Cyclist編集部・松尾記者の現地リポートライオンやマドレーヌが峠を攻める キャラバン隊から配られるグッズとは ツールを彩る前祭に密着レポート

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 ツール・ド・フランスに訪れる観客のお目当てはレースだけではありません。地域に根差したイベントや、欠かせない存在となったキャラバン隊が世界最大のロードレースを盛り上げます。7月24日、カルカッソンヌで開催された第16ステージの現地からリポートをお送りします。

レース前に観客の前を通るキャラバン隊は、各企業のグッズを配ることで有名 Photo: Shusaku MATSUO

 大会も3分の2を終え、最終週へと入りました。落車によるけがや、厳しいコースを越えられずレースを去る選手が相次ぎましたが、観戦に訪れるファンたちのボルテージは下がることを知りません。そんな観客たちを選手通過前に盛り上げるのがキャラバン隊。大会へ協賛する企業が個性的なフロート車を走らせ、自社製品を個包装にしたものや、オリジナルグッズを観客へと配るのです。サイクルロードレースファンにはお馴染みの風景といってもいいでしょう。

チームのスポンサーを務める地元企業のエフデジは規模も大きく展開 Photo: Shusaku MATSUO
グッズを配るだけでなく、シャボン玉で盛り上げる企業も Photo: Shusaku MATSUO

 筆者は今回が2回目のツール取材。前回はキャラバン隊を横目に見るだけで、100%体験はできませんでした。しかし、オフィシャルブックのタイムテーブルに載るほど大きな存在を見過ごすわけにはいきません。スタート地点のカルカッソンヌと、マンテ峠で人気の理由を取材しました。

ヴィッテルは高圧洗浄機で霧のサービス Photo: Shusaku MATSUO
マイヨジョーヌにスポンサーを務めるLCLのマスコット Photo: Shusaku MATSUO

 この日、レースは現地時間の午前11時半にスタートですが、キャラバン隊の出発は2時間前の午前9時半。待機する隊列からは近くに寄れないほどの大音量で音楽が流れ、車の上ではMCやダンサーがハイテンションでノリノリです。フロート車は企業によって様々で、公式ミネラルウォーターを提供するヴィッテルは霧を観客に吹きかけ、晴天に恵まれたスタート地点では大ウケ。チームへのスポンサーもしているエフデジ(フランス宝くじ公社)は抽選機や四葉のクローバーが走ります。比較的序盤に通るMcCain社が袋を配布するため、観客は皆配られたグッズを収納します。隊列の順番もよく考えられているようですね。

選手から人気の菓子「ハリボー」 Photo: Shusaku MATSUO
ハイテンションで踊るキャラバン隊の一人 Photo: Shusaku MATSUO
マドレーヌが峠を攻める Photo: Shusaku MATSUO
思わず心配になるスピードで走るフロート車 Photo: Shusaku MATSUO

 いよいよ今度は筆者がグッズをゲットする番。ピレネーの山中に先回りし、隊列の先頭から最後までで、どれだけグッズが配られるのか体験しました。まず、キャラバン隊の訪れを知らせるマイヨジョーヌを着用した巨大なサイクリストと、LCLのマスコットキャラクターのライオンが目の前に姿をみせます。この日はレースが中断するトラブルがありましたが、差し引きタイムスケジュールとほぼ同時刻に到着するのは大会の歴史がなせるワザでしょう。この時、上りであるにも関わらず通り過ぎるスピードが本当に速い。テーマパークのフロート車と比べたら桁が違います。フライドポテトやマドレーヌが次々と峠を攻める光景に、かなりの迫力とシュールさ、また、「大会を楽しもう!」という気持ちにさせる勢いを感じました。

クラシカルな外観と、鮮やかな色合いがかわいらしいCV2隊 Photo: Shusaku MATSUO

 スタート地点と違い、観客もまばらなため、フロート上の人と目が合うとグッズが飛んできます。配り方も手慣れたもので、ピンポイントに目の前へ落ちるのでさすがです。しかし、勢いがなかなか強い。車のスピードと相まって、ハリボーの剛速球が胸に当たった際は思わず後ずさりしたほどです。そんな非日常な体験をして、周りの子供たちは大興奮。互いに拾ったグッズを見せ合い、大事にしまっていました。

 気が付いた時には筆者の袋の中には山盛りのグッズが溜まっていました。キャップにお菓子、洗剤にキーホルダーなどなど。特別なアピールをしてるわけではなく、ただ座っていただけでこれだけの量をゲットすることに成功しました。キャラバン隊を目当てに路上で観戦するファンの気持ちがようやくわかりました。

 200台以上の賑やかな一行が通り過ぎると、一瞬のインターバルを置いて近づいてくるのはヘリコプターの音。はしゃいでいた観客たちのムードが一変し、まだ見えない選手の方角を全員が向き、すぐさま応援モードに切り替わっていたのが印象的です。

キャラバン隊から得られたグッズの数々 Photo: Shusaku MATSUO

 大会を盛り上げるのはキャラバン隊だけではありません。カルカッソンヌの街では、ファンパークが設営。ツール・ド・フランスの歴史を振り返るパネルや、世界遺産の城壁を擁するカルカッソンヌの観光案内、子供でも楽しめる体験コーナーが目白押し。“世界最大の”と形容される理由には、レースだけではない主催者の取組みが大いに貢献していました。

カルカッソンヌではファンパークが開園 Photo: Shusaku MATSUO
ファンパークではツールの歴史を知れる展示物も Photo: Shusaku MATSUO
未来のグランツールレーサーも Photo: Shusaku MATSUO
松尾修作
松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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