ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第1ステージ開幕個人タイムトライアルはデニスが圧勝 3大ツール全てのTTを制覇し初日マイヨロホ

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 今年のグランツール(世界3大ステージレース)最終戦となる、スペインを舞台としたブエルタ・ア・エスパーニャが8月25日に開幕した。初日第1ステージはマラガでの8km個人タイムトライアル(TT)が行われ、オーストラリアTTチャンピオンのローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)が優勝し、個人総合首位のリーダージャージ「マイヨロホ」に袖を通した。

オーストラリアTTチャンピオンジャージを着るデニスが、開幕個人TTを圧倒的なタイムで優勝 Photo: Yuzuru SUNADA

地中海の観光都市・マラガで開幕

 3週間で行われるスペイン一周レースが、スペイン南部の地中海に面した観光都市・マラガで幕を開けた。全22チーム、176人の選手が、これから全21ステージ、総走行距離3254.7kmの旅へと出発する。

2016年の覇者キンタナは30秒差の34位とまずまずのスタート Photo: Yuzuru SUNADA

 ブエルタが個人TTで開幕するのは9年ぶり。8kmという短めのコース前半では、マラガ港の突端までを往復し、ビーチサイドの直線を突き進む。中間地点から平均勾配約6%の上りを1kmほどこなし、下った後にショッピング街であるマルケス・デ・ラリオス通りに設けられるフィニッシュへと飛び込む。

 レースは各選手が一人ずつ、1分間隔でスタートしていく。序盤、20番目にスタートしたオランダTTチャンピオンのディラン・ファンバーレ(オランダ、チーム スカイ)が、9分59秒という好タイムを記録。その後長く暫定トップの選手が座るホットシートをキープした。

優勝候補のデニスが前評判通りの走り

 ファンバーレから100人以上がゴールし、レースも後半。130番スタートのヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チーム スカイ)が勢いよくゴールに飛び込んでくるが、10分0秒とわずかに1秒及ばない。しかし続く131番スタートのネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター チーム)が9分56秒でゴール。ついにファンバーレのトップタイムを更新した。

 有力選手が集まる後半グループで、次にタイムを更新したのは152番スタートのミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)だった。中間計測でトップタイムを記録すると後半もタイムを伸ばし、オリヴェイラを10秒上回る、9分46秒のタイムの驚異的なタイムを叩き出した。

大幅にトップタイムを更新してきたクウィアトコウスキー Photo: Yuzuru SUNADA
クウィアトコウスキーにあと一歩の好タイムを出したカンペナールツ Photo: Yuzuru SUNADA

 いよいよ各チームの最終走者がスタートする。164番スタートのヨーロッパTTチャンピオン、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)が好走を見せてクウィアトコウスキーのタイムに迫るが、ほぼ同タイムもコンマ差で及ばず暫定2位となる。

 そして最後から4番目、この日の優勝候補最有力の呼び声が高い、TTスペシャリストのデニスもスタートを切った。序盤からクウィアトコウスキーを上回るペースで走ると、中間計測でまず5秒タイムを更新。勢いは後半も衰えず、トップタイムを6秒更新する、9分40秒でゴールした。このタイムは最終走者のヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)まで破られることはなく、デニスが初日の区間優勝に輝いた。

今季の5勝は全て個人TT

 デニスは今季5勝目。1月のオーストラリアTT選手権を皮切りに、今年の優勝は全て個人タイムトライアルという、まさにスペシャリストの走りだ。そして2015年のツール・ド・フランス、今年のジロ・デ・イタリアに続き、グランツール3大会全てで個人TT勝利するという快挙も達成した。

39秒差とやや出遅れたアル Photo: Yuzuru SUNADA
ニバリはデニスから40秒差と伸びなかった Photo: Yuzuru SUNADA

 総合争いの有力勢と目されるクライマーたちは、多くがデニスから20秒から30秒のタイム差でゴールした。だが注目選手ではティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)とヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)がデニスから40秒差、リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)が45秒差、リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム)が51秒差と、やや遅れが目立つタイムとなった。

 翌第2ステージはマルベリャからカミニート・デル・レイに至る163.5kmで行われる。平坦ステージに分類されるが、スタート直後に2級山岳が登場し、後半もゴール直前まで3級山岳を計3つ上るなど、ロードレース初日から一筋縄ではいかない設定だ。

情熱の国の深紅のリーダージャージ「マイヨロホ」に、今大会最初に袖を通したデニス Photo: Yuzuru SUNADA

第1ステージ結果
1 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 9分39秒
2 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) +6秒
3 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル) +7秒
4 ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター チーム) +17秒
5 ディラン・ファンバーレ(オランダ、チーム スカイ) +20秒
6 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシングチーム) +21秒
7 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チーム スカイ)
8 シモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム サンウェブ)
9 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +22秒
10 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ)
16 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +24秒
28 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +29秒
30 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
34 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +30秒
35 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)
41 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +34秒
44 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +35秒
57 ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチーム・エミレーツ) +38秒
58 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
59 ファビオ・アル(イタリア、UAEチーム・エミレーツ) +39秒
63 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +40秒
64 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
65 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
71 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNL・ユンボ) +42秒
80 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) +45秒
97 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +51秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 9分39秒
2 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) +6秒
3 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル) +7秒
4 ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター チーム) +17秒
5 ディラン・ファンバーレ(オランダ、チーム スカイ) +20秒
6 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシングチーム) +21秒
7 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チーム スカイ)
8 シモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム サンウェブ)
9 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +22秒
10 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ)

ポイント賞(プントス)
1 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 25 pts
2 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 20 pts
3 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル) 16 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター チーム) 0 pts

複合賞(コンビナダ)
1 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 2 pts
2 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 4 pts
3 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル) 6pts

チーム総合
1 BMCレーシングチーム 29分40秒
2 チーム スカイ +4秒
3 モビスター チーム +21秒

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