Cyclist編集部・松尾記者の現地リポート<2>選手と触れ合えるスタート地点、ガチ勢は山岳で待機 さまざまな観戦スタイルをレポート

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 路上での観戦者数は21ステージ累計で約1500万人とも言われているツール・ド・フランス。特に勝負が動くであろう山岳ステージでは、列が途切れないほど多くの人々が選手が通り過ぎるのを今か今かと待ち構えています。熱狂的なファンの彼らに話を聞いてみました。

3賞ジャージのカラーで応援! Photo: Shusaku MATSUO

賑やかな方角にはいつもコロンビア

 どのステージでも、スタート地点では多くの家族連れが見られます。イベントも開催しており、ひときわ賑やかな場所なので、家族を連れて訪れやすいのでしょう。彼らはお目当ての選手になるべく近い柵で、選手がバスから降りてくるのを待ち、サインをもらいます。セキュリティが厳しく、自由に選手に近づくことができないツールでは、この位置が鉄板です。話しかけたり、応援したり、スマホでセルフィーをしたりと思い思いに楽しんでる姿がありました。

スタート地点で最も賑やかなコロンビア応援団 Photo: Shusaku MATSUO
憧れの選手とセルフィーが撮れる近さもロードレースの魅力 Photo: Shusaku MATSUO

 スタート地点で最も賑やかな方角を向くと必ずいるのがコロンビア応援団。国旗のカラーをモチーフとしたド派手な衣装に身を包み、軽快な音楽と歌で選手を応援しています。彼らのヒーローであるナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が姿を現すと興奮は最高潮。第17ステージでの勝利をきっかけに、ますますボルテージは上がるでしょう。

路上ペイントで選手の名を描いて応援 Photo: Shusaku MATSUO
選手が来るまではレキップ紙を読んで待機 Photo: Shusaku MATSUO

 一方で、路上に入るとがらりと観客の雰囲気が変わります。いわゆる“ガチ勢”と表現すればいいのでしょうか。彼らは選手が通り過ぎる何時間も前から場所を確保。キャンピングカーでコースに乗り付ける人々もいます。

バスクから訪れた3人の少年たち Photo: Shusaku MATSUO
勝負どころの上り口では、一面を埋め尽くすキャンピングカーが並ぶ Photo: Shusaku MATSUO

 「写真撮って!」と声をかけてきた3人の少年が掲げるのはバスクの国旗。ここは第16ステージに登場するポルテ・ダスペ峠で、スペインとの国境にほど近い山中でした。3人は家族と共にスペイン・サンセバスチャンから自転車を持ってキャンピングカーで訪れていました。「3人ともレースにもよく参加していて、この峠も観戦前にトレーニングで走ってきたんだ」と得意げに話します。「誰が勝つと思う?僕はフルームが逆転すると思うね。でも、バスク出身のランダも応援してるよ!」と郷土愛も欠かしません。一行はこの日から、地元バスクで開催される第20ステージまで帯同するそうです。

沿道を埋め尽くす人やキャンピングカー Photo: Shusaku MATSUO

 ショートステージで激戦となった第17ステージ。最後の上り口の好ポジションに陣取るのはピーターさん。オーストラリア国旗がひときわ目立つキャンピングカーが示す通り、タスマニア島から訪れたそう。聞くと観戦の歴史は長く、カデル・エヴァンスがツールで活躍した時から同じようにレースに帯同しているそうです。

国旗がはためくキャンピングカーで観戦していたのは、オーストラリア・タスマニア島から訪れたピーターさん Photo: Shusaku MATSUO
「いまあの辺りを走ってるよ」と延々に続くル・ポルテ峠を指差す Photo: Shusaku MATSUO

 「タスマニア出身のリッチー・ポートとは友達で、同じ町の出身なんです。彼がリタイアしたのは残念ですが、娘のジーナと一緒に大会に帯同して、時折ロードバイクでコースを走って楽しんでいますよ」と話してくれました。ピーターさんの近くにはキャンピングカーが溢れていますが、それもごく一部。近くの駐車場には200台以上のキャンピングカーが集結。皆が勝負どころや、盛り上がるポイントを熟知しているようで、自然とこの場所に集まるようでした。早くから集まり、ワイン片手にその場で出会った観戦仲間と話が弾む。選手を応援するだけではない楽しみを謳歌しているようです。

 見上げると永遠と続く上りで観戦している人々はどうやって上り、何時から居るのだろう…。レースの観戦にかける情熱も世界一なのがツール・ド・フランスだと実感させられました。

松尾修作
松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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