ツール・ド・フランス2018 コースプレビュー<第1週>チームTTとパヴェが3年ぶり復活 フランス北部をゆく大会前半戦

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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ツール・ド・フランス2018 ルートマップ ©︎A.S.O.

 世界最大の自転車ロードレース、ツール・ド・フランス2018年大会が7月7日にレーススタートを迎える。今回は、現在開催中のサッカー・ワールドカップロシア大会との日程重複を最小限にとどめるため、例年より約1週間遅らせてのスタート。晴れのグランデパール(開幕地)となるのは、フランス西部・ヴァンデ県のノワールムティエ=アン=リル。ここから、3週間、総距離3351kmに及ぶ戦いが始まる。6月中旬には走行予定ルートの見直しが行われ、道路工事や災害危険区間を避けて、より安全なコースとなるよう調整が行われている。そこで今回は、コースプレビューとして第1週のルートを紹介。各ステージの特徴や勝負のポイントを探っていく。

ツール・ド・フランス2018 第1週コースプレビュー

●7月7日 第1ステージ ノワールムティエ=アン=リル~フォントネー=ル=コント 201km 平坦

ツール・ド・フランス2018 第1ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 フランス本土から大西洋へと延びるノワールムティエ島の先端の街で、ツール2018の幕が開ける。スタート以降、大西洋岸を約110kmにわたって南下。風が強く吹けば、大会初日から波乱含みのレースとなることもあり得る。173km地点に今大会最初の山岳ポイント(4級)が設けられ、1位通過した選手が山岳賞のマイヨアポワをレース後に手に入れることとなる。ボーナスポイントは187.5km地点。フィニッシュに向けては、残り3kmからラウンドアバウト(環状交差点)が連続。スプリントフィニッシュとなれば、残り1km手前の鋭角コーナーを抜けてからの位置取りがポイントになりそう。

●7月8日 第2ステージ ムイユロン=サンジェルマン~ラ・ロッシュ=シュル=ヨン 182.5km 平坦

ツール・ド・フランス2018 第2ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 序盤に4級山岳を含む細かなアップダウンがあるものの、レース展開に大きく影響することはないものと予想される。その後はおおむねフラットで、セオリー通りにいけば勝負はスプリントになる。中間スプリントポイントが132km地点、ボーナスポイントが168.5km地点と、レース後半に設定されているあたりがどのように作用するか。フィニッシュ前5kmから900mまで緩急さまざまなコーナーが連続。プロトン内の主導権争いが激化しそうだ。

●7月9日 第3ステージ ショレ~ショレ 35.5km チームタイムトライアル

ツール・ド・フランス2018 第3ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 3年ぶりにツールに戻ってきたチームタイムトライアル。終始細かなアップダウンが連続するレイアウトは、各チームの走力はもとより、コースへの適応力やテクニックが要求される。主催者が予想するフィニッシュ時間は39分。これが1つの目安になりそうだ。そして、このステージを終えた時点で個人総合順位のシャッフルがあると予想される。出走順は、第2ステージを終えた時点でのチーム総合の下位からを基本とし、マイヨジョーヌを擁するチームが最終出走となる。チーム内4番手でフィニッシュした選手のタイムがチームの成績として反映される。

●7月10日 第4ステージ ラ・ボール~サルゾー 195km 平坦

ツール・ド・フランス2018 第4ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 この日からプロトンはブルターニュ地方へ。天候次第では、この地域特有の強風の洗礼を受ける可能性がある。各チームとも、スプリンターだけでなく総合エースも守りながら集団前方を位置し続けることがカギとなる。中間スプリントポイントは97.5km地点、4級山岳が135.5km地点、ボーナスポイントが156.5km地点にそれぞれ設定される。

●7月11日 第5ステージ ロリアン~カンペール 204.5km 中級山岳

ツール・ド・フランス2018 第5ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 今大会最初の中級山岳ステージ。3級と4級合わせて5つのカテゴリー山岳が選手たちの到来を待つ。いずれも登坂距離こそ短いものの、6%前後の上りが連続するとあって、パンチャーやクラシックハンター向きのコースレイアウト。フィニッシュも手前1kmから勾配4.8%と、集団の人数が多ければ上りスプリントになる可能性も高い。

●7月12日 第6ステージ ブレスト~ミュール=ド=ブルターニュ ゲルレダン 181km 中級山岳

ツール・ド・フランス2018 第6ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 これまた3年ぶりにツールへと帰ってきたミュール=ド=ブルターニュ。頂上手前2kmから勾配10%を超える区間が始まるが、2015年にはこのポイントで人数の絞り込みが行われた。今回はこの上りを2回こなすことになる。フィニッシュまで16kmで1回目の上りを終えるが、その直後にボーナスポイントが設定されており、ここまでに総合タイムで遅れている有力選手が挽回すべく仕掛けることも大いに考えられる。そして、頂上のフィニッシュめがけて上る2回目も含めて、ライバルに対するタイムのロスは何としても避けたい。

●7月13日 第7ステージ フージェール~シャルトル 231km 平坦

ツール・ド・フランス2018 第7ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 今大会の最長ステージ。特筆すべきアップダウンはないため、大方の予想はスプリント勝負。特に前日までの2日間を我慢したスプリンターにとっては、主役の座を確保したいところ。しかし、フランス北部特有の強風は侮れない。風が強かったり、悪天候に見舞われるとなると、レースは思わぬ方向へと転がる可能性も。

●7月14日 第8ステージ ドルー~アミアン・メトロポル 181km 平坦

ツール・ド・フランス2018 第8ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 ここ数年、山岳ステージが設定されることの多かったフランス革命記念日だが、今年はスプリンターのための1日となる。前半2カ所の4級山岳以外は変化に乏しく、スプリンターチームがフィニッシュに向けて着々とレース構築に努めるものと見られる。とはいえ、この日も風には注意が必要。特に後半のルートは風が強いとされ、天候次第では突風が吹きつけることもある。また、フィニッシュまでの6kmはテクニカルなコーナーやランドアバウトが連続。残り600mのラウンドアバウトを集団のどの位置でクリアするかが、勝負に直結しそうだ。

●7月15日 第9ステージ アラス・シタデル~ルーベ 156.5km 石畳

ツール・ド・フランス2018 第9ステージコースレイアウト ©︎A.S.O.

 大会前半戦最大のヤマ場は、3年ぶりにツールに登場するパヴェ(石畳)ステージ。特に今回は全15セクター・総距離21.7kmのパヴェが選手たちの真の力を試すことになる。レース前半からパヴェ区間が控えているとあって、最後の最後まで気を抜くことができない。荒れた路面はもちろん、道幅も狭いことから、スプリントさながらの位置取り争いがセクターごとに展開されることだろう。好位置でパヴェを迎えられるかどうかが運命の分かれ道となることもある。勝負どころとして押さえておきたいのは、第2セクターのカンファン・アン・ペヴェル(139.5km地点、1800m)。4月のパリ~ルーベでも難易度4つ星に指定されているポイントで、大きな動きがあるか。そしてステージ優勝争いは集団になるか、逃げ切りになるかも興味深い。さらに、総合系ライダーが上位に食い込むようだと、マイヨジョーヌ争いにおいてライバルからアドバンテージを得ることになる。フィニッシュは、ルーベのヴェロドロームの手前に設置され、場内には入らない。

 翌16日は1回目の休息日。選手たちは空路アヌシーへと移動し、アルプス山脈と中央山塊での第2週に備える。

ボーナスポイントの設定が総合争いのカギとなるか

 今大会では、前半9ステージ限定でコース途中に「ボーナスポイント」が設定される(第3ステージのぞく)。上位3選手に3秒、2秒、1秒のボーナスタイムがそれぞれ付与され、総合タイムから減算されることになる。ここで押さえておきたいのは、中間スプリントポイントとは扱いが異なる点。中間スプリントポイントは、ポイント賞のマイヨヴェール争いに反映されるが、ボーナスポイントはタイムのみの扱いとなる。

 この新システムがマイヨジョーヌ争いに影響するかは、今大会の見どころの1つとなりそうだ。また、ボーナスポイントが各ステージ終盤に設けられているあたりも、レースを活性化させる要素となるかもしれない。

 なお、フィニッシュではステージ難易度によるポイント付与に加え、上位3選手に10秒、6秒、4秒のボーナスタイムが与えられ、総合タイムから減算される。

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