ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第7ステージ残り2kmの単独アタックでガロパンがステージ優勝 クウィアトコウスキーは落車で6位に後退

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 ブエルタ・ア・エスパーニャの第7ステージが8月31日、プエルト・ルンブレラスからポソ・アルコンまで185.7kmで争われ、残り2kmで単独アタックを仕掛けたトニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)が独走勝利を飾った。総合首位のマイヨロホは、ルディ・モラール(フランス、グルパマ・エフデジ)がキープ。前日まで総合2位のミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)は、終盤の落車でタイムを失い、6位に後退した。

ブエルタ初のステージ優勝を手に入れたガロパン Photo: Yuzuru SUNADA

アップダウンの厳しい“平坦ステージ”

 第7ステージは前日同様、平坦ステージにカテゴライズされているものの、スタート直後からアップダウンの繰り返し。レース後半には2つの3級山岳が登場し、ラストは上り基調となっている。勝負のポイントと予想されたのが、173km地点の3級山岳、アルト・デ・セアル(距離は4.5km、平均勾配5.4%)からゴールまでのアップダウン。この間にどのチームが攻撃を仕掛けるのか。そこで誰が残り、勝負権を得られるのか。小集団でのスプリント勝負、また、展開によっては逃げ切りも考えられた。

 スタート直後に逃げたのは、アレクシー・グジャール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、フローリス・デティエ(ベルギー、ロットNL・ユンボ)、ニコラ・コンチ(イタリア、トレック・セガフレード)、エドワルド・ラヴァージ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)、アレックス・アランブル(スペイン、カハルラル・セグロスエレヘアー)、オスカル・ロドリゲス(スペイン、エウスカディ バスク カントリー・ムリアス)の7人。

スタート直後から逃げた7人 Photo : Yuzuru SUNADA

 ワールドツアーの選手を5人含む逃げとなった。メイン集団はこの逃げを容認、10km地点では約2分半の差がついていた。スタートから1時間、先頭7人の平均時速は39.3km。メイン集団は、リーダージャージ着用のモラール擁するグルパマ・エフデジやペテル・サガン(スロバキア)での優勝を狙うボーラ・ハンスグローエといったチームがコントロール、2分半から3分の間でタイム差をキープしていた。2時間目は先頭がペースアップし平均時速42.5kmで走行したものの、集団はその差を3分前後で保っていた。

 117km地点の3級山岳も先頭7人と集団という形で突入。その下りを終えた頃、タイム差は2分程に縮まっていたがレースに大きな動きは見られなかった。ただ、ステージ優勝や危険回避のため、各チーム隊列を組み始めていた。

勝負に出たガロパン

 モビスターやロットNL・ユンボなどの牽引により、徐々に縮まるタイム差。残り30kmでは約1分、20km地点では40秒、3級山岳の上り口では15秒と吸収は時間の問題になる。レースが動いたのは、残り約15km。逃げからウッズが先行し、残りの逃げメンバーは吸収される。しかし、ウッズも山頂に到達する前の12km地点で集団に飲み込まれる形に。1つになった集団は活性化する。

サガンの2位フィニッシュに貢献したエマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)。集団をコントロールした。 Photo: Yuzuru SUNADA

 まず、残り約10kmで、リュイスギジェルモ・マス(スペイン、カハルラル・セグロスエレヘアー)がアタック。しかし、約7km地点で早くも吸収されてしまう。この頃、後方では、ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチーム・エミレーツ)がメカトラ、ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル)、そして何とクウィアトコウスキーが落車というアクシデントが発生していた。
 
先頭では残り5.5kmで、ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ)が飛び出し、逃げ切り勝利を狙う。しかし、追走するのは、エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)やナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)、ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ)、サガン、ガロパンなど、そうそうたる顔ぶれ。ステージ優勝狙い、落車した選手とのタイム差拡大を目論む総合系、どちらかには該当する強力な追走だ。エラダ吸収は時間の問題だった。

早い仕掛けが功を奏した Photo : Yuzuru SUNADA

 残り2km、追走集団がエラダを射程圏内に収めようかというところでガロパンが一か八かのアタックを仕掛ける。一気にエラダを追い越し、独走を始めた。180kmを走ってきたとは思えない走りで快調に飛ばすガロパン。単独で走り続ける。ゴールまでのストレートでは後ろを振り返り勝利を確信。見事フィニッシュラインを先頭で通過した。後方はスプリント勝負となり、サガン、バルベルデの順でゴールしている。

サガンは2位でフィニッシュ Photo : Yuzuru SUNADA

 スプリント勝負になった前日のステージで、いち早く仕掛けながらも勝利できなかったガロパン。この日は勇気ある早い攻撃が実を結び、勝利を引き寄せた。また、ガロパンは今年、ロット・スーダルからアージェードゥーゼール ラモンディアールに加入。移籍1年目でグランツールステージ優勝という嬉しい結果を手に入れた。

前日の悔しい思いを晴らす勝利となった Photo: Yuzuru SUNADA
元同僚のマキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・スーダル)と抱き合うガロパン Photo : Yuzuru SUNADA

 第8ステージもこの日同様、平坦ステージ。ゴールまでは緩やかに上るが、スプリンターでも十分にクリアできるだろう。ただ、残り1km地点からのコースが非常にテクニカル。このレイアウトがレースにどのような影響を与えるのか、終盤まで目が離せない。

第7ステージ結果
1 トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) 4時間18分20秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) +5秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)
4 エドゥアルド・プラデス(スペイン、エウスカディ バスク カントリー・ムリアス)
5 オマール・フライレ(スペイン、アスタナ プロチーム)
6 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
7 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)
8 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)
9 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ)
10 セップ・クス(アメリカ、ロットNL・ユンボ)

個人総合(マイヨロホ)
1 ルディ・モラール(フランス、グルパマ・エフデジ) 26時間44分40秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +47秒
3 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +48秒
4 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +51秒
5 トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +59秒
6 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) +1分6秒
7 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +1分11秒
8 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +1分14秒
9 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +1分18秒
10 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) +1分23秒

ポイント賞(プントス)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 51 pts
2 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 48 pts
3 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 43 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ルイスアンヘル・マテ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) 42 pts
2 ピエール・ロラン(フランス、EFエデュケーションファースト・ドラパック) 20 pts
3 ベンジャミン・キング(アメリカ、チーム ディメンションデータ) 12 pts

複合賞(コンビナダ)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)14 pts
2 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)26 pts
3 ベンジャミン・キング(アメリカ、チーム ディメンションデータ)37 pts

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 80時間12分58秒
2 ロットNL・ユンボ +2分39秒
3 モビスター チーム +4分41秒

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