「出勤困難者」発生から2週間大阪北部地震で自転車通勤に脚光、「折りたたみ」売り上げ急増

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 震度6弱を記録した大阪北部地震で、自転車が脚光を浴びている。同地震は朝の通勤・通学時間帯を直撃。鉄道がストップし、タクシーもつかまらず、多くの「出勤困難者」が発生する中、自転車が通勤手段として有効だったためだ。近畿のホームセンターでは地震後、通勤用の自転車を購入する人が増えているという。

 大阪市によると、地震の発生した6月18日の午前9時時点で出勤した同市職員の数は全体の約16%にあたる3639人。午前中に出勤できた職員のほとんどは、徒歩や自転車で登庁したという。市危機管理室は「今回の地震を受けて自転車通勤に切り替える職員も多いのでは」と話す。
 そうした見方を裏付けるように、地震後、自転車の販売が好調という。

備えの意識高まる

 関西を中心に店舗展開するホームセンター「コーナン」では、18日以降の1週間での折りたたみ自転車の売り上げが、前年の同じころの1週間と比べて約2倍に。全国342店舗のうち、大阪府内の102店舗が売り上げの約4割を占めた。運営会社「コーナン商事」(堺市)の担当者は「非常時に移動しやすく公共交通の代替手段になる自転車通勤を考える人が増えた結果」と話す。

防災用品や自転車が並ぶホームセンター。地震後、通勤用に自転車を買い求める客もいたという=6月26日、大阪府高槻市の「カインズ高槻店」(小松大騎撮影)

 ホームセンター大手「カインズホーム」でも同様で、運営する「カインズ」(埼玉県)は「各店舗で売れ行きは好調のようです」。被災地の大阪府高槻市内にある「カインズ高槻店」でも地震後に折りたたみ自転車を品定めする客が訪れ、井上裕之店長(36)は「地震への備えに対する意識が高まっている」と感じている。

 自転車通勤は、平成23年3月の東日本大震災で大勢の帰宅困難者が出たことで注目された。全国に自転車販売店を展開する「あさひ」(大阪市)では、同年3月の自転車類の売上高は前年比157%、年間でも同約120%と大きく伸びた。今回の地震でも売れ行きは伸びているようで、広報担当の佐藤千夏さん(35)は「店舗では、地震があったので自転車通勤にしたい、との購入の相談があるようです」。

出勤ルール検討を

 内閣府の被害想定では、南海トラフ巨大地震による帰宅困難者は近畿2府4県で計約220万~270万人。ただ、出勤困難者の被害想定はなく、内閣府の担当者は、「多くの出勤困難者が出たことは今回の地震の教訓。今後、被害想定を出す必要があるかを含めて検討していきたい」と話す。

 東京大大学院の広井悠(ゆう)准教授(都市防災)は「大阪北部地震では公共機関がまひしたことで自動車で出勤する人が増え、大規模な交通渋滞が起きた。渋滞は救急車や消防車の到着遅れをもたらし、人命にかかわる。大きな地震が起きれば休みにしたり、事前に自転車通勤を推奨したりするなど、雇用側は出勤ルールを検討すべきだ」と話した。

産経ニュースより)

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