ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第3ステージ集団スプリントを制したヴィヴィアーニがブエルタ初勝利 今季絶好調の16勝目

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 スペインで開催中のブエルタ・ア・エスパーニャは8月27日、第3ステージがミハスからアラウリン・デ・ラ・トレに至る178.2kmで行われ、集団ゴールスプリントをエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が制して、自身のブエルタ初勝利を飾った。個人総合首位のマイヨロホは、ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)が危なげなくキープしている。

集団スプリントを制したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が今季16勝目、自身のブエルタ初勝利をあげた Photo: Yuzuru SUNADA

スプリントを見据えスロー展開に

 この日はレース前半に1級山岳、中盤に3級山岳が設定されるが、後半から終盤にかけては強烈な上りがなく、スプリンターステージになる可能性も十分あるコースだ。前日の第2ステージで気温が上がり、レース展開も激しくなったことから、選手はやや消耗気味なのか、前半から全体にゆったりとしたペースでの進行となった。

序盤から逃げた6人 Photo: Yuzuru SUNADA

 レースは序盤、1級山岳の上り口で、山岳賞ジャージを着るルイスアンヘル・マテ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ)を含む6人の逃げが形成され、集団からタイム差を持って逃げ続ける展開。山岳ポイントはいずれもマテが先頭通過し、山岳賞ジャージを守っている。

 メイン集団はスプリントを狙うクイックステップフロアーズがペースをコントロールし、レース後半にはその差を1分台に縮め、その後も着々と追走していった。

山岳賞ジャージのマテは、この日もポイントを重ねた Photo: Yuzuru SUNADA

 後半はカテゴリー山岳は現れないものの、中間スプリントポイントの前には、山岳ポイントのつかない丘が控える。ここで集団からヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)、ルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)ら4人が追走で先頭にブリッジを仕掛けた。

ペストルベルガーの逃げは実らず

 これを受けて先頭でも若干の動きが生まれ、ジョルディ・シモン(スペイン、ブルゴス・BH)がしばらく先頭を独走するが、メイン集団から抜け出た4人が合流した追走グループに吸収され、先頭は4人となった。シモンは中間スプリント目前で再びアタックを見せたが、これも成功せず。しかしこれらの積極的な動きから、この日の敢闘賞に選ばれた。

危なげない走りでマイヨロホを守ったクウィアトコウスキー Photo: Yuzuru SUNADA

 長い下り区間ではカンペナールツが積極的に前を踏むが、コーナーを曲がりきれず落車して先頭から脱落した。代わって先頭に抜け出たのはペストルベルガーだった。先頭に加わって直後は、チームのエーススプリンターのペテル・サガン(スロバキア)のために逃げのペースを抑える動きを見せていたが、ここに来て単独逃げ切りを狙っての走りだ。

 追い風の中、20km近くを単独で逃げ続けたペストルベルガーだったが、残り約6kmで
ついに、ペースを上げたメイン集団に吸収された。各チームが位置取り争いを繰り広げるが、小さなアップダウンが続くため、集団の先頭付近を占めるのはモビスター、チーム スカイといった総合勢だ。

 残り5kmを切って、一度集団後方に下がっていたヴィヴィアーニも、ようやく集団前方へと戻ってくる。しかしスプリントに向けて、圧倒的な支配力を発揮するチームはなく、ステージ狙いと総合系の選手が入り乱れている状態だ。

クイックステップが目論見通りの今季58勝目

 残り1kmとなり、集団は左に大きくカーブしながらゴールへとなだれこんでいく。ここで頭に飛び出したのはヴィヴィアーニだった。ミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップフロアーズ)の絶妙なリードアウトから一気に加速すると、並びかけようとするジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)やサガンの追い込みを許さず、そのまま先頭でゴールを切った。

激しいゴールスプリント争いは、先行したヴィヴィアーニが後続を寄せ付けず優勝 Photo: Yuzuru SUNADA

 ヴィヴィアーニは今季実に16勝目。ジロ・デ・イタリアでは今年の4勝を含めて通算5勝をあげているが、ブエルタではうれしい初勝利となった。「ブエルタでの初勝利、イタリアチャンピオンジャージを着てのグランツール初勝利という、完璧な一日になった」というヴィヴィアーニ。「難しいステージをチームは全体の90%でコントロールしてくれた」とチームメートの働きを称えた。チームも今季破竹の58勝目となった。

イタリアチャンピオンジャージを着るヴィヴィアーニがステージを制した Photo: Yuzuru SUNADA

 比較的落ち着いた展開だったことで、112人が優勝のヴィヴィアーニと同タイムの集団でゴールした。総合上位は動かず、各賞のリーダージャージ着用者も変わっていない。

 第4ステージは本格的な山頂フィニッシュが登場する。レース中盤へと続く1級山岳のアルト・デ・ラ・カブラ・モンテスをこなし、ゴール前には再び1級山岳のシエラ・デ・ラ・アルファグアラを上る。フィニッシュ手前12.4kmから登坂が始まり、平均勾配5.4%。中腹には最大勾配11%の区間があり、総合勢による激しい攻防が見ものだ。

第3ステージ結果
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 4時間48分12秒
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) +0秒
3 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
4 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ)
5 シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)
6 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ)
7 ミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップフロアーズ)
8 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
9 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、チーム ディメンションデータ)
10 トム・ヴァンアスブロック(ベルギー、EFエデュケーションファースト・ドラパック)

個人総合(マイヨロホ)
1 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 9時間10分52秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +14秒
3 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +25秒
4 ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ) +28秒
5 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +30秒
6 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
7 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +32秒
8 トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +33秒
9 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)
10 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +35秒

ポイント賞(プントス)
1 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 43 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 29 pts
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 25 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ルイスアンヘル・マテ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) 24 pts
2 ピエール・ロラン(フランス、EFエデュケーションファースト・ドラパック) 12 pts
3 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) 5 pts

複合賞(コンビナダ)
1 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 9 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 9 pts
3 ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ) 19 pts

チーム総合
1 チーム スカイ 27時間33分39秒
2 ボーラ・ハンスグローエ +48秒
3 クイックステップフロアーズ +50秒

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