ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 コースプレビュー<第2週>アストゥリアスでの激坂3連戦で総合争いは揺らぐか スペイン北西部を進むブエルタ中盤戦

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 情熱の国・スペインで熱戦が展開されるブエルタ・ア・エスパーニャ2018。シーズン最後のグランツールで選手たち躍動する中、大会の華であるマイヨロホ争いの形勢も徐々に見えてきた。それは、大会第2週でより顕著なものになるだろう。舞台となるのはスペイン北西部。週の後半には数々の名勝負が演じられたアストゥリアスの山岳地帯が多くのチャレンジャーを待ち受ける。覇権争いに拍車がかかるであろう中盤戦6ステージ。そこには、驚きと感動が待ち受けている。

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018は中盤戦へ。大会第2週はスペイン北西部をめぐる =2018年8月29日 Photo: Yuzuru SUNADA

ブエルタ2018第2週コースプレビュー

●9月4日 第10ステージ サラマンカ.サラマンカ大学~フェルモセリェ.ベルミージョ・デ・サヤゴ 177km 平坦

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第10ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 休息日明けはじめのステージは、創立800周年を迎えたサラマンカ大学を出発。いったんサラマンカの街へと戻ったのち、西へと針路をとる。ポルトガルとの国境まで進むと、3級山岳をクリアして進路変更。あとはフィニッシュに向かって急ぐのみ。レイアウトだけ見ればスプリンターに有利と見られるが、風や天候次第で思わぬレース展開になる可能性も。翌日から続く山岳ステージを前に、プロトンに大きな変化が生まれても不思議ではない。

●9月5日 第11ステージ モンブエイ~リベイラ・サクラ.ルイントラ 207.8km 中級山岳

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第11ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 今大会の最長ステージ。プロトンはスペイン北西部のガリシア州へと進む。2級と3級合わせて4カ所のカテゴリー山岳が設けられるが、この日最後の山岳ポイントからフィニッシュまで17.8kmあることから、総合争いに大きな変動は起きにくいか。それ以上に、逃げを成功させた選手たちにチャンスが訪れそうだ。最後の5kmは大小さまざまなカーブが待つほか、残り3km地点からは長い下り基調。少人数の逃げが容認されれば、最終盤のレイアウトが勝負を分けることも考えられる。

●9月6日 第12ステージ モンドニェード~ファロ・デ・エスタカ・デ・バレス.マニョン 181.1km 中級山岳

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第12ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 スタート直後とレース後半に3級山岳が設定されるが、山岳にカテゴライズされない上りもしっかりとこなすことが求められる。また、131.7km地点の3級山岳アルト・デ・サン・ペドロは頂上通過後の下りがテクニカルだ。行程の大部分を占める海沿いのルートは平坦区間が多いが、要所で現れる登坂区間が選手たちを苦しめることになるか。一方で、スプリンターを擁するチームがプロトンを上手く統率できれば、集団スプリントでフィニッシュを迎える可能性も十分にある。ちなみに、フィニッシュ地のファロ・デ・エスタカ・デ・バレス(エスタカ・デ・バレス岬)は、スペイン最北端地点である。

●9月7日 第13ステージ カンダス.カレーニョ~バリェ・デ・サベロ.ラ・カンペロナ 174.8km 上級山岳

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第13ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 いよいよ始まるアストゥリアスでの激坂3連戦。その初日、レース前半は静かに進行しそうだ。第1の難関は、92km地点から始まる1級山岳プエルト・デ・タルナ。平均勾配5.8%、登坂距離13kmの上りが有力選手たちの脚を試すことになる。その後はしばらく平坦と下り基調とが続くが、最後にそびえる1級山岳アルト・デ・ラ・カンペロナがマイヨロホ争いに変化を生むことになる。フィニッシュまでの8.3kmは緩急の繰り返し。名うてのクライマーといえど、登坂リズムをつかむのは決して簡単ではないだろう。そして、フィニッシュ手前約1.5kmから始まる最大勾配19.5%の激坂。最終局面も11.87%と、フィニッシュラインが選手たちの眼前に現れてからも試練は続く。

 なお、ラ・カンペロナがフィニッシュ地となった直近の2016年第8ステージでは、ステージ優勝こそ逃げた選手に譲ったものの、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が圧倒的な登坂力を見せてマイヨロホを奪取。その後の個人総合優勝につなげている。

フィニッシュ前が19.5%の激坂となるラ・カンペロナの上り。クライマーの真価が問われる =2016年8月27日 Photo: Yuzuru SUNADA

●9月8日 第14ステージ システィエルナ~レス・プラエレス.ナバ 171km 上級山岳

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第14ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 激坂3連戦の2日目。60km地点の2級山岳プエルト・デ・サン・イシドロを通過すると、長いダウンヒル。下り終えたと同時に始まる1級山岳アルト・デ・ラ・コリャドナ(登坂距離5.3km、平均勾配8.1%)は、上り始めに最大勾配11.14%を迎える。2カ所の10%勾配の区間が控える1級山岳アルト・デ・ラ・モスケータ、その後に3級山岳を越えると、レースは終盤。それまで静かに時を待っていた総合上位陣が、いよいよ勝負に向けて動き出す。

 頂上にフィニッシュが設けられる1級山岳アルト・レス・プラエレスは、中腹に最大勾配17%の区間が登場。ここを過ぎるとフィニッシュまで約1.5km。残り1kmでいったん緩やかな下りとなるが、そこから勾配12.8%を一気に駆け上がる。ところどころに180度コーナーが待ち受けるほか、フィニッシュに向かって勾配が緩やかになっていくあたりが特徴的。それゆえ、残り1kmからのポジショニングがステージ順位に影響を及ぼす可能性がある。

●9月9日 第15ステージ リベラ・デ・アリバ~ラゴス・デ・コバドンガ 178.2km 上級山岳

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第15ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 第2週の最終日に、今大会でも最難関ステージの1つが設けられた。ブエルタを象徴する名峰であるラゴス・デ・コバドンガを上るのだ。

 ただ、コバドンガにすべてが集約される1日かというと、決してそうではない。カンタブリア海へ向かって北上するレース前半を経て、プロトンは山岳地帯へ。後半に入ると、最大勾配11%の1級山岳ミラドール・デル・フィト(平均勾配7.7%)を2回上る必要に迫られる。1回目と2回目とで上り口が異なるため、登坂距離はそれぞれ7.1kmと6.3km。この2回の上りを余裕をもってこなさないことには、コバドンガでの勝負に臨むことはできない。

 2回目のミラドール・デル・フィトを終えるとフィニッシュまで約50km。中間スプリントポイントを通過して、いよいよコバドンガへと進行する。

 登坂距離11.7kmのラゴス・デ・コバドンガ。上り始めから10~15%の勾配が続く。だがそれはまだまだ序の口。緩急混ざる中腹を抜けると、わずかばかりの下りをこなし、迎えるは最大勾配20%の激坂区間。距離こそ短いが、マイヨロホ争いにスパイスを加えるには十分すぎるものに。その後も15%をはるかに超える急勾配区間が続く。

 フィニッシュまで残り2kmを切って再び下ると、いよいよ最終局面。最後は勾配7.5%を上ってステージを終える。このステージの獲得標高は3940m。直近で登場した2016年には、キンタナが圧勝しマイヨロホを盤石なものにした。

コバドンガを上った2016年の第10ステージではナイロ・キンタナが圧勝。マイヨロホを奪還し総合首位を盤石なものとした =2016年8月29日 Photo: Yuzuru SUNADA

 スペイン北西部のガリシア州、アストゥリアス州をメインとした第2週を戦い終えた選手たちは、お隣のカンタブリア州はサンタンデールへと移動。2回目の休息日を過ごし、勝負の第3週へと英気を養う。

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