ツール・ド・フランス2018 コースプレビュー<第3週>ピレネーと個人TTでマイヨジョーヌが決する ツール2018運命の大会終盤戦

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 ツール・ド・フランス2018も残すところ1週間。泣いても笑っても、最後の6ステージで勝負の行方が決まることになる。主な舞台となるのはピレネー山脈。そして、個人タイムトライアルでの最終決戦。3週間を戦い抜いた選手たちは7月29日、フランスの首都パリ、シャンゼリゼへと“帰還”を果たすことになる。

ツール・ド・フランス2018は残り1週間。パリ・シャンゼリゼ通りを目指して選手たちは走り続ける =2017年7月23日 Photo: Yuzuru SUNADA

ツール・ド・フランス2018 第3週コースプレビュー

●7月24日 第16ステージ カルカソンヌ~バニェール=ド=リュション 218km 山岳

ツール・ド・フランス2018 第16ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 2回目の休息日では、軽めの調整やプレスカンファレンスなどで時間を費やす選手たち。この日から大会終盤の戦いを進めていく。その初日から、200kmを超える長距離。加えてピレネー山脈初日とあり、選手たちがコンディションの差がそのまま結果につながる可能性がある。上級山岳はレース後半に集中。155.5km地点の2級山岳コル・ド・ポルテ・ダスペ(登坂距離5.4km、平均勾配7.1%)、171km地点の1級山岳コル・ド・モンテ(登坂距離6.9km、平均勾配8.1%)、一時スペインへと入国し迎える1級山岳コル・デュ・ポルティヨン(登坂距離8.3km、平均勾配7.1%)と、立て続けに上り下りを繰り返すことになる。最後はバニェール=ド=リュションに向けた10kmのダウンヒル。テクニックと、下りを恐れない攻撃性が総合上位陣には求められる。

●7月25日 第17ステージ バニェール=ド=リュション~サン=ラリ=スラン コル・デュ・ポルテ 65km 山岳

ツール・ド・フランス2018 第17ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 今大会の注目ステージの1つがこの日に登場。前日のフィニッシュ地であるバニェール=ド=リュションを出発し、サン=ラリ=スランまでのレース距離はなんと65km。タイムトライアルステージをのぞく、ロードレースステージでは近年類を見ない距離の短さだ。そして、コースもハードそのものだ。

 スタート100mから始まる上りは、ツールおなじみのモンテ・ド・ペイラギュード(登坂距離14.9km、平均勾配6.7%)。一度下って、続くはコル・ド・ヴァル・ルルロン=アゼ(登坂距離7.4km、平均勾配8.3%)。どちらも1級山岳だが、距離が長いペイラギュードに対し、アゼは中腹で勾配が10%を超える急坂が控える。そして、最後は超級山岳コル・デュ・ポルテ(登坂距離16km、平均勾配8.7%)。上り始めと頂上手前が10%を超える勾配とあり、フィニッシュを目前に激坂勝負もあり得る。何より、レース距離が短いだけに3つの山を高速ペースで進む可能性も。この短期決戦が総合争いにどのような影響を及ぼすか。さらに、下位選手たちはタイムアウトに注意をしなければいけない。

●7月26日 第18ステージ トリ=シュル=バイズ~ポー 171km 平坦

ツール・ド・フランス2018 第18ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 ピレネーでの山岳勝負は、ここでいったんブレイク。前日まで険しい山々を苦労しながらも越えてきたスプリンターの出番となる。途中2カ所に4級山岳が設定されるが、よほどのことがない限りレース展開に影響するものとはならないだろう。ツールおなじみのポーの市街地は、残り1km手前での鋭角コーナーと、最終局面でのラウンドアバウトを含む2つのコーナーをいかにしてクリアするかがポイント。スプリントステージは、この1日を終えると残るは最終日のパリ・シャンゼリゼのみとなる。

●7月27日 第19ステージ ルルド~ラランス 200.5km 山岳

ツール・ド・フランス2018 第19ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 今大会最後の山岳ステージは、超級山岳2つを含む6カ所のカテゴリー山岳を越える驚異の1日。山頂フィニッシュではないものの、マイヨジョーヌ争いの大きな局面となることは間違いない。その駆け引きは、頂上が78.5km地点にあたるコル・ド・アスパン(登坂距離12km、平均勾配6.5%)から始まりそうだ。

 続く超級トゥールマレー峠(登坂距離17.1km、平均勾配7.3%)は、標高2115km。今大会の最高標高地点となる。上りの後半が厳しく、10%前後の勾配を上っていくことになる。レース中盤とあり、ここを上り終えた時点で心身の余裕がないと、その先を戦うのは難しい。

 そこから36kmにわたる下り、2級山岳コル・デ・ボルデール(登坂距離8.6km、平均勾配5.8%)を経て、最後に立ちはだかるのはオービスク峠。今大会最後の超級山岳は、この区間自体は登坂距離16.6km、平均勾配4.9%だが、その前のコル・デ・ボルデールとの組み合わせで3段階の登坂と考えた方がよさそうだ。総合上位陣が、自らの可能性にかけて攻撃を繰り出すことになる。頂上通過後のラランスのフィニッシュ地点へと向かう20kmのダウンヒルも見ものとなりそうだ。

 なお、このステージを終了した時点でマイヨアポワを受け取った選手が、今大会の山岳賞を確定させる。

●7月28日 第20ステージ サンペー=シュル=ニヴェール~エスプレット 31km個人タイムトライアル

ツール・ド・フランス2018 第20ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 今年のツール王者を決める勝負は、この日ですべてが決することになる。個々の走力が試される31kmの戦いは変化に富んでおり、独走力だけではなくアップダウンへの適応力も必要になってくる。最後の難所となりそうなコル・ド・ピノディタ(登坂距離900m、勾配10.2%)の頂上からフィニッシュまでは3km。一気に下って、エスプレットに設けられるフィニッシュへと到達する。

 最終走者のフィニッシュ予想時刻は午後5時13分。翌日の最終ステージは総合争いを行わないことが慣例であることから、このステージを終えた時点でマイヨジョーヌに袖を通した選手が、今大会の王座に就くことが濃厚になる。

●7月29日 第21ステージ ウイユ~パリ・シャンゼリゼ 116km 平坦

ツール・ド・フランス2018 第21ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 ヴァンデ県で幕を開け、フランス北部を進んだ第1週。アルプスと中央山塊を走った第2週。ピレネーで雌雄を決した第3週。第105回のツールはこの日、ついにフィナーレを迎える。選手たちは午前中に空路移動し、午後からのレースに備えることになる。とはいえ、ツール最終日といえばパレード走行。パリ近郊のウイユを出発したプロトンは、長かった戦いの労を選手間でねぎらいながら進んでいくことになる。そして、戦いを終える勇者たちは、大観衆の待つパリ・シャンゼリゼへと到達する。シャンゼリゼではエトワール凱旋門やテュイルリー公園などを含むサーキットを8周回。このときばかりは最後の勝負とばかりに、スプリンターたちが主役の座をかけての真剣勝負。コンコルド広場からの200mのストレートは必見だ。

2017年大会の4賞選手。今回は誰がパリ・シャンゼリゼのポディウムに立つのか =2017年7月23日 Photo: Yuzuru SUNADA

 そして、シャンゼリゼ通りに設置されるポディウムで、マイヨジョーヌをはじめとする各賞の選手たちが名乗りを受けることになる。凱旋門をバックに祝福を受ける選手たちの姿は、実に煌びやかなものとなる。

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