2019年展示会で最新モデルをチェック上りもスムーズなキャノンデールのエアロロード「システムシックス」実車を体感

by 石川海璃 / Kairi ISHIKAWA
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 アメリカのバイクブランドcannondale(キャノンデール)の2019年モデルの展示会が8月2日、山梨県富士吉田市のハイランドリゾートホテルで開催され、発表されたばかりの新エアロロード「SYSTEMSIX」(システムシックス)や、フルモデルチェンジしたXCレーシングバイク「F-Si」などがお披露目された。展示会では話題の「システムシックス」に試乗。”世界最速”と謳うエアロロードの性能を体験した。

会場には最新モデルをはじめ、多くの試乗車が用意された Photo: Kairi ISHIKAWA

多くの関係者が詰めかけた展示会

 展示会では多くの関係者が詰めかけ、最新モデルのバイクを渡された細部に渡ってチェックしていた。また、会場の至る所で既存のラインナップに変更はないかなど、意見交換会も行われていた。バイクのプレゼンテーションでは、渡された資料を手元に持ちながら、メーカー担当者の話に耳を傾けている様子も見受けられた。

山梨県富士吉田市のハイランドリゾートホテルで開催されたキャノンデール展示会 Photo: Kairi ISHIKAWA
MTBなど2019年モデルが多数展示された Photo: Kairi ISHIKAWA

先入観を覆すエアロロード

 キャノンデールは長年に渡って、「空力性能に優れたバイクに乗るメリットは、プロ選手が乗って初めて得られるもので、一般ライダーにはあまり意味をなさない」という姿勢を貫いてきた。しかし、そんな考えをあえて否定し、ラインナップしたのがシステムシックスだ。

 車体を構成するフレーム、フォーク、シートポスト、ステム、ハンドルバー、ホイールの6つの要素をそれぞれ考察。全てのパーツが一体となって、ライドパフォーマンスに影響する空気抵抗などを小さくするため、風洞実験と数値流体力学(CFD)解析を用い、3年半の歳月をかけて開発された。その結果、斜度6%以内であればあらゆるシーンで同社のオールラウンドモデル「SUPERSIX EVO」(スーパーシックスエボ)よりも速いバイクとなった。

 下りでは60km/hのスピードで下るのに必要なパワーは109W低減。1000Wで200mのスプリントをする際にはバイク約4台分の7.2mの差がつくという。

 エアロロードをラインナップに加えた背景には、ブランドの開発能力の向上はもちろん、想定される各種デメリットが、現在の技術で十分カバーできるようになったことや、多くのユーザーがキャノンデールのエアロロードを求められていたことが挙げられる。

2019年最新モデルの「SYSTEM SIX Hi-MOD Dura-Ace Di2」 Photo: Kairi ISHIKAWA

 今回の試乗したのは、ハイエンドモデル「システムシックスハイモッド Dura-Ace Di2」の47サイズだ。空気圧は5気圧に設定し、身長162cm、体重58kgのCyclist編集部員がインプレッションした。

専用設計のハンドル「KNØT SYSTEM BAR」8度のピッチ調節が可能 Photo: Kairi ISHIKAWA

 一般的にエアロロードは、高速巡航を得意とする一方で、全体的に太めなチューブ形状となり、オーソドックスな車体に比べ重量が増す。また、それによってフレームの縦剛性が高くなる傾向があり、各部の剛性バランスを保たなければ、脚の疲労を感じやすくなってしまうなど、メリットとデメリットを併せ持つ。

ハイエンドモデル「システムシックスハイモッド Dura-Ace Di2」の47サイズを、身長162cm、体重58kgのCyclist編集部員・石川海璃がインプレッション Photo: Kenta SAWANO

 走り始めてまず驚くのは、漕ぎ出しの軽さだ。フレーム重量は未塗装の56サイズで981gと特段軽い部類ではないが、64mmのディープリムホイールとの組み合わせと思えないスムーズさだった。漕ぎ出しからスピードに乗るまでは自然な加速で、従来のエアロロードにありがちなもたつきは感じなかった。自分の入力に対してバイクが遅れることなく素直に反応してくれる印象だ。また、フレーム自体は硬いものの、過度な剛性ではない。キャノンデールのテクニカルサービスマネージャー、秋吉健さんの「各部の剛性をスーパーシックスエボと同等にした」という説明通り、適度な剛性でオールラウンドモデルと同じ軽やかな走行感を体験することができた。

ワイヤー類はヘッド前部に内蔵される Photo: Kairi ISHIKAWA
フォークとヘッドが一体の形状 Photo: Kairi ISHIKAWA

 車体重量がデメリットに繋がる上りは、ある程度速度が出た状態であればスイスイと進んだ。一方で速度が落ちてからは、ディープリムホイールとタイヤの5barの空気圧が枷となり、ペダリングを邪魔している感覚は否めなかった。しかし、上りが多いコースで乗るのであれば、ホイールの交換や、空気圧をタイヤの適正に合わせるなど、工夫をすればもっと楽に上れるはずだ。

HEDのパテントを使用した「KNØT64ホイール」 Photo: Kairi ISHIKAWA

 特筆すべきはやはり、エアロ効果だ。平地は、スピードに乗ってしまえば軽いペダリングで速度を維持でき、一定のペースやパワーをコントロールして走行可能だ。下りでは、自分の上半身が空気抵抗となり進みを妨げているのが分かるほど、バイクが進むのが分かった。予想以上に速度が伸びた場合でも、ディスクブレーキを搭載しているので、安定した制動力とブレーキレバーの引きの軽さで簡単にスピードコントロールできる。コーナリングではその制動力に加え、12mmのスルーアクスルがねじれを抑えて自分が狙ったラインからぶれることなく、安全にトレースできた。

リムが横に膨らむ形状をしている Photo: Kairi ISHIKAWA
ブレーキがフォークの横に出ないフラットマウントを採用 Photo: Kairi ISHIKAWA

 システムシックスはエアロロードという位置付けになるが、メーカーの言葉通り斜度6%の上りまでなら十分に活躍できるだろう。エアロ性能の高さはもちろん、漕ぎ出しの軽さや上りでの走行性能は、自分の中にあったエアロロードに対する先入観を覆されるものだった。

■SYSTEMSIX Hi-MOD Dura-Ace Di2
税抜価格:1,050,000円
サイズ:47、51、54、56
カラー:BBQ

3つの新型がラインナップ

5月に発表された「F-Si Hi-MOD Carbon1」 Photo: Kairi ISHIKAWA

 2019年モデルの主なトピックは、ラインナップに3つの新型モデルが加わったことだ。インプレッションを行ったシステムシックス、マウンテンバイクのF-Si、そして展示会で初披露となったグラベルロードの「TOP STONE」(トップストーン)が登場し、バリエーションが豊富になった。

■F-Si Hi-MOD Carbon1
税抜価格:750,000円
サイズ:SM、MD、LG
カラー:BLK

拡張性が充実したトップストーン

 グラベルロードのトップストーンはアメリカでのグラベルブームを受けて急遽ラインナップしたモデル。グラベルでの安定性を高めるため、トップチューブを長めにとり、40Cのブロックタイヤを装備している。

展示会で新たに発表されたグラベルロード「TOP STONE Apex1」 Photo: Kairi ISHIKAWA

 車体はバイクパッキングの際、フロントバッグを取り付けやすいようにワイヤリングを考慮。また、下ハンドルのドロップ部分がハの字に広がるフレアハンドルを採用し、ハンドルにバッグを付けた場合でもしっかりとハンドルを握れるようになっている。さらに、フレーム各部にはダボ穴が設けられ、拡張性も考慮。最上位のスラムApex搭載モデルではハンドルでシートポストの高さが調整できるドロッパーポストを標準装備した。

■TOP STONE
税抜価格:220,000円
サイズ:XS、SM、MD、LG、XL
カラー:ELB

既存モデルのフォークがフルカーボンに

 既存モデルでは、クロスバイクの「QUICK4」(クイック4)、エントリーアルミモデルの「CAAD OPTIMO」(キャドオプティモ)全モデル、「SYNAPSE Disc 105 SE」(シナプスディスク105 SE)、シクロクロスのCAAD X(キャドX)のフォークがフルカーボンにアップデート。ブランドロゴを主張しない「スペシャルエディション」(SE)モデルは3種から10種に拡大した。

ロゴが目立たない「Special Edition」。太いタイヤとワイドギアを装備している Photo: Kairi ISHIKAWA

■SYNAPSE Carbon Disc Ultegra SE
税抜価格:370,000円
サイズ:44、48、51、54、56、58
カラー:DTE

 また、専用WEBサイトを用いて注文するオーダーシステム「カスタムラボ」は、選択できるグラフィックとカラーリングが増えてリニューアルした。今年は6色追加され、全44カラーで展開となる。カラフルなCAAD12のフレームセットをそろえる「CAAD12 COLORS」は今年も継続が決定。付属パーツのグレードを落とすことで、前年よりも価格を抑えた。さらに、フレームとフォークのデザインはユーザーの要望を反映し、塗装を同色に変更。22パターンから好みのものが選択できる。

鮮やかなカラーがラインナップする「CAAD12 COLORS」 Photo: Kairi ISHIKAWA
ガーミンエッジに装着できる小型ライト「LUMARAY」 Photo: Kairi ISHIKAWA

 パーツブランドの「Fabric」(ファブリック)からは、ブランドロゴが目立たないシンプルなサドルバッグ「CONTAIN SADDLE BAG」(コンテインサドルバッグ)シリーズが登場。またエントリーユーザー向けのサドル「SCOOP SPORTS」(スクープスポーツ)では、座面形状が異なるフラット、シャロー、ラインの3つがラインナップされた。ガーミンエッジシリーズのサイクルコンピューターに取り付ける小型ライト「LUMARAY」(ルーマレイ)など、アイデア豊かな製品がそろっている。

■CONTAIN SADDLE BAG
税抜価格:2,800円(S)、3,300円(M)、3,800円(L)
サイズ:S、M、L
カラー:Black

■LUMARAY
税抜価格:3,500円
カラー:Black

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