新感覚の宝探しサイクリングイベント走って稼ぐ?食べて獲得?作戦が左右するポイント争い 注目の「ライドハンターズ」を本気で体験

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 地図上で指定されたスポットを巡り、制限時間内に獲得した総合得点を競うゲーム感覚のサイクリングイベント「ライドハンターズinかすみがうら」が10月13日(土)、茨城県かすみがうら市で開催される。「健脚サイクリストが勝っちゃうんでしょ?」と侮るなかれ。スポット巡り以外にもご当地グルメを堪能すること等で獲得できる「ミッションポイント」があったりと、走力だけでは勝ちにくいコンテンツになっている。勝つために「走る」のか「食べる」のか? 本番に先駆けて開催された体験イベントに、筑波大学サイクリング部の学生を含む4チームが挑戦した。

エリア探索サイクリング「ライドハンターズかすみがうら」のプレイベントに挑戦中の濵上立季さん(左)と土屋智紀さん。スポット撮影でポイント獲得中 Photo: Kyoko GOTO

走力だけでは勝てないゲーム

イベント当日明らかにされるスポットと、スポットの場所を示したマップ。マップは地図アプリで、スマホに取り込むことができる Photo: Kyoko GOTO

 「ロゲイニング」や「オリエンテーリング」といえばイメージしやすい人もいるだろうか。地図とコンパスを用いて設置されたポイントをスタートから指定された順序で通過し、フィニッシュまでの所要時間を競う野外ゲームだ。「ライドハンターズ」もそういった類のゲームだが、所要時間を競うのではなく、「ハンティングMAP」に示された「スポット」を制限時間内(かすみがうらの場合4時間)に自転車でできるだけ多く巡り、獲得した総合得点を競う。

スポット撮影やミッションをクリアした画像をLINEで事務局に送ることで各チーム毎にポイントが積算されていく Photo: Kyoko GOTO

 「得点」はスポットまでの距離や勾配など難易度に応じて配点が異なる(5~35点)。また、そのスポットの中には「ミッション」が与えられた場所があり、飲食店の場合、名物の商品を購入したり食べたりすることでさらに高得点を狙うことができる。つまり短時間でいかに効率よくポイントを稼げるか、が勝負の鍵となる。配点次第では、スポット得点を稼ぐ健脚サイクリストよりもミッション狙いのビギナーが勝つ可能性もあり、子供から大人まですべての人がポイント争いを楽しむことができる。それだけに、出発前の作戦の立て方が重要となる。

健脚をもちながら地元のスイーツにも詳しい筑波大生。スポットとミッションの両立なるか? Photo: Kyoko GOTO
スポットを巡りたい男性と、グルメミッションでポイントを獲得したい女性とで早くも作戦が難航する混合ーム Photo: Kyoko GOTO

 プレイベントで競ったのは計4チーム。筑波大学サイクリング部の学生4人が二手に分かれた2チームと、男女混合チーム「愉快な3人組」、ソロ参戦の健脚サイクリスト・武内直人さんだ。筑波大生は同じサイクリング部ながら「脚で稼ぐ!」と意気込む肉食系Aチーム(以下、筑波A)と「美味しいものが食べたい♪」という草食系Bチーム(以下、筑波B)に作戦が真っ二つに割れた。

地元、筑波大学自転車部の皆さん(写真左から今井大翔さん、桧山諒さん、濵上立季さん、主将の土屋智紀さん)。A(写真右)・B(左)の2チームに分かれ、早くも火花を散らす Photo: Kyoko GOTO

 かたや3人組は、スポット得点を狙いたい男性の意見が説き伏せられ、ミッション(グルメ)狙いに。そしてソロの武内さんはスポットが密集している道を走り、ひたすら脚で得点を狙う作戦に出た。

ソロ参加の武内直人さん。健脚を生かしたスポットめぐりで「1000点狙います!」 Photo: Kyoko GOTO
男女混合チームの「愉快な3人組」(写真左から飯田速人さん、初雁晶子さん、川上弥生さん)。最終的に決めた目標は「いっぱい食べます!」とミッション狙い Photo: Kyoko GOTO

脚で稼ぐvs食べて獲得

 午前11時にスタート。ゴール制限時刻は午後2時だが、30分前に画像送信を締め切るため、実質2時間半の戦いとなる(本番のイベントでは3時間半)。各チーム、出発地点の「かすみがうら市交流センター」でスポット撮影(5点)をし、筑波Bと愉快な3人組は「かすみマルシェ」で商品を購入し、ミッションポイント(10点)の獲得を狙う。その間に筑波Aと武内さんは次のスポットへと駒を進める。

スタート直後、かすみがうら市交流センター前で撮影し、さらにセンター内の「かすみマルシェ」で商品を購入する「愉快な3人組」 Photo: Kyoko GOTO
商品と一緒に撮影した画像をゼッケン番号とともにLINEで送れば10点の早速ミッションポイントゲット! Photo: Hiroto IMAI
皆が食べてる間に筑波大Aチームはスポットを巡る作戦に。吉と出るか? Photo: Kyoko GOTO
ソロの武内さん。写真を撮る姿はやや寂しいが、サクサク進める効率の良さは強みだ Photo: Kyoko GOTO

 とにかく近くにあるスポットをしらみつぶしに巡ろうと、行く先々に現れるスポットに立ち寄る筑波Aの2人。地図をもとに指定されたポイントを見つける楽しさはまるで宝探しのようなワクワク感。「こんな場所あったんだ」という驚きも、ライドハンターズならではの発見だ。しかし、近距離ばかり巡っていては配点は低い。遠くへ脚を伸ばして一挙に高得点を狙うか、“ちりつも”作戦が奏功するのか、この時点では答えはわからない。

配布されたスポット一覧と同じ画角で撮影することが条件 Photo: Kyoko GOTO
立ち寄りスポットである「貝塚忠三郎商店」でお店自慢の佃煮を買ってミッションポイントゲット Photo: Kyoko GOTO
おすすめの「くるみ小女子」を一口頬張る主将、土屋くん。戦いを忘れてしばし堪能 Photo: Kyoko GOTO

 さらに途中のスポットで思いがけず子猫が登場。これは事務局の差し金なのか? 「かわいい~」と足止めを食らう筑波Bと3人組に対し、またもやこの隙に駒を進めようとする貪欲な筑波A。ソロの武内さんはだいぶ先へ行ってしまった。勝利への執着は次第に強まっていく。

スポットの歩崎森林公園で突如現れた子猫に心奪われる一同。これは足止めのトラップなのか? Photo: Kyoko GOTO
他チームが足を止めている隙に先を急ぐ筑波大Aチーム Photo: Kyoko GOTO

まさかの「ボーナスミッション」で混迷する争い

突然、LINEの画面に現れた「ボーナスミッション」。なんと50点!! Photo: Kyoko GOTO

 突如、ここで各チームに「ボーナスミッション」が告げられた。ボーナスミッションとは、あらかじめ定められていないミッションで、それをクリアできれば一気に50点加算されるというもの。実行場所が限定されており、それに対応できる場所にいるかどうかが前提となるため、得点をゲットできるかどうかは“運”次第ともいえる。

 ボーナスミッションの場所を確認し、「ここから遠いよ~」と早々にあきらめた筑波A。50点を逃すのは痛いが、現状ではさほど気にせず、身近なスポットで着々と得点を稼いでいく。

 そして計画していたランチスポットに立ち寄り、ミッションである石釜ピザをオーダーした筑波A。スポット得点は5点だが、ミッションは20点稼げる。「うちらけっこう上位なんじゃないの~」と余裕を見せるものの、その表情は送られてきた「中間成績」を見て豹変。なんと、3人組がボーナス得点をゲットし、トップに躍り出ていた。子猫に優しくした3人組に幸運の女神は微笑んだのだろうか?

正午に告げられた中間発表。ボーナスミッションの50点は大きい! ©ルーツ・スポーツ・ジャパン

 「50点は大きいよ~(泣)」と半べそになりつつ、迫りくる制限時間を気にしながらピザを頬張る筑波Aの2人。ランチを終えた時点ですでに12時半。残り1時間で可能な限り回ろうと、付近のスポット密集地へ向かった。

正午、ランチ中に送られてきた中間発表に衝撃を受ける筑波大Aチーム Photo: Kyoko GOTO
途中で合流した筑波大A・Bチーム。3位と4位で罵り合う Photo: Kyoko GOTO

 道の駅「たまつくり」では10点のご当地バーガーを食べてミッションをクリアしたいところだが、商品が出てくるのを待つ気持ちの余裕もない。少し前まで軽視していた「ボーナスミッション」の登場も今度ばかりは気になる。「ボーナス指令出ないかな~」とつぶやきつつ次のスポットへと漕ぎ進む。

食べるとミッションクリアで10点加算だがもう足を止めることはできない。ここは我慢して次なるスポットへ… Photo: Kyoko GOTO
制限時間内でより効率良くポイントを獲得できるスポットを探すAチームの2人 Photo: Kyoko GOTO

新たな発見「こんな場所知らなかった」

霞ヶ浦サイクリングロードを走る筑波大Aチーム Photo: Kyoko GOTO

 中間成績の結果を見て火が付いた筑波Aの2人から、「ソロの武内さんいいな~」「自由だからサクサク行けるよね」と他チームをうらやむような発言が漏れ始めた。いつの間にか、仲間割れしそうなぐらいの本気度に引き込まれていた。

 最後に目指すスポットは富士塚古墳公園。ここまでクリアしてきたスポットは16カ所。1つでも順位を上げたい気持ちでペダルを回す。

目的地に向けて突如現れた坂。「制限時間まであと5分!!」と必死にペダルを回す Photo: Kyoko GOTO

 しかし、2人の前に坂が立ちはだかった。「ここに来て坂なの~?!」と泣きが入る自称ダウンヒラーの土屋くんを、「あと3分!」とオールラウンダーの濵上くんが引き上げる。仲間割れの危機は回避。力を合わせて自分たちのゴールを目指す。

 公園に着いた瞬間、自転車の倒す方向も気にしていられずスポット撮影場所へ走る2人。古墳をバックに渾身のラストショットを撮影し、画像を送り終えたところで制限時間となった。

 戦い終えた2人は古墳に駆け上がった。霞ヶ浦を一望できる高台。「こんなところあったんだ」と初めて目にする眺望にしばし見入っていた。

最後のスポット、富士塚古墳公園に到着。自転車の置き方も気にしていられないほど夢中で撮影場所へ Photo: Kyoko GOTO
残り1分、古墳を背に渾身のスポット撮影 Photo: Kyoko GOTO
古墳の上に登り、「かすみがうらにこんなところがあったんだ」としばし景色を眺める2人 Photo: Kyoko GOTO

ユニークな画像の評価も

 午後2時までの残り30分で出発地点に戻るのもルール。制限時間を超えたら、全ての得点が失効するので気が抜けない。そして結果発表。優勝者はソロの武内さん。当初の作戦通り驚異のスポット得点を叩き出し、ボーナス点を獲得した3人組を大幅に上回って勝利を収めた。一方、筑波Aは2位の3人組に35点差まで迫ったが、ボーナスの差を覆すことはできず、無念の3位に終わった。

優勝はソロの武内直人さん。スポット巡りでなんと365点を獲得! ©ルーツ・スポーツ・ジャパン

 優勝した武内さんは「どれだけ回れるか挑戦するのも良いけど、複数人で参加した方が楽しいんじゃないかな」と感想を一言。筑波Aはソロの武内さんをうらやんでいたが、参加のスタイルは一長一短のようだ。

優勝を喜ぶ武内さん Photo: Kyoko GOTO
3、4位という結果にはにかむ筑波大チーム Photo: Kyoko GOTO

 しかし、勝者は獲得したポイントだけにとどまらないのがライドハンターズの魅力だ。送られた画像の中から、撮影に趣向を凝らした「ベストアイデア賞」、食材を魅力的に写した「グルメ賞」、愛車への思いが感じられる「ベストバイク賞」、地元の人と触れ合いが微笑ましい「地域友好賞」など、ユニークさを評価した賞が贈られる。さらに各賞には優勝と同等、もしくはそれ以上の賞品が贈られるというのだから、写真に自信がある人はそれだけでも強みだ。

グルメ賞 Photo: Yayoi KAWAKAMI
ベストアイデア賞 Photo: Yayoi KAWAKAMI
ベストバイク賞 Photo: Ritsuki HAMAGAMI
ソロながら“置き自撮り”を試みた武内さん。ここでかなりの時間を費やしたそう Photo: Naoto TAKEUCHI
指が入ってもおかまいなし!の楽しさが伝わってくる筑波大Bチーム Photo: Hiroto IMAI
話しかけてきてくれた地元のおじさんと。見事「地域友好賞」を獲得 Photo: Kyoko GOTO

 走る、食べる、撮る──勝ち方、作戦の立て方は自分次第。本気のソロか、はたまた仲間と参加するか、楽しみ方も自分次第。地域の新たな魅力をゲーム感覚で発見するサイクリングイベント「ライドハンターズ in かすみがうら」に、あなたも参戦してみてはいかがだろう。

 なお、9月29日(土)に神奈川県足柄上郡で開催される「ライドハンターズ in 開成」も現在エントリーを受け付けている。

発着地点となった「かすみがうら市交流センター」前で Photo: Kyoko GOTO

ライドハンターズ in かすみがうら(ツールドニッポン2018 13thステージかすみがうら)

■開催日:2018年10月13日(土)
■会場:歩崎公園
■定員:50組(約100人)
■参加形態:ソロ~5人組まで
 ※小学生のみでのエントリーは不可(要保護者同伴)
 ※6人以上で参加を希望する場合は事務局まで要連絡
■参加料:1人3,000円
■表彰:獲得ポイント1~6位、各種フォト賞等
■スタート時間:10:00~(予定)
■主催:かすみがうら市
■申込期間:6月13日(水)~9月18日(火)

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