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2年後の2020年に「引退する」全日本ロード3連覇の與那嶺恵理へインタビュー “無事これ名馬”で東京五輪へ

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 今年の全日本選手権も圧巻の走りで勝利し、タイトルを獲得した與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)。レースを終えた彼女は、講演活動やつかの間の休息を過ごしていた。「2年後のことは考えられない」という與那嶺にインタビューし、全日本選手権の振り返りやセカンドキャリアについて聞いた。

7月6日から始まるジロ・ローザに全日本チャンピオンジャージを着て挑む與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ) Photo: Shusaku MATSUO

 今季もヨーロッパをベースに活動をしてきた與那嶺は、6月の全日本選手権に合わせて帰国した。全日本タイムトライアル選手権で圧勝。その5日後に行われた全日本ロードレース選手権でもライバルは現れず、3年連続4度目の優勝を果たした。

3年連続、ロードとTTの2冠を達成した Photo: Noriko SASAKI
六本木ヒルズクラブで開催されたOANDA JAPANとの講演会 Photo: Shusaku MATSUO
リスクコントロールやマネージメントについてFXと競技の共通点を語った Photo: Shusaku MATSUO

 全日本選手権を終えた與那嶺は、個人スポンサー企業であり外国為替証拠金取引(FX)を専門とするOANDA JAPANの講演会に臨んだ。ここでは生い立ちや競技を始めるきっかけ、リオ五輪に挑んだ心境などが與那嶺の口から話された。また、FXと競技に共通する点としてリスクコントロールについて解説。“無事これ名馬”という座右の銘を例に挙げ、「落車やケガでスタートラインに立てなくなる状況に至る判断は避けます。スタートラインに立てないと勝利のチャンスはありません」と自らの失敗や経験談を交えて話し、来場者を頷かせた。

引退後は「日本に帰りたくない」

 年を重ねるごとに着実なステップアップを果たし、国内で“無敵”の実力を誇る與那嶺。現在は常に2年後に開催される東京五輪に向けられている。それでは東京五輪以降の活動はどう考えているのか。マネージメントやコーチを担当する武井きょうすけ氏は「2年後に引退する」とも話している。キャリアデザインや、自らの立ち位置についてインタビューで答えてもらった。

今年も全日本選手権ロードレースで独走勝利を果たした Photo: Noriko SASAKI

――2年後に引退すると武井コーチが話していましたが本当でしょうか

與那嶺:東京五輪以降について、今は何も考えられません。レースに対する準備や環境を整える労力は途方もありません。武井コーチにはマネージメントなど全てを任せている状況です。これ以上負担をかけられないでしょう。あと2年が限界というのが2人の意見です。年齢も29歳になりますし、結婚や子供についても考えたいと思いっています。

――セカンドキャリアはどう考えていますか

與那嶺:日本には帰りたくないですね(笑)。自転車を乗るにしても信号が多いし、危なすぎます。現在住んでいるオランダで仕事をし、ビザを更新し続けて生活したいと考えています。私、日本では浮いていますからね(笑)。プロとしては正しいと思いますが、考えていることが変わっていると捉えられていると思います。

――それはどのような考えでしょうか

與那嶺:常に良い環境を整えようとする姿勢です。所属するチームや国、トレーニングについても合理的に良いものを選択しています。ロードレースは機材スポーツの面が強いので、機材に対する準備も人並み以上ですね。なんでみんなもっと突き詰めないのだろうと思います。アドバイスできることはいっぱいあるけど、(もしアドバイスしたら)みんな強くなってしまうのでしません(笑)。

――国内で敵無しの與那嶺選手ですが、欧州で勝利を狙うことは難しいのでしょうか

與那嶺:私はレース中、脚を貯めてトップ10を狙う走りをしてはいけない立場です。エースのために力を使い切らなければなりません。何も仕事をしないのであれば、アルデンヌクラッシックでトップ20を狙うことはできるでしょう。しかし、現在の実力ではトップ10を狙うことはできません。欧州のレースレベルは遥かに高いです。

――東京五輪の目標は

與那嶺:世界レベルのレースでは、トップ10を目指す走りをすると20位以内に入れるかどうかの結果になると思います。メダルを目指す途方もない準備をして8位入賞できるかできないか。自分が世界でどれくらい走れるかはわかっています。個人TTでは10位以内、ロードレースでは先頭集団でフィニッシュする走りが現実的な目標です。

◇         ◇

 今後の展望を語った與那嶺は7月6日から15日までの10日間、イタリアで開催される女子プロロード世界最高峰のステージレース「ジロ・ローザ」へと参戦する。

 本人のコメントは下記のとおり。

 無事にナショナルチャンピオンを獲得し、今年もジロ・ローザのメンバーとしてチームより選出されワクワクしています!

 今年は、チームのエースであるエリサ(ロンゴボルギーニ)で総合優勝を狙います。昨年、エリサは総合2位。昨年に所属していたエフデジと比べ、チームから私に要求される仕事の質は大きく高まりました。エリサが総合優勝をできるよう、私もアシストとして力を尽くそうと思います。

 自分の体調は普段通りです。空路で移動中、レースバイクフレームが割れるトラブルがありましたが、なんとか新しいフレームが間に合い、ホッとしております。10日間のステージレース、休養日もなく長丁場です。日々、“無事これ名馬”でゴールをし、丁寧にエリサのフォローをしていきます。

 応援、よろしくお願いします!

全てを力に変えて
與那嶺 恵理

 また、9月にオーストリア・インスブルックで開催する世界選手権へ向け、6月初旬に現地コースを走り込んだ與那嶺。1周回8kmで500m(平均6~7%)を上る厳しいコースに感触を掴み、「過去最高成績を出したい」と意気込んだ。

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女子ロードレース 與那嶺恵理

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