広島市内で初開催ブリヂストン窪木一茂が広島2連戦で連勝 Jプロツアー第12戦「広島クリテリウム」

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 国内最高峰のロードレースシリーズ、Jプロツアーの第12戦「JBCF広島クリテリウム」が7月1日、広島県広島市の西区商工センターに設定された1周1.7kmの公道特設周回コースを30周する51kmで開催され、集団ゴールスプリントを制した窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)が前日の第11戦に続いて優勝。Jプロツアー広島2連戦を連勝で飾った。

右手を突き上げ2連勝をアピールする窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング) Photo: Nobumichi KOMORI

ヴィクトワール広島悲願のホームレース

 広島県中央森林公園で開催された初戦に続き、2戦目の舞台となったのは広島市の西区商工センターに設定された特設コース。Jプロツアーを含めJBCFのレースは初開催で、中国地方唯一のJプロツアーチームで、広島市を活動拠点にするヴィクトワール広島にとって、悲願とも言える正真正銘のホームレースとなった。

初開催にもかかわらず、会場には朝から多くの観戦客が訪れた Photo: Nobumichi KOMORI
ステージセレモニーの前には、地元の和太鼓の演奏も行われた Photo: Nobumichi KOMORI
マトリックスパワータグの安原監督がステージセレモニーで会場を沸かせた Photo: Nobumichi KOMORI

 ヴィクトワール広島の中山卓士監督は開催に至った経緯について「レース会場となったこの場所は企業団地で、何かこの場所を盛り上げることがしたいという声があることを聞き、組合の代表の方をご紹介いただいたのが始まり。こちらからのレースを開催したいという想いを聞き入れていただき、開催のお手伝いを協力していただけることになった。そこからさらに広島市、大会スポンサーにもご協力をいただけることになり、ようやく初開催にこぎつけることができた」と語った。

序盤から激しいアタック合戦

 1.7kmのコースは、先だって行われた那須塩原クリテリウムのコースと似た、3つの180°コーナーと2つの90°コーナーを有するT字型のレイアウト。全長が那須塩原クリテリウムのコースよりも短く、絶えずストップ&ゴーが繰り返されることになるため、那須塩原クリテリウム以上に集団前方をキープしなければ勝負に絡めないサバイバルレースになることも予想された。

ランキング上位選手を先頭に選手たちがスタートラインに整列する Photo: Nobumichi KOMORI

 前日の雨模様から一転、時おり強い日差しが照りつける中でスタートしたレースは、直後から激しいアタック合戦が繰り広げられる展開に。集団から数人の選手が飛び出しては吸収される状況が続き、決定的な逃げが形成されないまま絶えずアタックがかかり続けてレースは進んでいった。

アタックが頻発するも決定的な逃げが形成されない展開に集団もタテに伸びる Photo: Nobumichi KOMORI
コースに3つ設定された180°コーナーが選手たちを苦しめる Photo: Nobumichi KOMORI
雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)と山本大喜(キナンサイクリングチーム)の飛び出しに後方から谷(ヴィクトワール広島)が合流して3人の逃げが形成される Photo: Nobumichi KOMORI

 折り返しとなる15周目を過ぎても絶えずアタックがかかり続ける状況に、集団にも疲労の色が見え始めた16周目。雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)と山本大喜(キナンサイクリングチーム)の2人がアタックを仕掛けて抜け出すと、集団から遅れて谷順成(ヴィクトワール広島)が合流し、3人の逃げ集団が形成された。

追走に出ようとする選手たちの動きを、逃げにチームメートを送り込んでいる鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)がしっかりチェック Photo: Nobumichi KOMORI
3人の逃げ集団が協調して逃げる展開が続く Photo: Nobumichi KOMORI

 この逃げを一旦容認したメイン集団は、逃げに選手を送り込んでいないマトリックスパワータグやシマノレーシング、チーム ブリヂストンサイクリングなどが先頭に立ってコントロールを開始。タイム差を10秒程度に保ちながらレースを進める展開となった。

 その後しばらく、レースは3人の逃げ集団とメイン集団という形のまま進んでいったが、21周目になると逃げ集団から谷がドロップ。逃げは雨澤と山本大喜の2人に。

逃げが雨澤(宇都宮ブリッツェン)と山本大喜(キナンサイクリング)の2人になる Photo: Nobumichi KOMORI
逃げ集団から遅れた谷(ヴィクトワール広島)を吸収し、さらに逃げる2人を追走するメイン集団 Photo: Nobumichi KOMORI
山本元喜(キナンサイクリング)が追走のアタックを仕掛けたことでメイン集団も活性化する Photo: Nobumichi KOMORI

 なおも逃げ続ける2人に対して、メイン集団は少しずつタイム差を縮めながら迫る展開だったが、24周目に山本元喜(キナンサイクリングチーム)が追走のアタックを仕掛けるとメイン集団も活性化。この動きはメイン集団が吸収したものの、追走の勢いを増すメイン集団の様子を見て雨澤はメイン集団に戻ることを決断。山本大喜が単独で逃げ続ける展開となった。

 単独となりながらも懸命に逃げ続けた山本大喜だったが、残り2周となる29周目についにメイン集団がキャッチ。レースは振り出しに戻って最終周を迎えることに。

圧巻のスピードで窪木がスプリント勝ち

 最終周に入ると、マトリックスパワータグ、シマノレーシング、キナンサイクリング、チーム ブリヂストンサイクリング、宇都宮ブリッツェンなどのUCIコンチネンタルチーム勢がそれぞれ隊列を作って先頭を奪い合う位置どり争いを激化させながら、入り乱れるように最終コーナーへ。

逃げを吸収したメイン集団では、各チームが隊列を作りながら最終周に入る Photo: Nobumichi KOMORI

 最終コーナーの立ち上がると先頭から新城雄大(キナンサイクリングチーム)、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、中島康晴(キナンサイクリング)という並びになり、キナンサイクリングチームと宇都宮ブリッツェンが有利な展開となったが、その後方からスプリントを開始した窪木が先頭に躍り出てそのままゴール。圧巻のスピードを見せつけてJプロツアー広島2連戦を連勝で締めくくった。

後方からスプリントを開始した窪木(チーム ブリヂストンサイクリング)が抜群の伸びを見せて先頭に躍り出る Photo: Nobumichi KOMORI

 この結果、ツアーリーダーの証のルビーレッドジャージは窪木が2位以下とのポイント差を引き離してしっかりキープ。23歳未満の選手でランキングトップの選手が着用するピュアホワイトジャージは、この2連戦をともに上位でゴールした織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)に移っている。

左から2位の中島康晴(キナンサイクリングチーム)、優勝した窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)、3位の黒枝(シマノレーシング) Photo: Nobumichi KOMORI

国際レースを開催できるような地盤に

 今回、初開催となった広島クリテリウム。目を引いたのが、初めてロードレースを観戦するという観戦客の多さだった。これは、中山監督をはじめヴィクトワール広島の選手、スタッフがメディアなどに出演したり、プロ野球の広島カープとコラボしてグッズを作成したりと、積極的にPRを行った成果が表れた結果といえるだろう。

 中山監督は「初開催となったこのレースをきっかけに、ツール・ド・北海道やツール・ド・とちぎのようなステージレースや国際レースを開催できるような地盤にしていきたいと思っている」と将来に向けた夢を語った。この日の会場の盛り上がりを見て、夢の実現もそう遠くない未来に訪れるのではないかと感じた1日になった。

 次戦は、7月15日(日)に「石川サイクルロードレース」が、福島県石川町で開催される。

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Jプロツアー2018

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