ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第5ステージ25人の大逃げ、抜け出した3人の勝負をクラークが制す 区間6位のモラールがマイヨロホ獲得

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 スペインで開催のUCIワールドツアー、ブエルタ・ア・エスパーニャは8月29日、第5ステージが行われ、逃げ集団から絞られた3人のスプリント争いを制したサイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)が区間優勝した。メイン集団は5分近く遅れてゴールし、総合首位のマイヨロホは区間6位だったルディ・モラール(フランス、グルパマ・エフデジ)の手に移った。

サイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)が先頭3人のゴールスプリントを制して区間優勝 Photo: Yuzuru SUNADA

長いアタック合戦でハイペース展開に

 第5ステージは188.7kmの中級山岳ステージ。世界遺産の街・グラナダを出発して、しばらくは内陸の丘陵地帯を走行し、全体にアップダウンが途切れないコースだ。終盤に2級山岳アルト・エル・マルチャルを残り26kmで越えると、あとはゴールのロケタス・デ・マルまで一気のダウンヒルとなる。

 逃げ切りの可能性も十分にあるコースということで、レースはスタート直後から逃げ狙いのアタック合戦が延々と続いた。最初の1時間の平均時速は、やや下り基調ながらも、アップダウンをこなしつつ47.8kmにまで達した。

 前半55km地点に設けられた3級山岳アルト・デ・オルギバを前に、ようやく逃げ集団が形成された。その数総勢25人。メイン集団は総合首位のミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)を守るスカイ勢がコントロールするが、タイム差は5分以上にまで開いていった。逃げ集団の中で最も総合順位が高いのが、クウィアトコウスキーから3分46秒差で総合28位のモラール。この時点でモラールがバーチャルのマイヨロホとなった。

淡々と走るメイン集団 Photo: Yuzuru SUNADA

ステージ争いは3人の勝負

 アップダウンが続く中で、レース後半に入り逃げ集団は複数に分裂。最後の2級山岳の上りを前に、クラーク、バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)、アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシングチーム)の3人が先行する形となった。モラールはこれを追走するグループに入る。先頭とメイン集団の差は縮まらず6分差近くとなり、逃げ切りが濃厚になってきた。

 上りの途中でモレマがパンクで止まる場面があったが、無事復帰して先頭3人のまま最後の頂上を越えた。モラールら3人の追走グループは約50秒差。追走グループはモラールが積極的に牽引するが、区間優勝よりもマイヨロホを目指しての動きだ。

先頭の3人がいよいよゴールスプリントへ Photo: Yuzuru SUNADA

 下りを快調に飛ばした3人だが、残り6km付近からステージ優勝をかけたアタック合戦と牽制が始まった。自力はあるがパンチ力に欠けるモレマが積極的だが、クラークがぴったりマークして離さない。

 結局いずれのアタックも決まらず、残り1kmで前に出されたデマルキが先行する形で、クラーク、モレマの順に最後のゴールスプリントへ。先行したデマルキをセオリー通りに2番手からまくったクラークが、2012年以来となるブエルタ区間2勝目を飾った。

6年ぶりのブエルタ区間優勝を飾ったクラーク Photo: Yuzuru SUNADA

スカイは平坦3連戦を前にマイヨロホを手放す

 チーム スカイがコントロールするメイン集団は、最後の2級山岳でも動きは見られず、また顕著な追い込みもなく、優勝したクラークから4分55秒遅れでゴールした。モラールからは4分47秒。この瞬間、モラールの総合首位浮上が決まった。マイヨロホを失ったクウィアトコウスキーだが、「ジャージを失うのは複雑な心境だが、我々は大きな計画を見なくてはならない」と落ち着いた様子。引き続きポイント賞ジャージをキープしている。

ライバルの攻撃を封じたクウィアトコウスキーだがマイヨロホは一旦手放す Photo: Yuzuru SUNADA
マイヨロホを目指してゴールまで踏み切ったモラール Photo: Yuzuru SUNADA

 マイヨロホのモラールは、自身初のグランツールでのリーダージャージ。「本当の目標はステージ優勝だったけど、レッドジャージはうれしい。先頭グループとのタイム差が開いたところで、目標を切り替えた」とレース後に語った。

 これまでグランツールでは、最高でも総合20位台までしか経験がなく、大会前には全く予想していなかった状況。チームの本来のエースはティボー・ピノ(フランス)だが、モラールもグランツールのリーダージャージという特別な状況を、まずは楽しむつもりだ。翌日以降は難易度の低いスプリントステージが3日間続くため、「日曜日までジャージをキープしたい」と目標を語った。

大会前は予想だにしてなかったマイヨロホに袖を通したモラール Photo: Yuzuru SUNADA

 翌30日の第6ステージは、今大会初となる純・平坦ステージ。アンダルシア州に別れを告げて、アルボラン海を見ながら北上する。スプリンターが主役となることが予想されるが、海沿いで強い風が吹けば思わぬ波乱が起きる可能性も。総合系ライダーとしては平穏に過ごしたいと願う一日になるだろう。

第5ステージ結果
1 サイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) 4時間36分7秒
2 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +0秒
3 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシングチーム)
4 ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、アスタナ プロチーム) +8秒
5 フローリス・デティエ(ベルギー、ロットNL・ユンボ)
6 ルディ・モラール(フランス、グルパマ・エフデジ)
7 マキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・スーダル) +1分58秒
8 ヨナタン・ラストラ(スペイン、カハルラル・セグロスエレヘアー) +2分0秒
9 フランコ・ペリツォッティ(イタリア、バーレーン・メリダ)
10 メルハウィ・クドゥス(エリトリア、チーム ディメンションデータ)

個人総合(マイヨロホ)
1 ルディ・モラール(フランス、グルパマ・エフデジ) 18時間27分20秒
2 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) +1分1秒
3 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +1分8秒
4 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +1分11秒
5 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分13秒
6 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +1分26秒
7 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +1分31秒
8 トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +1分34秒
9 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)
10 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +1分38秒

ポイント賞(プントス)
1 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 46 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 33 pts
3 サイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) 30 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ルイスアンヘル・マテ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) 36 pts
2 ピエール・ロラン(フランス、EFエデュケーションファースト・ドラパック) 20 pts
3 ベンジャミン・キング(アメリカ、チーム ディメンションデータ) 12 pts

複合賞(コンビナダ)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 16 pts
2 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 17 pts
3 ベンジャミン・キング(アメリカ、チーム ディメンションデータ) 27 pts

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 55時間21分33秒
2 ロットNL・ユンボ +3分4秒
3 モビスター チーム +3分23秒

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