レースを支配した宇都宮ブリッツェンが3連勝鈴木龍が7人のゴール勝負を制して今季2勝目 Jプロツアー第15戦「やいた片岡ロード」

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 日本最高峰のロードレースシリーズ、Jプロツアー第15戦「第2回JBCFやいた片岡ロードレース」が7月22日、栃木県矢板市・石関周辺特設コースで開催され、7人に絞られた小集団ゴールスプリントを鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)が制して今シーズン2勝目となる優勝を飾った。

僅差の勝負を制した鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)が今シーズン2勝目となる優勝を飾った Photo: Nobumichi KOMORI

駅前ロータリーもコースに

 栃木県大田原市と矢板市でのツーインワン開催2日目のやいた片岡ロードレースは、JR片岡駅西口を出てすぐレース会場という好立地が魅力のレース。2回目の開催となる今回は、昨年メイン会場だった駅前ロータリーもコースに組み込まれ、1周が10.3kmから10.7kmに変更。Jプロツアーは当初9周で開催される予定だったが、この日も猛暑の影響が考慮され8周85.6kmと1周減らされての開催となった。とは言っても、道幅の狭い農道や3km地点から始まるアップダウン区間など、変化と起伏に飛んだコースレイアウトに変わりはなく、常に集団が伸び縮みするサバイバルレースとなることは必至だ。

コースに若干の変更が加えられた今年は、JR片岡駅前のロータリーもコースになった Photo: Nobumichi KOMORI
スタート前には齋藤淳一郎・矢板市長が選手たちに激励の言葉を送った Photo: Nobumichi KOMORI
ランキング上位選手を先頭に選手たちがスタートする Photo: Nobumichi KOMORI

 レースはニュートラル区間を終えてアクチュアルスタートが切られた直後から、激しいアタック合戦の展開に。その中から佐野淳哉(マトリックスパワータグ)、秋田拓磨(シマノレーシング)、吉田悠人(那須ブラーゼン)、小山智也(イナーメ信濃山形)、谷順成(ヴィクトワール広島)、赤荻秀弥(弱虫ペダルサイクリングチーム)、蠣崎優仁(EQADS)の7人が抜け出すも、これはすぐに集団に吸収されてレースは2周目へ。すると、小山貴大と中田拓也(ともにシマノレーシング)、安原大貴(マトリックスパワータグ)、渡邉歩(EQADS)という4人の逃げ集団が形成される展開となった。

渡邉歩(EQADS)、小山貴大と中田拓也(ともにシマノレーシング)、安原大貴(マトリックスパワータグ)の逃げ集団が形成される Photo: Nobumichi KOMORI
逃げを容認したメイン集団では宇都宮ブリッツェンがコントロールを開始 Photo: Nobumichi KOMORI
4人の逃げ集団が協調して逃げ続ける展開が続く Photo: Nobumichi KOMORI

ブリッツェンが岡を先頭へ発射

 4人の逃げを容認したメイン集団は、チームランキングで首位を独走する宇都宮ブリッツェンがコントロールを開始。逃げ集団とのタイム差を40〜50秒の間に保ちながらレースを進めていく状態になった。その後、レースは4人の逃げ集団と宇都宮ブリッツェンがコントロールするメイン集団という形のまま3周を消化。このまま、鈴木龍が優勝した前週の石川サイクルロードレース同様に、宇都宮ブリッツェンが終盤に猛攻撃を仕掛けることになるのか、という雰囲気が会場にも流れ始めた。

メイン集団も宇都宮ブリッツェンが変わらずにコントロールを効かせながらレースを進める Photo: Nobumichi KOMORI
コントロールの隊列から雨澤毅明と岡篤志(ともに宇都宮ブリッツェン)がスルスルと抜け出す形で攻撃を仕掛ける Photo: Nobumichi KOMORI

 しかし、レースもちょうど折り返しとなる5周目に入ってすぐの道幅の狭い農道で、雨澤毅明と岡篤志(ともに宇都宮ブリッツェン)の2人がコントロールの隊列からスルスルと抜け出す形で宇都宮ブリッツェンが攻撃を開始。虚を突かれた格好となったメイン集団からは佐野、岸崇仁と樋口峻明(ともに那須ブラーゼン)、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)の4人が追走に飛び出す形に。タイミング良く奇襲攻撃を成功させた雨澤と岡は程なくして逃げ集団に合流したが、その後方からは追走の4人も迫る状況。この状況を見て、岡がさらに単独アタックを仕掛けて独走する状態となった。

逃げ集団に合流した後にアタックを仕掛けて単独で抜け出した岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が逃げる展開となる Photo: Nobumichi KOMORI
駅前ロータリーに向かう区間で単独で逃げる岡篤志とメイン集団がすれ違う Photo: Nobumichi KOMORI

岡は捕まるも鈴木龍がゴール獲り

 単独で逃げる岡に対し、残る逃げ集団と追走の選手を吸収したメイン集団はシマノレーシングとマトリックスパワータグが中心となってペースメイク。岡とのタイム差を20秒前後に保ちながらレースを進めていき、その後は少しずつタイム差を縮めながら5秒差という状況で最終周を迎えることになった。

後方からメイン集団が迫る中、単独で逃げ続ける岡篤志が最終周に入る Photo: Nobumichi KOMORI

 最終周に入ると、程なくして集団が岡を吸収して集団はひとつに。ひとつになった集団では勝利に向けたアタックの応酬が繰り返され、40人ほどにまで減っていた人数がさらに減っていく展開に。最終的に雨澤、鈴木龍、鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、入部、木村圭佑(シマノレーシング)、土井雪広(マトリックスパワータグ)、アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ)、西尾勇人(那須ブラーゼン)、米谷隆志(リオモ・ベルマーレ レーシングチーム)の9人が先頭集団を形成することになった。

メイン集団はEQADSとマトリックスパワータグがペースを上げる Photo: Nobumichi KOMORI

 9人となった先頭集団では、複数の選手を送り込んでいる3チームがそれぞれのエースに有利な状況を作り出そうと攻撃を繰り返す展開が続き、仕事を終えた土井と雨澤が集団から後退。先頭は7人になって、最後のゴールスプリントを迎えた。

 ホームストレートへ向かう最終コーナーを鈴木譲、入部、鈴木龍という順番でクリアすると、鈴木龍の掛け声で鈴木譲が踏み止め、入部が先行する形に。入部の番手に入った鈴木龍はきっちり自分のタイミングでスプリントを開始して先頭に躍り出たが、後方からスプリントを開始したフェルナンデスが抜群の伸びを見せて鈴木龍と並走した状態でフィニッシュラインを通過。フィニッシュ直後にガッツポーズを見せたフェルナンデスが勝利したかに思われたが、正式リザルトでは鈴木龍が先着。鈴木龍が、前週の石川サイクルロードレースに続く2週連続優勝を飾った。

入部正太朗(シマノレーシング)、鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)、アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ)が三つ巴のスプリント勝負を繰り広げる Photo: Nobumichi KOMORI

ブリッツェンが鉄壁プランを完遂

 今シーズン2勝目を挙げた鈴木龍は「今日はチームとして複数のプランを用意して臨んだレースで、中盤に雨澤選手と岡選手をメイン集団から抜け出させて逃げ切り勝利を狙うのが第1プラン。第1プランが厳しいようであれば、最後をまとめてもらって自分のスプリント勝負というのが第2プランでした。単独で逃げ続けてくれた岡選手がすごくいい走りをしてくれたおかげで自分も脚を溜めることができましたし、最終局面も雨澤選手と鈴木譲選手がうまくまとめてくれてスプリントするだけという状況でした」とチームメートの働きに対する感謝を口にした。

右から3位の入部正太朗(シマノレーシング)、優勝した鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)、2位のアイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ) Photo: Nobumichi KOMORI

 これで、宇都宮ブリッツェンは第13戦石川サイクルロードレース、前日の第14戦大田原クリテリウム、そして今レースと3連勝を達成。シーズン序盤の勢いが戻ってきたように感じられる。その点について清水裕輔監督は「重要な6月にチーム全体として調子を落としてしまったのは誤算でしたが、全員が調子をすぐに戻してきてくれた。この経験は今年はもちろん、数年後の選手たちの糧になると思うので、この経験を忘れずに全員で成長していきたいですね」と手応えを感じているようだった。

レース後にはヴィクトワール広島の選手に加え、地元チームである宇都宮ブリッツェンと那須ブラーゼンの選手たちも協力して西日本豪雨災害で被災した方たちを支援する募金活動が行われた Photo: Nobumichi KOMORI

 なお、ツアーリーダーの証のルビーレッドジャージは、この日は欠場となった窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)が、23歳未満のランキングトップの選手が着用するピュアホワイトジャージは織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が、ともに堅守している。

 Jプロツアーはこの後、およそ1カ月の中断期間に入り、次戦は9月1日に「チームタイムトライアルチャンピオンシップ」が栃木県栃木市の渡良瀬遊水地内谷中湖北ブロックで開催される。

Jプロツアー第15戦「やいた片岡ロードレース」結果
1 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)2時間1分30秒
2 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) +0秒
3 入部正太朗(シマノレーシング)
4 西尾勇人(那須ブラーゼン)
5 米谷隆志(LEOMO Bellmare Racing Team) +1秒
6 木村圭佑(シマノレーシング) +5秒
7 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン) +7秒
8 土井雪広(マトリックスパワータグ) +20秒
9 雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン) +24秒
10 下島将輝(那須ブラーゼン) +26秒

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