ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第8ステージバルベルデがサガンを下し今大会2勝目 上り基調の混沌スプリントで自力を発揮

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 スペインで開催のブエルタ・ア・エスパーニャは9月1日、第8ステージがリナレスからアルマデンに至る195.1kmで行われ、上り基調での集団スプリントをアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)が制して、今大会2勝目を挙げた。総合首位のマイヨロホはルディ・モラール(フランス、グルパマ・エフデジ)が守った。

集団スプリントをアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)が制して今大会2勝目を挙げた Photo: Yuzuru SUNADA

逃げが最大12分の差

 この日は第1週のヤマ場を前に「平坦3連戦」とされた3日目。しかしブエルタらしく、単純な平坦コースではない。カテゴリー山岳こそ中盤に3級山岳が1つだが、全体に緩やかな上り下りが続くレイアウトで、獲得標高も1650mに達する。ゴール前もラスト10km付近から緩やかな上りが続き、ラスト1kmを切ってからUターンを含む急コーナーが2つあるなど、一筋縄ではいかないレイアウトだ。

序盤から逃げた3人 Photo: Yuzuru SUNADA

 レースは序盤に抜け出した3人、ティアゴ・マシャド(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)、ホルヘ・クベロ(スペイン、ブルゴス・BH)、エコトル・サエス(スペイン、エウスカディ バスク カントリー・ムリアス)が、メイン集団から最初の1時間で10分もの大差を得た。その後も差は広がり続け、最大で12分以上ものタイム差に達した。

 メイン集団ではレース中盤から、スプリント狙いのチームが追走体制を整えた。ペテル・サガン(スロバキア)擁するボーラ・ハンスグローエ、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)のクイックステップフロアーズ、ナセル・ブアニ(フランス)のコフィディス ソリュシオンクレディ、そしてジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)のトレック・セガフレードが、それぞれアシスト選手を出してペースを作った。

 タイム差は急速に縮まり、残り50kmを切ったところで5分少々まで、逃げと集団は近付いていた。

スペインらしい風景の中を進むプロトン Photo: Yuzuru SUNADA

上り基調で区間系・総合系が混沌

 その後もタイム差は着々と縮まり、残り14kmでついに1分を切った。レースも終盤、ゴールに向けての緩やかな上り基調に入っている。緩やかだが、確かに上っていると分かる勾配で、集団にも平坦のようなスピード感は見られない。

 集団が逃げの3人を視界に捉えた残り7km、先頭の3人からマシャドがアタックし単独先頭となった。残る2人は集団に吸収、そしてマシャドも1kmあまりを独走したが、集団へと吸収された。

この日も無事マイヨロホを守ったモラール Photo: Yuzuru SUNADA

 集団前方では小競り合いが続き、ペースが上がって縦に伸びる場面もあるが、集団を破壊するようなアタックはかからない。先頭ではサガンのためにルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)がペースを作り、サガンも集団前方に位置取りした。

 一方で総合争いをするチーム、選手も集団前方を位置取り、タイムを失わないように備える。上り基調で絶対的スピードは上がらないまま、残り1kmはロットNL・ユンボ勢が集団の先頭を押さえて通過した。

好調バルベルデがサガンを抜き去る

 広い2車線道路が道幅半分となり、ラウンドアバウトのヘアピンを抜け、さらに最終コーナーを抜けると、残り300mはようやく直線になる。集団先頭でスピードを上げるのはイバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ)。すぐ後ろにサガン、ニッツォーロ、バルベルデ、ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ)、ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)らが付ける。

 残り100mでスプリントを開始したのはサガン。先頭に出てゴールへ向け突き進むが、ゴールライン間際、その横から差してきたのは何とバルベルデだった。サガンの後ろから、合わせる形で加速したバルベルデだが、上り基調での加速力はサガンを上回っていた。サガンを差しきったバルベルデが、ゴールライン上でガッツポーズを見せた。

サガンとバルベルデが競り合うゴール前。バルベルデの加速が上回った Photo: Yuzuru SUNADA

 モビスターの総合エースの一人と目されているバルベルデだが、ここまですでに区間2勝の好調ぶり。ポイント賞と複合賞ではトップを走っている。個人総合でも2位に付け、この日も区間優勝によりボーナスタイムを10秒獲得した。

ゴール前に先頭で猛烈プッシュしたイバン・ガルシア。ゴール後座り込む Photo: Yuzuru SUNADA

 結局、平坦ステージという触れ込みながら、トップ10に入ったエーススプリンターは、サガン、ファンポッペル、ニッツォーロのみ。7位にサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が入るなど、コースの厳しさをうかがわせた。総合首位のモラールは、先頭と同タイムの30位でゴール。マイヨロホを獲得した第5ステージでの宣言通り、首位の座を3日間守ってみせた。

 しかしモラールのバラ色の日々も終わりを告げる。翌第9ステージは今大会最初の上級山岳ステージを迎える。途中3つのカテゴリー山岳を越え、最後に待ち受けるのは超級山岳アルト・デ・ラ・コバティリャの山頂ゴール。9.8kmの上りは平均勾配7.1%。上り始めと中腹に最大勾配12%区間が現れ、その後も10%前後の難所が連続するというもの。総合有力勢の本格的な戦いが幕を開け、まずはこの日の結果が、マイヨロホ争いの形勢を明確にするだろう。

38歳にして衰え知らずの強さを見せるバルベルデ Photo: Yuzuru SUNADA

第8ステージ結果
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 4時間35分54秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) +0秒
3 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ)
4 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)
5 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)
6 ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ)
7 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
8 ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル)
9 イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ)
10 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ)

個人総合(マイヨロホ)
1 ルディ・モラール(フランス、グルパマ・エフデジ) 31時間20分34秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +37秒
3 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +48秒
4 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +51秒
5 トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +59秒
6 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) +1分6秒
7 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +1分11秒
8 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +1分14秒
9 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +1分18秒
10 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) +1分23秒

ポイント賞(プントス)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 76 pts
2 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 63 pts
3 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 50 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ルイスアンヘル・マテ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) 42 pts
2 ピエール・ロラン(フランス、EFエデュケーションファースト・ドラパック) 20 pts
3 ベンジャミン・キング(アメリカ、チーム ディメンションデータ) 12 pts

複合賞(コンビナダ)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 16 pts
2 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 29 pts
3 ベンジャミン・キング(アメリカ、チーム ディメンションデータ) 39 pts

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 94時間1分12秒
2 ロットNL・ユンボ +2分7秒
3 モビスター チーム +4分9秒

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UCIワールドツアー ブエルタ・ア・エスパーニャ2018

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