ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 コースプレビュー<第1週>情熱の国をめぐる総距離3254.7kmの旅 アンダルシアの太陽とともに進む大会前半戦

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 スペインを舞台に戦いが繰り広げられるシーズン最後のグランツール、ブエルタ・ア・エスパーニャ。今年の開幕地は、同国南部の港湾都市・マラガ。大会の第1週は、地中海からの風とアンダルシア州特有のギラギラした日差しを受けながら進行していく。

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 ルートマップ ©︎ASO

 ここでは、幕開けから9ステージのコースを紹介。大会総距離3254.7kmに及ぶスペインの旅は、最初の9日間をきっかけに、勝負どころへと向かっていくこととなる。

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 ルート概要

会期 8月25日~9月16日
総距離 3254.7km
平坦ステージ 6
平坦上りフィニッシュステージ 2
中級山岳ステージ 6
上級山岳ステージ 5
個人タイムトライアルステージ 2(合計40.7km)
山岳ポイント 46
休息日 2(9月3日、10日)

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第1週コースプレビュー

●8月25日 第1ステージ マラガ~マラガ 8km個人タイムトライアル

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第1ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 個人タイムトライアルでの開幕は9年ぶり。スタートした選手たちはマラガ港の突端を折り返したのち、マラガ市街地を走行。ヒブラロファロ城がそびえる丘を囲むようにして進み、ショッピング街であるマルケス・デ・ラリオス通りに設けられるフィニッシュへと飛び込む。中間地点から約2kmほどの上りが控えるが、そう大差は生まれないはず。フィニッシュタイム予想は9分前後。このステージを制した選手が、大会のリーダージャージ「マイヨロホ」最初の着用者となる。

●8月26日 第2ステージ マルベリャ~カミニート・デル・レイ 163.5km 平坦上りフィニッシュ

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第2ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 ブエルタならではの特殊ステージ「平坦上りフィニッシュ」が早速大会2日目に登場。スタート直後に2級山岳を上るなど、全体的には平坦基調を謳いながらもハードなコースセッティングになっている。フィニッシュ地カミニート・デル・レイを目指す3級山岳アルト・デ・グアダロルセは、平均勾配2.8%ながら登坂距離が7.1km。ダラダラと上りが続くイメージだ。登坂力のあるスプリンターやパンチャーが対応できれば、勝利に近づくこととなりそうだ。ちなみに、カミニート・デル・レイは3年前の第2ステージでも登場。今回とはフィニッシュ地点が異なるものの、エステバン・チャベス(コロンビア、現ミッチェルトン・スコット)が勝利している。

●8月27日 第3ステージ ミハス~アラウリン・デ・ラ・トレ 178.2km 中級山岳

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第3ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 この日最初のカテゴリー山岳、プエルト・デル・マドローニョは登坂距離20.1kmの1級山岳。序盤からのアタック合戦が続くようだと、ハイスピードの登坂となってスプリンターには厳しい展開となる。ここで遅れた選手たちは、その後の下りでメイン集団への合流はできるだろうか。上手く立ち回ったスプリンターが勝負に絡むのか、はたまた人数が絞られた集団がフィニッシュへと急ぐのか。中盤以降に大きな上りがないあたりは、レース展開のポイントとなりそうだ。

●8月28日 第4ステージ ベレス・マラガ~アルファカル.シエラ・デ・ラ・アルファグアラ 161.4km 中級山岳

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第4ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 山岳ステージにおける頂上フィニッシュとしては、このステージが最初となる。主催者による分類では中級山岳だが、その難易度は上級山岳ステージにも匹敵するレベル。レース中盤へと続く1級山岳のアルト・デ・ラ・カブラ・モンテスは、登坂距離15.7kmの中に一部下る個所があるものの、頂上まで変化は少なめ。かたや、最後の上りである1級のシエラ・デ・ラ・アルファグアラは、中腹で最大勾配11%を迎える。フィニッシュ手前12.4kmから登坂が始まる、平均勾配5.4%の山でマイヨロホ争いが動き出す可能性は高い。

●8月29日 第5ステージ グラナダ~ロケタス・デ・マル 188.7km 中級山岳

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第5ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 世界遺産の街・グラナダを出発して、しばらくは内陸の丘陵地帯を走行。細かなアップダウンの連続となる。この日のレースの方向性を決めるのは、2級山岳アルト・エル・マルチャル。フィニッシュ前約26kmで頂上を迎えると、あとはロケタス・デ・マルまで一気のダウンヒル。スプリンターを擁するチームは、スタートからレースをコントロールして勝負できる態勢を整えたいところ。主催者予想では70~80人が一団となってフィニッシュへとやってくると見ている。その通りになれば、最後の1kmで迎える2カ所の鋭角コーナーの入り方が勝負を分けるかもしれない。

●8月30日 第6ステージ ウエルカル・オベラ~サン・ハビエル.メル・メノル 155.7km 平坦

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第6ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 今大会初めてとなる純・平坦ステージ。アンダルシア州に別れを告げて、アルボラン海を見ながら北上するルートは、途中2カ所の3級山岳が待つものの、スプリンターにとっても問題なくクリアできるだろう。ほどほどのレース距離も、プロトンをリラックスさせる要素となりそうだ。注意しておきたいのは、海からの風や高い気温、思いがけず発生するクラッシュやトラブルだ。この日の主役候補は、もちろんスプリンターだ。

●8月31日 第7ステージ プエルト・ルンブレラス~ポソ・アルコン 185.7km 平坦

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第7ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 前日と同じく平坦ステージではあるものの、その難易度ははるかに高い。メイン集団に残るのは100人に満たないとの主催者予想だ。ポイントとなるのが、フィニッシュ手前12.7kmで頂上を迎える3級山岳アルト・デ・セアル。ここでプロトンがスピードアップし、人数の絞り込みが図られることだろう。その後もフィニッシュに向かって上り基調。スプリンターが苦戦するようだと、思わぬ伏兵がステージ優勝をさらっていくことも考えられる。

●9月1日 第8ステージ リナレス~アルマデン 195.1km 平坦

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第8ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 内陸部を北上する1日は、前日よりもレース距離が長いことも関係して、序盤から逃げ狙いのアタック合戦が起こるかもしれない。スプリントを狙うチームは集団コントロールを担うことになる。強い風が吹くと、それを利用した動きが発生することが予想されるが、セオリー通りの展開となれば上り基調の終盤もスプリンターには問題ないだろう。ただ、最終局面がテクニカル。残り1kmを切った後から2カ所のシケインが勝負に関係しそう。好位置でコーナーを抜けないと、ステージ優勝争いはもとより、総合系ライダーでもタイム差が発生する可能性があるからだ。

●9月2日 第9ステージ タラベラ・デ・ラ・レイナ~ラ・コヴァティリャ 200.8km 上級山岳

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第9ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 今大会最初の上級山岳ステージとなる。前日のフィニッシュ地点から北に約200kmの街、タラベラ・デ・ラ・レイナをスタートして、37km地点から最初の本格登坂を開始。1級山岳プエルト・デル・ピコ(登坂距離15.3km、平均勾配5.5%)が、まずは選手たちの力を見極める。頂上手前が15%の激坂だ。立て続けに訪れるカテゴリー山岳を中盤までにこなすと、しばらくは静かにレースが進みそう。そして、この日のメインイベントとなるのが、大会最初の超級山岳アルト・デ・ラ・コバティリャ。9.8kmの上りは平均勾配7.1%。上り始めと中腹に最大勾配12%区間が表れ、その後も10%前後の難所が連続。つづら折りも選手たちの集中力を試す。フィニッシュまで2kmを切ったところで訪れる11%の勾配がアタックポイントか。このステージの結果が、マイヨロホ争いの形勢を明確にすることだろう。先々を見通して、有利な状況に持ち込みたいクライマーは仕掛けるはずだ。

 9月3日は大会最初の休息日。翌4日に行われる第10ステージのスタート地・サラマンカで過ごすこととなる。

ボーナスタイムと各種ポイント配分

 勝負のカギを握るボーナスタイムや各種ポイントの配分を整理しておこう。

フィニッシュと中間スプリントで付与されるポイントはステージのカテゴリー問わず同じ配点となる。2017年大会はクリストファー・フルームが個人総合と合わせてポイント賞を受賞した =2017年9月10日 Photo: Yuzuru SUNADA

 まず、各ステージ1カ所ずつ設けられる中間スプリントポイントでは、上位3選手に4点、2点、1点がそれぞれ付与される。ボーナスタイムは1位通過から3秒、2秒、1秒。

 またフィニッシュでは、1位25点、2位20点、3位16点、4位14点、5位12点、6位10点…15位1点と続く。ボーナスタイムは上位3選手に与えられ、1位から順に10秒、6秒、4秒。これらは平坦、中級山岳、上級山岳問わず同配分となる。

 山岳ポイントはカテゴリーによって異なり、第15ステージの頂上フィニッシュであるラゴス・デ・コバドンガは「チーマ・アルベルト・フェルナンデス」(アルベルト・フェルナンデス賞)として、上位6選手にポイント付与。1位から20点、15点、10点、6点、4点、2点。

 第9ステージのアルト・デ・ラ・コヴァティリャ、第20ステージのコール・デ・ラ・ガリーナ、2つの超級山岳フィニッシュは上位5選手に1位から15点、10点、6点、4点、2点。

 その他の設定は、1級山岳は上位5選手に1位通過から10点、6点、4点、2点、1点。2級山岳は上位3選手に1位から5点、3点、1点。3級山岳は上位3選手に1位から3点、2点、1点となる。

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