Jプロツアー第14戦小野寺玲が昨年に次いで集団スプリントを制す JBCF大田原クリテリウム

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 日本最高峰のロードレースシリーズ、Jプロツアーの第14戦「第2回JBCF大田原クリテリウム」が7月21日、栃木県大田原市の野崎工業団地内に設定された特設周回コースで開催され、昨年同レース優勝者の小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が集団スプリントを制して連覇を達成した。

新たなオノデライダーポーズでフィニッシュした小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が昨年に続き連覇を達成した Photo: Nobumichi KOMORI

35℃を超える熱戦

 今年で2回目の開催となる栃木県大田原市・矢板市でのJプロツアー2連戦。その初戦となる大田原クリテリウムは、大田原市の野崎工業団地内に設定された1周2.5kmの周回コースを当初は28周、70kmで争われる予定だったが、レース当日は35℃を超える猛暑日となることが予想されたため22周、55kmに短縮しての開催となった。

鮎の塩焼きなど、この季節ならではの商品も Photo: Nobumichi KOMORI
メイン会場には地元グルメを販売するブースが並んだ Photo: Nobumichi KOMORI
ジッとしていても汗が噴き出す猛暑の中でレースはスタートした Photo: Nobumichi KOMORI

 レースはスタート直後から各チームが積極的にアタックを仕掛け合う展開となったが、決定的な逃げが形成されない状態が続く。その中で、5周目に設定された最初のスプリント賞を単騎での出場となった山本大喜(キナンサイクリングチーム)が獲得。その後も激しいアタック合戦が続いたが、7周目終盤に岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、木村圭佑(シマノレーシング)、向川尚樹(マトリックスパワータグ)、高木三千成(東京ヴェントス)の4人が先行すると、後方から西尾勇人(那須ブラーゼン)、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、松田祥位(EQADS)の3人が合流して7人の逃げ集団が形成された。

レース序盤は激しいアタック合戦が続くも決定的な逃げが形成されない展開が続く Photo: Nobumichi KOMORI
岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、木村圭佑(シマノレーシング)、向川尚樹(マトリックスパワータグ)、西尾勇人(那須ブラーゼン)、高木三千成(東京ヴェントス)、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、松田祥位(EQADS)の7人が逃げ集団を形成するPhoto: Nobumichi KOMORI
メイン集団はシエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチームやヴィクトワール広島がペースアップを試みる Photo: Nobumichi KOMORI

 有力チームの選手が均等に入った逃げ集団に対し、メイン集団はこの日3人での出走となったチーム ブリヂストンサイクリングが先頭に立ってコントロールを開始。その後をシエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチームやヴィクトワール広島などが受けて逃げ集団とのタイム差を縮めにかかった。一方の逃げ集団は、積極的に逃げ切りを狙いたい選手が少なかったこともあってペースが上がらず、5周ほど逃げ続けたものの集団に吸収された。

最後のスプリント賞狙いで飛び出した下島将輝(那須ブラーゼン)と小川恵佑(なるしまフレンドレーシング)の2人が集団から先行して逃げ続ける Photo: Nobumichi KOMORI
逃げを吸収した集団は再び、激しいアタック合戦となる Photo: Nobumichi KOMORI

 折り返しを過ぎて後半戦に入ったレースは、各チームともに積極的にアタックを仕掛けるも逃げが決まらない状態が続いたが、最後のスプリント賞が設定された15周目になると下島将輝(那須ブラーゼン)と小川恵佑(なるしまフレンドレーシング)の2人がスプリント賞獲得を狙って集団から先行。小川がスプリント賞を獲得した勢いのまま2人が逃げる展開になった。逃げる2人に対して、メイン集団からは秋山悟郎(アクアタマ・ユーロワークス)、続いて安原大貴(マトリックスパワータグ)が合流して逃げは4人になった。

遠藤績穂(イナーメ信濃山形)、小川恵佑と渡邊聡(ともになるしまフレンドレーシング)、安原大貴(マトリックスパワータグ)、伊藤舜紀(東京ヴェントス)の5人が先頭集団を形成 Photo: Nobumichi KOMORI

 合流した2人の動きで活性化したメイン集団からは、次々とブリッジを試みる選手が飛び出していく展開に。何度かシャッフルが繰り返される中で、最終的に小川、渡邊聡(なるしまフレンドレーシングチーム)、遠藤績穂(イナーメ信濃山形)、伊藤舜紀(東京ヴェントス)の4人が先頭集団を形成する状態になった。一方のメイン集団はシマノレーシングや宇都宮ブリッツェン、那須ブラーゼンなど、ゴールスプリントに持ち込みたいチーム勢がその意思を示すかのように集団先頭に立ち、先頭集団を吸収するタイミングを計りながらメイン集団のコントロールを開始する状態になった。

窪木が届かず、小野寺が連覇

 残り2周となる21周目に入る段階になると、先頭集団とメイン集団とのタイム差は5秒にまで縮まり、程なくして先頭集団は吸収されて集団はひとつになった。集団の先頭で宇都宮ブリッツェン、シマノレーシング、マトリックスパワータグなど有力チーム勢が先頭を争って激しい位置どり争いを始めたことで、集団はタテに長く伸びた状態でレースは最終周へと突入した。

シマノレーシングがコントロールするメイン集団が先頭集団を吸収するタイミングを計りながらタイム差を縮めていく Photo: Nobumichi KOMORI
ひとつになった集団前方で激しい位置どり争いが繰り広げられる状態でレースは最終周へ Photo: Nobumichi KOMORI

 最終周に入ると前週のレースで久しぶりに優勝を飾った宇都宮ブリッツェンが先頭をキープする状態になったが、最終コーナー手前で佐野淳哉(マトリックスパワータグ)が先頭に躍り出て最終コーナーをクリアした。

 マトリックスパワータグ有利かと思われたが後続が続いておらず、すぐさま鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)が先頭を奪い返して小野寺を発射。万全の状態でスプリントを開始した小野寺に対して、後方から猛烈な勢いで追い上げてきた窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)が迫ったが届かない。小野寺が代名詞となった「オノデライダーポーズ」を決めて先頭でフィニッシュ。昨年に続いて優勝を飾り、見事に連覇を達成した。

万全の状態でスプリントを開始した小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)がフィニッシュへと向かう Photo: Nobumichi KOMORI

 今シーズン2勝目となる優勝を飾った小野寺は「今日のレースは序盤からチームメートが冷静にレースを進めてくれたおかげで、後ろに控えていても非常に安心感のあるレースでした。残り1周の連携の部分でもみんなが自分のためにしっかり動いてくれ、いい形で突っ込むことができたのでスプリントも全く危なげなくもがくことができました」とチームメートの働きに感謝していた。また、この日の勝利は、宇都宮ブリッツェンにとってUCI(国際自転車競技連合)、JCF、JBCF登録レースでの通算50勝目となった。チーム創設10年目の節目、そして地元開催レースでの偉業達成となった。

 なお、ツアーリーダーの証のルビーレッドジャージは窪木が堅守しているが、23歳未満のランキングトップの選手が着用するピュアホワイトジャージはわずか1戦で織田聖が奪還。ただ、2位以下とのポイント差は僅差であることから、今後も激しいジャージ争いが繰り広げられることが予想される。

スプリント賞獲得者。右から5周目の山本大喜(キナンサイクリングチーム)、10周目の松田祥位(EQADS)、小川恵佑(なるしまフレンドレーシング) Photo: Nobumichi KOMORI
右から3位の鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)、優勝した小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、2位の窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング Photo: Nobumichi KOMORI

Jプロツアー第14戦「大田原クリテリウム」
1 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)1時間14分27秒
2 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)
3 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)
4 黒枝咲哉(シマノレーシング) +1秒
5 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
6 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
7 蠣崎優仁(エカーズ)
8 樋口峻明(那須ブラーゼン) +5秒
9 小室雅成(イナーメ信濃山形)
10 水野貴行(FIETS GROEN 日本ロボティクス)

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