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力を引き出すアミノバイタル<3>日本人女性初のBMX世界チャンプ・丹野夏波さん 金メダルに近い超女子高生の「強さ」の方程式

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 小柄で色白な肌にさらりとした黒髪、柔らかい笑顔が印象的な丹野夏波(かなみ)さん(18)。一見おっとりとした普通の女子高生だが、ひとたびBMXに乗れば、纏ったオーラを脱ぎ捨てるようなスピードと切れ味鋭い走りを見せる。8歳で日本人女性初の世界チャンピオンに輝いた彼女の選手歴は早くも14年。相次ぐ負傷にめげそうになりながらも7月の全日本選手権で優勝を果たすなど、実力とともに不屈の闘志も持ち合わせる。2年後に金メダル獲得の期待もかかるスーパー女子高生・丹野さん。「強い気持ち」を持ち続けられる理由を知りたいと、猪野学さんは練習中の彼女のもとを訪れ、数十年ぶりというBMXを体験した。

女子高生BMXライダーの丹野夏波(かなみ)さん(左)と「BMXは小学生以来」という少し緊張気味の猪野学さん。レンタルバイクとプロテクターフル装備で挑戦 =秩父滝沢サイクルパークにて Photo: Naoki OHOSHI

「かっこいい!」と一目惚れ

猪野 失礼な言い方なんですけど、こうして向かい合ってるとBMXの選手には見えないんですよね。そもそも丹野さんがBMXを始めたきっかけは何だったんですか?

4歳の頃、家族でBMXを始めたのがきっかけだったという丹野夏波さん(写真右) Photo: Naoki OHOSHI

丹野 父の職場の方がBMXをやっていて、家族で誘われたことがきっかけでした。BMXは小さい子から大人まで幅広い年代の方ができるスポーツなので、家族で楽しんでる方も多いんです。小さい子は3、4歳から始めて、大人だと60代の人も頑張ってるんですよ。私も初めは父と兄と一緒に3人で始めました。

猪野 初めて見たとき、コブを猛スピードで走ったり飛んだりしているのを見て怖いとは思いませんでしたか?

丹野 恐怖心はあまり感じなかったですね。逆に「すごくかっこいい!」と思ったことは覚えています。始めてからすぐジャンプをするのが好きになって、ひたすら色んなコブに挑戦していました。

2000年生まれの現在18歳。5歳よりBMXレースを始め、8歳で出場した世界選手権大会で日本人女性初の世界チャンピオンとなる。その後3年連続で世界選手権大会年齢別クラス優勝。2013~14年JCFユース強化育成指定選手に選ばれる Photo: Naoki OHOSHI

猪野 僕も幼い頃にBMXをやったことがあるんですけど、ジャンプして着地したときにハンドルに顎をぶつけてトラウマになっちゃったみたいで…(苦笑)。それ以来乗っていないんです。

鎖骨を折るなど、これまでに何度もケガをしたが、「それでも楽しさが上回る」という丹野さん Photo: Naoki OHOSHI

丹野 私も小さいときに手首を折ったし、あとは鎖骨を左右計5回くらい折ってます(笑)。

猪野 5回! それだけ折ると、もうイヤになったりしないですか?

丹野 はい…。ケガが続いて気持ちが落ち込んだ時期もあったし、それで成績も落ちてしまったりもしたんですけど、それでも自転車に乗ると楽しくて、また続けちゃいます(笑)。

ジワジワと自覚した世界チャンプ

猪野 8歳で世界選手権に初出場して、日本人女性としては初めて世界チャンピオンになったんですよね。当時はどんな気持ちでしたか?

BMXを始めた頃の丹野さん。4歳でこの見事なジャンプはまさに才能! 父親の勉さん撮影

丹野 正直よくわからなくて(笑)。嬉しかったことは覚えていますが、1つ1つのレースに優勝したいという気持ちがあったので、レースの規模の大きさはわからないまま、いつもの日本でのレースと同じ感覚で世界選手権に出場して優勝したといった感じでした。

猪野 そこから3年連続で優勝ですよね。すごい新人が出たといわれたんじゃないですか?

丹野 あとになってジワジワと、実はすごいことだったんだと感じました(笑)。その後もずっと世界選手権で決勝に残れていたので、それが自分の自信になって、どんどん楽しくなってのめり込んでいったという感じですね。

猪野 若くして世界を舞台に戦うということに、どんな思いを感じているんでしょうか?

8歳で初めて参戦した世界選手権で日本人女性初となる世界チャンプに ©JERRY LANDRUM/BMX MANIA

丹野 小さい頃から世界選に出ていたので海外の友達もたくさんできたし、小さいときはただただ楽しかったですね。成長とともに厳しさが増す一方で、今度はレースが楽しくなってきました。緊張とかプレッシャーはあまり感じない方なので、おかげでずっと楽しく続けられています。

猪野 その「楽しい」って感覚が大事なんでしょうね。ちなみに丹野さんにとってBMXの魅力って何ですか?

コブでジャンプを決める丹野さん Photo: Naoki OHOSHI

丹野 まずスピード感です。こういうコースでもスタートから2秒で時速45kmくらい出ます。チャンピオンシップのクラスになるとここよりももっと大きいトラックで、高さ8mのヒルから下って、飛距離10mオーバーのジャンプをしたり、とにかく迫力がすごいスポーツです。

猪野 他の選手と違って、「私はとくにここが強い」というところはあるんですか?

丹野 「ロール」っていう、前輪を浮かせて後輪だけで走るテクニックが得意かな。いわゆるウイリーのような感じで、こまかいコブだったらほとんどロールでいきます。ただ“なめる”だけだと跳ねちゃってタイムをロスするので、なるべく跳ねないようにロールでなめていきます。

丹野さんが得意技とする「ロール」。前輪を浮かせて後輪だけで走ることでタイムロスを防ぐ。地面を「なめる」という言い方が独特だ Photo: Naoki OHOSHI

爆発的な力を蓄えるためのケア

猪野 今回、何十年かぶりに僕もBMXを体験させてもらいましたが、走りながら全身でバランスをとるような動きですよね。上半身の無用な動きを押さえるために、腕はもちろん、漕ぐ脚もサスペンションみたいに路面に合わせて素早く動かさなきゃいけない。ロードバイクとは違い、漕ぎながらも瞬時に反応する筋肉を要するんだと思いますが、普段はどんなトレーニングをしているんですか?

丹野さんが週末練習の場としている秩父滝沢サイクルパーク Photo: Naoki OHOSHI

丹野 週末はこういうトラックで練習していますが、平日は学校が終わったあとにジムに行ったり、人が来ないような道路でスプリントの練習をしています。ジムではスクワットとか、わりと下半身を中心に鍛えています。おっしゃるようにBMXは全身を使う競技なので上半身も鍛えますが、基本となるのはやはり脚なので、下半身のトレーニングを集中的に行います。

猪野 トラックではどんな練習をするんですか?

丹野さんに教えてもらい、猪野さんも数十年ぶりにチャレンジ!(リベンジ?) Photo: Naoki OHOSHI

丹野 1日3~4時間は走ります。さらにコースを第1ストレート、第2ストレートと分けて練習したりもします。でも、レース中のラインどりとか実戦で得られる経験値もあるので、たくさんのレースを積み重ねることが一番重要だと思っています。

 一周40秒くらいなんですけど、最後ゴールまで全力で漕ぐので、けっこう心肺に負荷がかかります。長時間もたせる持久力は必要ないんですけど、短時間で全力を出し切る瞬発力と持久力のバランスが必要かなと思っています。なので練習ではレースを想定したフルラップ(コースを一周走りきる)練習を何度も繰り返します。

スタートして1つめのコブでちょっと飛んだ猪野さん(実はとても難しい) Photo: Naoki OHOSHI

 でも一番重要なのはスタート時の瞬発力。最初のスタートから1つめのコブまでで8割方勝敗が決まるので、最初の反応が重要です。第1バームでインに入られる可能性はあるんですけど、そこを抜けたらほぼ順位が決まったままゴールまで一直線です。

猪野 爆発的な力を40秒間出し切るために、練習では負荷の高いトレーニングを繰り返し行うんですね。ヒルクライムと違って距離は短いけれど、それはそれで厳しそうですね。でも若いから、どんなに追い込んでも翌日死にそうな思いで目覚めるとかないんでしょうね…。

第1バームも初見で難なくクリア。実はすごい猪野さんの身体能力 Photo: Naoki OHOSHI
「腕や脚の使い方が上手!」と丹野さんも猪野さんの走りを絶賛 Photo: Naoki OHOSHI

丹野 いや、そんなことないですよ! そうならないようにプロテインとかアミノ酸を使って、トレーニング後のケアに気を使っています。世界選手権の会場で、選手たちが休むピットに「アミノバイタル」が置かれていたんです。チームのコーチか監督が置いてくれてたんだと思いますが、薦められるままに使ってみたら、翌日のリカバーに違いを感じてそれから愛用しています。

猪野 どんなふうに使い分けているんですか?

丹野 トラックを使った長い練習の前には準備として「アミノバイタル プロ」を使い、コンディションを整えます。ハードな練習なので、補給用にはエネルギーが持続する「アミノバイタル パーフェクトエネルギー」を使っています。そして練習後にはリカバー用に「アミノバイタル GOLD」を使うようにしています。普段の筋トレ後にはトレーニングの仕上げに「アミノバイタル アミノプロテイン」を使っています。

丹野さんが愛用しているという「アミノバイタル」シリーズ(左からアミノバイタル パーフェクトエネルギー、アミノバイタル プロ、アミノバイタルGOLD、アミノバイタル アミノプロテインの4フレーバー) Photo: Kyoko GOTO

猪野 使うと調子は違いますか?

丹野 飲んだときとそうでないときでは、翌日のリカバー具合が全く違います。プロテインも飲みやすくて、とくにレモン味が気に入ってます。遠征でもスティックタイプだと携帯しやすいし、混ぜるための牛乳も不要なのですごく便利です。

「自分の可能性を広げてくれた大切な存在」

猪野 ただでさえ若いのに、鍛えた体を最大限に強化している感じですね。トレーニングがつらいと思ったことはないんですか?

「全ては勝つことに繋がると思えるから、きつい練習も頑張れます」と丹野さん Photo: Naoki OHOSHI

丹野 BMXそのものをつらいと思ったことはまだありませんが、ケガが続いたときは少し道に迷いましたね。でも2年後の目標に向けて「自分ならできる」と言い聞かせて、気持ちを奮い立たせています。ケガをして自転車に乗れなかったときやリハビリをしていたとき、なかなか思うような結果が出ない苦しい時期もありましたが、執着心ていうのかな、「絶対に優勝したい」っていう気持ちを乗り越えるためのエネルギーに変えてきたように思います。

猪野 すごいなぁ。僕だったら、鎖骨2本目くらいで確実にやめてると思います(汗)。でも何度も頂点に立ってますもんね。「またいける」っていう周囲の期待もあるでしょうしね。「東京2020」の切符をもってるわけですからね。ちなみに出場枠っていくつあるんですか?

7月に開催された全日本選手権でトップを走る丹野さん Photo: Kenichi INOMATA

丹野 開催国枠として1つは確実にあって、それに加えて国別ランキングで上位だと2枠に増えます。出場条件は18歳以上の女子で、私も開催年には20歳になります。

猪野 どんぴしゃですね!「202020」ですね(笑)。それは出場しないわけにはいかない!

ジュニアながら、エリートとの混合レースで見事優勝を果たした Photo: Kenichi INOMATA

丹野 今年はまだ「ジュニアエリートカテゴリー」で17、18歳のカテゴリーだけど、来年からエリートになって最上級カテゴリーで走れることになります。2020年はもちろん大きな目標ですが、世界選手権のエリートで活躍できるようになるのがいまの一番の目標です。

猪野 高校生で同い年ぐらいの女性で、BMXを乗っている人はそうそういないですよね。普通の女子高生のような生活を過ごしたいと思うことはあるんですか?

丹野さんに「さすがの運動神経ですね~」と誉められ、「2020年に間に合うかな~」と有頂天の猪野さん Photo: Naoki OHOSHI

丹野 あります(笑)。週末、皆が遊んでいるときに自分は練習しているんで、いいなと思うときもあるけれど、でもBMXは自分にとって1番のパートナーで、自分の夢、可能性を広げてくれた大切な存在だし、何にも代え難い存在。スポーツとか競技としてでなくても普通に楽しいので、やっぱり私は心底BMXが好きなんだと思います。

猪野 「好き×楽しい=強くなる」。これは無敵な方程式ですね!

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