごくベーシックなもので良いと思います。

 ここがポイントなのですが、ストレッチは、練習前やレース前にやるとかなり効果的です。体の左右のアンバランスを正したり、可動幅を広げたりできるので、走りの質が高まったり(キレイなペダリングができるようになったり)、相乗効果で走った後の疲労も減らせるかもしれません。イメージとしては、暖機運転とアライメント調整ですね。

 ですので、自重を使った軽いサーキットトレーニングを取り入れながら身体を暖めつつ、練習やレース前に30分ほどストレッチを行うとより効果的です。

 意識する内容としては、股関節や肩関節の可動域を広げ骨盤を中心に前後左右の歪みを解消するようなストレッチを実施すると、自転車競技選手にはプラスの効果が生まれるでしょう。

 マッサージについては、レース直後の痛んでいる筋肉を、慣れていない方が触れるのは良くないかもしれません。レース直後は糖質とタンパク質(プロテイン)の摂取などで体の回復に努め、マッサージは翌日のほうがいいかもしれません。

 その際、グリグリと強い力で筋肉を押すようなマッサージは避けてください。例え彼氏さんから強めのマッサージのリクエストがあったとしても、素人が強めのマッサージを行うと筋肉を逆に硬くしてしまうリスクがあります。肩こりがひどい人が闇雲に肩もみをしてどんどん肩こりがひどくなっていく現象と同じです。

 どちらかというとオイルなどをつかって手のひらで皮膚をさすり、血行を促進しながらリラックス効果で疲労回復を助ける様なイメージが良いかと思います。具体的には、アロママッサージやリンパマッサージの様なジャンル(マッサージの際に使用するアロマオイルなどの成分には注意を払ってくださいね)を勉強してみてはいかがでしょうか。

 運動前に軽いサーキットトレーニングでインナーマッスルに刺激を入れ、ストレッチで関節の可動域を広げつつ歪みを取り、運動後にはオイルマッサージなどでリラックスしながら身体を休める、というのが日常的にできるベストなメンテナンス方法だと思います。

(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
 ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまで、タイトルを「輪生相談質問」としてお寄せください。

関連記事

この記事のタグ

栗村修の“輪”生相談

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

ショップナビ

スペシャル

自転車協会バナー
CyclistポケットTシャツ

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載