アイソスピードが大幅に進化トレックの新型「マドン」がお披露目 別府史之もフランスから駆けつけ性能をアピール
トレックのエアロロードバイク「マドン」がフルモデルチェンジを果たし7月22日、東京都千代田区のTRAVEL HUB MIXでトレック・ジャパンが実機をお披露目した。会場にはトレック・セガフレードに所属する別府史之がフランスから駆けつけ、進化したマドンの性能をアピールした。
6代目としてフルモデルチェンジ
登場してから14年、軽量化やエアロダイナミクスの追求のため、最新テクノロジーを投入して進化してきたマドン。今回、フルモデルチェンジを果たし、6代目として新たに生まれ変わった。一見すると前作と大きく変わらない外観だが、性能は大きく進化したという。
大きな違いはディスクブレーキモデルが加わったことが挙げられる。前後に160mmローターのディスクブレーキを配し、ブレーキング性能を向上。すでにトレック・セガフレードのチームではマドンのディスクブレーキモデルが使用されており、選手からの評価も上々だという。リムブレーキ用のモデルもラインナップされており、フロントフォーク裏にキャリパーが用いられ、エアロ効果が高められた。ベクターウィングは廃止されている。

また、路面からの衝撃を吸収するシステム「アイソスピード」がトップチューブに組み込まれ、効き具合を調整できるようになった。前作ではシートチューブに組み込まれ、2層構造で作用していたアイソスピード。シートチューブの長さによって乗り心地が変わってしまっていたが、トップチューブへL字型で備えることで、たとえサイズが違っても同じ乗り心地を実現した。さらに、ダンパーを装備することで、路面からのショックを吸収した際に起こる力を逃がす機能を備え、コンフォート性能を向上させた。
使用されているカーボン素材は全てOCLV700に統一。どのモデルを選択してもハイエンドモデルと変わらないフレーム性能となった。以前はH1、H2とジオメトリーに違いを設けていたが、今回はH1.5という中間のデザインに一本化。調整幅が増えたハンドルを使用し、より自由度を高めた。


トレックのカラーオーダーシステム「プロジェクトワン」に、ICON(アイコン)というラグジュアリーなラインも追加された。光や角度によって見え方が変化するマジョーラカラーや、ゴールドチップがちりばめられたブラックゴールドなど、リッチな仕上がりになっている。全て熟練のぺインターが手作業で塗装するもので、ペイントのアップチャージは11万円となる。
別府「最後まで踏んでいける」

この日のために日本に帰国した別府は、紹介ビデオの中で「地球上でこれより速いバイクはないんじゃないか」と絶賛。別府は今年の5月から新型マドンを乗り始め、レースやトレーニングで使用しているという。特に進化したアイソスピードに対して言及。「自然なたわみ方で、路面を這うようにしてスピードを上げられる。疲労が溜まっていても最後まで踏んでいける」と評価した。
また、ディスクブレーキモデルを使用している別府は「確かにディスクブレーキキャリパーは重量物で、フォークの先に存在を感じます。しかしマドンに関して、重さは全く気になるレベルではないし、メリットが上回ってますね。チーム内でディスクブレーキに対する意識もポジティブに変化しています」と語った。