頭の先からつま先までカバー機能性ウェアで好リザルトを獲得 ロットNL・ユンボの走りを支えたシマノプロダクト

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 フランス国内を3週間、21ステージにわたって開催されたツール・ド・フランス。日本のシマノ製コンポーネントは出場22チーム中、16チームに支持され勝利を量産した。シマノがチームをサポートするのはバイクに装着するパーツだけではない。有力選手らが身に着けたウェアや、シューズ、ヘルメットなどの走りに欠かせないウェアやアクセサリーをCyclist編集部が取材した。

“頭の先からつま先まで”シマノ製品に身を包み、ツール個人総合5位になったステフェン・クライスヴァイク(オランダ) Photo: Shusaku MATSUO

厳しい環境に打ち勝つエスファイア

 全3351kmで争われた今年のツール。総合優勝者のタイムは83時間を超えた。選手は同じ時間バイクを駆りレースに挑むわけだが、同時にウェアに身を包んでさまざまな状況に対応する必要がある。気温は30℃をゆうに超え、ヨーロッパ特有の強い日差しにさらされるステージもあれば、気温が下がった雨中の峠道を走る可能性もある。厳しい環境を走る選手たちからはハイレベルの要求が集まるが、シマノがサポートする「エスファイア」はUCIワールドチームのロットNL・ユンボでは好評だった。

体にフィットする「エスファイア」は超高速のスプリントで確実なアドバンテージに。ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)は平坦ステージで2連勝を飾った Photo : Yuzuru SUNADA

 ロットNL・ユンボは今年、スプリンターのディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)が平坦ステージを2連勝、またプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)が、アスパン峠や超級山岳オービスク峠を先頭集団でクリアし、下りを果敢に攻めた第19ステージを独走で勝利した。個人総合成績も4位にログリッチェ、5位にステフェン・クライスヴァイク(オランダ)が入り、チーム全体で活躍した。

「エスファイア」のチームジャージに身を包んで走るロットNL・ユンボ Photo : Yuzuru SUNADA

 チームの広報担当は好成績をあげられた理由をこう語った。「選手がコンディションを整えてレースに挑んだ結果です。機材トラブルが少ないことももちろんですが、ぴったりフィットし、通気性にも優れたエスファイアのウェアが選手をサポートしたからでしょう。優れたウェアを着用するメリットは必ずあります」。

高いフィット性と優れた通気性が目に見えてわかる Photo: Shusaku MATSUO
コンマ1秒を争うタイムトライアルで活躍したエスファイアのTTスーツとレイザーのTTヘルメット「WASP」 Photo: Shusaku MATSUO
ボディラインに沿って空気抵抗を限りなく低くするスキンスーツ Photo: Shusaku MATSUO

 空気抵抗の削減を目標に開発されたエスファイアが、高速スプリントやダウンヒルで勝利を支えたのは間違いない。加えて着心地の良さも魅力だという。アムントグレンダール・ヤンセン(ノルウェー)は「体に沿ってフィットするのでバタつきが気になったことはありません。メリットはそれだけでなく、柔らかい素材も我々が気に入っている理由の一つ。1日200km近く走行するので、素材の硬さで動きを邪魔されると疲れますからね」と話す。「暑い日が続いたけど、体温を上昇させない通気性の高さも評価しているよ」と付け加えた。

エスファイアの機能性を評価したアムントグレンダール・ヤンセン(ノルウェー) Photo: Shusaku MATSUO
最高峰の舞台で培ったテクノロジーを用いた「エスファイア」シリーズ ©SHIMANO

 エスファイアは18年のオータム/ウィンターモデルで新たにウィンドベスト、アームウォーマーとレッグウォーマーがラインナップに加わる。ライドの走り始めや、峠の下りなど、さまざまなシチュエーションで重宝するウィンドベストは防風・はっ水素材を使用しており、雨天時にも効果を発揮する。背部はスルーポケットとなっており、ジャージのポケットへダイレクトにアクセスが可能だ。

 レッグウォーマーはペダリング時、激しい動きでズレやすい個所に幅広のシリコングリッパーを採用。アームウォーマーとともに伸縮性に優れ、ソフトなフィット感を得られる素材を使用した。リフレクターも備えられ、夜間のライドも安心の設計となっている。

ストレッチ機能を備えた防風・はっ水素材を採用したエスファイア「ウィンドベスト」 ©SHIMANO
伸縮性とソフトなフィット感が特徴のエスファイア「アームウォーマー」と「レッグウォーマー」 ©SHIMANO

エスファイア「ウィンドベスト」
税抜価格:9800円
EUサイズ:S、M、L、XL

エスファイア「アームウォーマー」
税抜価格:6000円
サイズ:S、M、L

エスファイア「レッグウォーマー」
税抜価格:7000円
サイズ:S、M、L

シューズは新型ハイエンドモデルを使用

 エスファイアはジャージだけのラインナップではない。シューズのハイエンドモデル「RC9」もその一つ。独立したBoaクロージャーシステムを2つ擁し、繊細な調整が可能。豊富なサイズ展開に加え、ワイドモデルも設定され、足幅の広いサイクリストからも支持されている。今大会ではロットNL・ユンボとグルパマ・エフデジの2チームの選手たちをはじめ、多くのライダーを足元から支えた。ヤンセンは「僕の足は幅が広くフィットするシューズが少ないけど、長距離のレースでもRC9は快適だった」とコメントした。

アッパーとかかと部をブラッシュアップした「RC9」 ©SHIMANO
ブラックが通常のカラーラインナップに追加 ©SHIMANO

 選手が使用していたRC9は今秋からリリースした新型だ。アッパーの素材はそのままに、ベンチレーションホールの最適化を果たした。小指の部分は穴を大きくすることでしなやかに、力がかかる個所の穴は小さくすることで剛性を向上。つま先部分のメッシュ素材を廃止し、空気抵抗を軽減するとともに形状保持力を強化した。

フラッグシップシューズ「RC9」はグルパマ・エフデジをはじめ多くの選手が愛用 Photo : Yuzuru SUNADA
2つのBoaクロージャーダイヤルと、フィット性に優れたアッパーが支持された「RC9」 Photo: Shusaku MATSUO

エスファイア「RC9」
税抜価格:42,000円
カラー:ブルー、ホワイト、ブラック
出荷時期:9月予定

アイウェア、ヘルメットも

 また、エスファイアは2タイプのアイウェアも用意。フレーム付きの「エスファイア X」を愛用していたアントワン・トルホーク(オランダ)はロードレースのみならず、個人タイムトライアル(TT)でもエアロヘルメットのバイザーを使わずにエスファイア Xを使用した。

「エスファイア X」はハーフリムデザインで、下部のリムは脱着可能 Photo: Shusaku MATSUO
アントワン・トルホーク(オランダ)は「エスファイア X」のアイウェアをチョイス Photo: Shusaku MATSUO

 「顔にフィットするし、風の巻き込みも少ない。良好な視界のままレースを終えることができたよ。フォトクロミックレンズ(調光レンズ)の性能もいい」と話す。一方のクライスヴァイクは偏向レンズをチョイスするステージが多かった。強烈な日差しでも路面状況が確認しやすいためだという。

山岳が得意なステフェン・クライスヴァイク(オランダ)は軽量なレイザー「Z1」を選択 Photo: Shusaku MATSUO

 シマノが選手に供給するのはアパレルだけにとどまらない。ベルギーの老舗ヘルメットメーカーであるLAZER(レイザー)が昨今シマノ傘下に入り、ロットNL・ユンボへと供給。選手たちの安全を確保した。主に使用されたのはフラッグシップモデルの「Z1」だ。エアインテークの面積を多く取り、頭部に優れた通気性と冷却効果をもたらしている。

通気性と軽量性を両立したフラッグシップモデル「Z1」 ©SHIMANO

 選手から好評なのが頭頂部のダイヤルで締め具合を調整する「アドバンスドロールシス」だ。樹脂バンドとワイヤーが一体となり頭部全体を包み込む機構で、一定の個所に負荷がかからないため、少ない力で確実に頭部にフィットする。重量はSサイズで190gと軽量で、山岳ステージでログリッチェやクライスヴァイクの活躍に貢献した。カラーはチームが使用するマットブラックイエローのほか、全6色で展開している。レイザーはラインナップにアジアンフィット(AF)モデルを積極的に投入しており、日本人の頭部にも合った製品をリリース。今後さらに注目を集めるブランドだ。

頭頂部に設けられたダイヤルでアジャストするアドバンスドロールシス Photo: Shusaku MATSUO
レイザー「Z1」は6色展開 ©SHIMANO

レイザー「Z1」
税抜価格:22,000円
重量:190g(Sサイズ)
カラー:マットブラックイエロー、ブルーブラック、マットブラック/レッド、マットブラック、ホワイト/シルバー/マットチタニウム
サイズ:S、M、L

 文字通り頭の先からつま先まで、選手のサポートに努めたシマノ。ロットNL・ユンボの好成績の裏に、選手のコンディションを支え、武器として機能したレーシングウェアの存在があったことは間違いない。シマノの製品はバイク用機材のコンポーネントのみならず、体に最も身近なウェアの進化からもいっそう目が離せない。

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