旅サイクリスト昼間岳の地球走行録<9>冬を避けても「寒さ」からは逃れられない 世界旅で編み出した防寒装備と寒さ対策

by 昼間岳 / Gaku HIRUMA
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 長期旅行の場合、いくら冬を避けるようにうまく計画を立てたとしても、必ずどこかで「寒さ」に捕まると思っておいた方が良い。3000~4000mの高地では、夏でも真冬のように冷え込むことがあるからだ。

エベレストトレッキングは極寒だ。街でダウンジャケットなど必要な装備をレンタルできる Photo: Gaku HIRUMA

寒空の下スープもシャリシャリに…

 雪が降っていても、氷点下の気温でも走行中は基本的に薄手の長袖にトレーニングウェアを羽織り、その上にレインウェアを着る程度で走っていた。すぐに体が温まるのと、万が一雨などが降ってきた場合、ダウンやフリースを濡らすわけにはいかず、走行中は常に速乾性の衣服を着るようにと心がけていた。ただつま先の冷えは本当に大敵で、寒さ対策として、トレッキングの計画があるときなど登山靴を持って走った地域もあるが、なければビニール袋を靴の上から履き、足首の部分をゴムで止めて凌いでいた。

 走行を終え、テントを張るとウエットティッシュで身体を拭き、走行中の服からテント用の服にすぐ着替えた。フリースにダウンその上に合羽を着て、自炊は幾ら寒くても基本的には外で作り、外で食べた。

ゆで汁のスープとパスタ。苦労して運んだ水は一滴でも無駄にしない Photo: Gaku HIRUMA

 寒い時の自炊は体が温まるスープとパスタが特に多い。といってもスープを別で作るのではなく、ゆで汁に野菜とコンソメを入れるだけのものだ。体が温まるスープでも、飲み干す頃にはスープがシャリシャリとシャーベット状になる。そんなとき、こんな寒空の下で何をやっているのかとさすがに悲しくなった。

持ち物を駆使して暖をとる

 僕が持っていた冬の装備は、寝袋はマイナス5℃まで対応できる3シーズン用。出発当時、装備にそこまでお金をかけれず、このクラスの寝袋しか買えなかったのだ。冬を避けようと走っていても、テント内が氷点下に下がることはざらにあったし、一番寒かったのはアメリカで経験したテント内でのマイナス10℃だった。

みぞれ交じりの雨は最悪。身体が冷えるのでパンを食べたらすぐに漕ぎ出す Photo: Gaku HIRUMA

 マイナス5℃にもなると、寝袋だけでは寒くて眠れないのでダウンを着て、夕食時に沸かしたお茶を耐熱のナルゲンボトルに入れて、それを湯たんぽにして抱きしめる。翌日の走行時にお茶が飲めるので水を無駄にする事はない。

 さらに繰り返し使えるアルミのエマージェンシーシートを寝袋の上にかけると、充分熟睡できた。ただエマージェンシーシートをかけると翌朝結露で寝袋が濡れているので、朝のうちに乾かない場合は昼休憩の時に陽に当てて完全乾燥させる必要があった。

寒暖問わず重宝する魔法瓶

 折りたたみの洗濯バケツも、意外にも防寒として役に立った。凍えるくらい寒いのにホットシャワーが出ない宿なんてざらにあるので、足湯にして暖を取ったり、シャワー室でお湯を作ってバシャバシャと行水をするのに使用した。

 そして寒い時期も暑い時期も両方に重宝したのがボトルケージに入る魔法瓶タイプのボトルだった。朝や昼ご飯を作るときに一緒にお茶を作り、魔法瓶に入れると冷え切った休憩時に暖を取れるのは本当に有難かったし、峠でドリップして飲むコーヒーは格別だった。

峠でコーヒーをドリップして飲む。魔法瓶は走行を豊かにしてくれる Photo: Gaku HIRUMA
ぬるいジュースしか売って無い国で、道端で格安でスイカが食べれるのは本当に有難い Photo: Gaku HIRUMA

 そして夏は40℃近くになる地域はざらにある。商店を見つけた時は飛び込んで1リットルとか1.5リットルの炭酸飲料を反射的に買っていた。半分はそのまま飲み、半分は魔法瓶に入れて走行中にちびちびと飲むなどして、暑さを凌いでいた。

昼間岳昼間岳(ひるま・がく)

小学生の時に自転車で旅する青年を見て、自転車で世界一周するという夢を抱いた。大学時代は国内外を旅し、卒業後は自転車店に勤務。2009年に念願だった自転車世界一周へ出発した。5年8カ月をかけてたくさんの出会いや感動、経験を自転車に載せながら、世界60カ国を走破。2015年4月に帰国した。『Cyclist』ではこれまでに「旅サイクリスト昼間岳の地球写真館」を連載。ブログ「Take it easy!!

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