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力を引き出すアミノバイタル<4>“カリスマ”ホビーレーサー・高岡亮寛さんの「レースを制するピーキング」 決め手は“リカバー”にあり

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 “ホビーレーサーの甲子園”と称されるアマチュア最高峰のレース「ツール・ド・おきなわ」の市民レース210kmを5度に渡って制し、今年4連覇がかかる“カリスマホビーレーサー”高岡亮寛さん(40歳、RoppongiExpress)。昨シーズンは国際自転車競技連合(UCI)のグランフォンドワールドチャンピオンシップの40/44歳の部で2位となり、日本人で初めて表彰台に上がった。そんな高岡さんの強さの理由は「ピーキング」にあるといわれる。本番に向けてコンディションを最高の状態に持っていく手法で、その仕上げ方はライバルたちからも定評がある。その技について教えを請うべく、“坂バカ”俳優の猪野学さんは高岡さんの練習に同行。ポイントはトレーニングとリカバーのバランスにあった。

千葉・君津市の鹿野山で高岡亮寛さんに練習の手ほどきを受ける猪野学さん  Photo: Masami SATO

皆が注目、高岡さんの強さのワケ

 高岡さんは金融機関に勤めるサラリーマン。Jプロツアー(JPT)チームの「イナーメ信濃山形」に9年間所属し、Jプロツアーレースを走った経歴も持つが、現在は仕事と趣味の自転車競技に両立させる、いわゆるホビーレーサーだ。

「Roppongi Express」の代表、高岡亮寛さん。「ツール・ド・おきなわ」210kmカテゴリーを5度制した覇者。“カリスマホビーレーサー”という異名をもち、その実力はプロアマ問わず注目を集める。個人の人気ブログ『Roppongi Express』も日々更新中 Photo: Masami SATO
昨年のツール・ド・沖縄で6人のスプリントを制し、3連覇となる5勝目を飾った高岡亮寛さん Photo: Naoi HIRASAWA

 時間の合間を縫って練習時間を捻出する傍ら、2年前には切磋琢磨するチームを形成すべく、社会人が競技を楽しむ“オトナの部活”「Roppongi Express」を立ち上げた。そんな彼が日々の活動やトレーニングについてつづる個人のブログは、同じ境遇で向上心を抱くサイクリストたちから支持を得ており、猪野さんもその愛読者の一人だという。

憧れの高岡さんを前に少し緊張気味の猪野さん。「死ぬ気でがんばります!」 Photo: Masami SATO

 高岡さんのブログを見ながら、猪野さんが最も注目していたのは、レース本番に向けたコンディション作りだ。朝練や夜練のメニューから読み取れる負荷の掛け方、休み方、そして食事の摂り方。ブログには事実のみが淡々とつづられているが、その推移を日々追っていくと緻密に自分の身体と対話し、管理している高岡さんの様子が浮かび上がってくる。

 大会直前でもただただパワーアップすることに固執していた猪野さんだったが、「ピーキング」という手法を知ったことで目から鱗が落ちたよう。「自分もベストコンディションでレース当日を迎えたい!」と直接、“高岡道場”の門を叩いた。

レース直後から1年後の準備は始まる

猪野 全日本選手権だったり、「ツール・ド・おきなわ」での活躍を拝見していますけど、やはり高岡さんにとってメインのレースはやはり、ツール・ド・おきなわなんですか?

高岡 そこが最終目標です。他のレースより圧倒的にコースが良い。持久戦なのでまずは体力がないと戦えないですし、アップダウンもきついけどヒルクライマーだったら良いかといったらそうでもない。いろんな展開があるんで作戦も考える。アマチュア日本一を決めるのにふさわしいレースだと思っています。ライバルといわれている競合ホビーレーサーもたくさん参加しますしね。

まずは鹿野山の林道で練習開始。6kmほどの坂道を反復して上りのトレーニング。「シッティングはだいぶ速いけど、ダンシングでロスが大きい」と早速高岡さんからのアドバイスを受ける Photo: Masami SATO

猪野 長いシーズンで、そこにピンポイントでベストコンディションに持っていくピーキングが見事ですよね。ターゲットを定めたら、どれくらい前からピーキングを始めるんですか?

高岡 「準備」という意味では1年前からでしょう。沖縄が終わったら、休みも含めて来シーズン勝つための準備が始まります。常に頭にある感じです。なので7月、8月は割とリラックスして過ごしますけど、それも沖縄に向けた準備。9~10月に練習を積み上げていくので、友人と飲んだり、仕事の食事もレース前はあまり入れたくない。そういう意味で、それも準備といえば準備です。

練習開始後まもなく表情から「俳優」の影が消えた猪野さん Photo: Masami SATO
高岡さんの後ろ姿を見て、背中、体幹、大臀筋の大きさにショックを受けたそう Photo: Masami SATO

猪野 1年を通じての準備ですか。でも、プロの方でもピークの時期って1カ月ほどしかないそうですね。

高岡 そんなものだと思います。プロ選手を見ていても、春のクラシックレース、フランドルやパリ~ルーベで活躍した選手は、そこからツールまで休んだりしますし。一方でツール・ド・フランスを狙う選手は春のレースは全然走らない。だから4月も5月も6月もと、続けて良い成績を出せる選手はいないですよね。

猪野 でも高岡さんは全日本を経て、ツール・ド・おきなわにピンポイントに持っていけたんですよね。ちなみに誰もがぶつかる「バッドデー」(調子が悪い日)は、高岡さんでもあるんですか?

猪野さんの走りを見る高岡さん。4往復目では「シッティング縛り」で上る Photo: Masami SATO

高岡 もちろんありますよ。1週間あっても質の高い練習が7回できるわけじゃないんで。だいたい2回くらいですかね、3回できたら良いです。週末1日と、仲間たちと行う火曜日の朝練は結構強度が上がります。あとは木曜夜にインターバルやったりとか、それぐらいできれば他の日はレストで流すだけ。その3日が重要なので、そこがバッドデーにならないように、結構割り切って他の日は休むことに集中します。

リカバーもトレーニングの一環

猪野 割り切って休む、ですか。トレーニングばかりでなくリカバーも大切ですよね。

高岡 リカバーの考え方は2つあります。1つはレース本番までに長期的な意味で体力をベストな状態に持っていくということ。もう一つはトレーニング期の短期的なリカバー。トレーニング期にはレースに勝つために質の高いトレーニングをする期間があって、その期間にどれだけのメニューをこなせたかが非常に重要になります。それをこなすためにはトレーニングをして、次のトレーニングまでにいかに短い期間でリカバーさせるのかが重要になります。しっかりリカバーしないと次の練習でパフォーマンスが上がらないし、トレーニングも積めなくなるので、効率的な練習を重ねるためにもリカバーは必須です。

トレーニング中に「アミノバイタル アミノショット」でBCAAを摂取する高岡さん Photo: Masami SATO

 もちろん食事も摂らないとリカバーにつながりません。食べなければ体重は減りますが、コンディションを保てないし、翌日力が入りませんよね。ただ、どれくらい食べてどれくらい休めば良いのかは、経験則から自分に合ったリカバー方法を確立する他ありません。

猪野 プロテインやBCAA(必須アミノ酸)は摂っているんですか?

高岡 プロテインはとくにトレーニング期には練習後に必ず摂るようにしています。BCAAは練習中に常に摂ってケアするようにしています。

猪野 リカバーも、トレーニングをするのと同じくらい重視しているんですね。

高岡 言ってしまえばリカバーもトレーニングの一環ですから。ただ、一方で難しいのは、調子が上がってくると踏めちゃうときがあるじゃないですか。そうすると練習は週3日と決めていても、5日いけちゃうときもあるんですよ。全然疲れがたまらない、まだいけるまだいけると。でも、それやってると必ず落ちる時がくる。その“ツケ”は必ずどこかで埋め合わせなきゃいけなくなるんで、調子が良くても抑えることが重要です。

上りながら「アミノバイタル パーフェクトエネルギー」のショットタイプでエネルギー補給 Photo: Masami SATO
片手と口を使って簡単に開封できる上に、開封部が本体から離れてゴミにならないよう配慮した設計になっている Photo: Masami SATO

猪野 僕、そういうときすぐ調子に乗っちゃう質なんですよね…(汗)。

高岡 上がってる時はいつでもいけるくらいに思えてしまうけど、それは絶対に続かない。だから僕は目標より前に良い状態にならないよう、10月に練習しまくるんです。そのときは逆に不安になるくらい体が重くて走れなくなるんですけど、その状態から10日間くらい休んで沖縄に行けば、必ずそこで調子を取り戻せるのは毎年のことなので、そこはもう自分を信じるしかないですね。

坂トレーニングの後、2人は鹿野山の奥へと消えていった Photo: Masami SATO

猪野 10日ですね…(要チェック)。その間は一切体を動かさないんですか?

高岡 基本的には毎日、自転車は乗ります。

猪野 え、乗るんですか?

高岡 乗ります、絶対。乗るけど負荷をかけず、心拍は上げない。そうやって3日ほど流していると、少し元気になる。そしたら20分くらい心拍を上げてみるとか。そういうメリハリはつけるけど、基本的には休んでコンディションが戻るのを待ちます。

猪野 その10日間、どう過ごしてるかが、とても気になりますね…(笑)。

高岡 何をやってるかはブログを読んでもらえばわかります(笑)。

116km、2080mを4時間半で引き倒され、オールアウトした猪野さん。「坂でちぎられるなんて坂バカとして面目丸つぶれ…」と苦渋の表情 Photo: Kyoko GOTO

猪野 ちなみに「走りまくる」とは、距離を稼ぐんですか?

高岡 稼ぐのが目的ではないけど、結果的にそれが一番わかりやすいベンチマークになっていますね。去年、一昨年は3000kmぐらい行ったかな。ただ、距離が目的なら3本ローラー乗ってれば1時間で50kmいけるんで全然難しくはないけど、それに意味はありません。距離とTSS(※1)の両方を見ています。

 でもローラーはローラーで効率よくて、外で走るよりも短時間で「仕事量」を稼げます。今日のトレーニングは1時間600kj(キロジュール※2)くらいでしたけど。外で1時間で600kjというと、1時間全力で走るようなイメージなんですよね。外ってどうしても下りで脚止めるし、信号で脚も止めるから、そういう意味で室内の方が密度を上げられます。
(※1 TSS:トレーニング・ストレス・スコア、FTP強度で1時間トレーニングしたときの体への負荷を表した数値。※2 kj:キロジュール、運動により消費したエネルギー量)

アミノバイタルシリーズでBCAAが最も多く含まれている「アミノバイタル GOLD」。カラダ作りに大切な役割を果たす「ロイシン」が多めで、リカバーに最適 Photo: Masami SATO
いつもより強度高めのトレーニング後のケアに Photo: Masami SATO

積み重ねが確実に力になる

猪野 ブログを拝見してると、毎朝仕事後とかに必ず乗られているじゃないですか。あれはもう日課なんですか?

高岡 そうですね。練習時間を日常生活に落としていくと朝か夜しかないので、どちらかできるところに割り振っています。

トレーニング後は高岡さん行きつけのフレンチレストラン「OGINO」で「良質なタンパク質」を摂取 Photo: Masami SATO

猪野 練習量がすごいと思うんですけど、その支えになっていることって?

高岡 ただ単純にやっていることというよりは、レースで結果を出したいという明らかな目標があるからです。それと、これまでやってきた積み重ねが確実に力になってるし、結果に結びついているという手応えがある。短期的ではなく長期的に見て、毎日の地味な積み重ねがやがて大きな差になると思っています。

 「伝説のヒルクライマー」と呼ばれた村山利男さんていらっしゃるじゃないですか。数年前、村山さんが50歳を過ぎてから出場した乗鞍で、僕負けたんですよ。僕も当時は1時間くらいで走ったんですけど。正直ショックでした。「このおじちゃんに負けるのかよ」って(笑)。

「レースで結果を出したいという思いが日々のトレーニングの支えになっている」という高岡さん Photo: Masami SATO

 あの人の何がすごいかというと、20代の頃からとにかく練習量がすごいんです。20代、30代、40代、50代とずっと続けている。すごい脚をしていますからね。あの筋肉は2、3年頑張ったからといってできるものではない。ベースが違うんですよね。

 乗ったことは絶対無駄にならないということは僕も確信しているんで、毎日時間があれば少しでも練習をします。猪野さんが僕の体を褒めてくれたけれど、きっと僕の体も3年前、5年前よりは少しずつ出来上がっていると思うんで、本当に毎日の積み重ねが大切だと思っています。

猪野 今日はその積み重ねのすごさを間近で拝見できたように思います。勝つ人の体ってこれなんだー!って思いました。

グランフォンドで日本人初の世界チャンピオンに

猪野 高岡さんの今後の目標は何ですか?

高岡 とりあえず「ツール・ド・おきなわ」は出る以上勝つのが目標です。あとは全日本選手権ですね。今年は11位だった。以前から10位以内という目標があるんで、タイミングが合えばいつかは狙いたいと思っています。

「目標はUCIグランフォンドで日本人初の世界チャンピオンになること」という高岡さん Photo: Masami SATO

 あとはUCIグランフォンドワールドチャンピオンシップ。今年は行けませんでしたが、優勝も現実的に狙えるところにあるんで、アマチュアですが日本人で世界チャンピオンとなったら、これは面白いですよね。

猪野 行けそうな感覚はあるんですか?

高岡 ありますね。自分も42、43歳と歳を重ねるので、どこまでも伸びていくとは思いませんが、グランフォンドは5歳ずつでクラスが分かれていて年齢が不利になるということもないので、いつかは達成してみたいと思っています。

(取材協力:OGINO

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