全日本直後のレース、雨中の熱戦窪木一茂が6人のスプリントを制して今季2勝目 Jプロツアー第11戦「西日本クラシック」

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 国内最高峰のロードレースシリーズ、Jプロツアーの第11戦「第52回JBCF西日本ロードクラシック広島大会」が6月30日に広島県中央森林公園で開催され、小集団に絞られたゴールスプリントを窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)が制して優勝を飾った。

冷静にスプリントを制した窪木一茂が、今季Jプロツアー2勝目を挙げた Photo: Nobumichi KOMORI

シーズン折り返しのレース

 個人タイムトライアル、そしてロードレースと、2週にわたって開催された全日本選手権を終え、国内ロードレースシーズンも後半戦へと入る中での開催となったJプロツアー広島2連戦。全22戦で争われるJプロツアーも、ちょうど折り返しを迎えることになった。

チャンピオンジャージは間に合わなかったものの、前週の全日本選手権ロードレースで山本元喜(キナンサイクリングチーム)のバイクには特別デザインのステッカーが貼られていた Photo: Nobumichi KOMORI

 ここまでの10戦を振り返ってみると、宇都宮ブリッツェンが5勝を挙げてチームランキング首位をひた走る状況。次いでマトリックスパワータグが3勝、チーム ブリヂストンサイクリングとシマノレーシングがそれぞれ1勝で続いている。個人ランキングは1勝を含め5度表彰台に上がっている窪木がツアーリーダーの証であるルビーレッドジャージを、ピュアホワイトジャージを小山貴大(シマノレーシング)がそれぞれ着用している。

ランキング上位選手を先頭に選手たちが整列する頃には再び雨が強く降り始めた Photo: Nobumichi KOMORI

 台風7号が沖縄に接近する中での開催となったレース当日は、広島県もその影響を受ける形で雨模様の一日となった。スタート前には弱まっていた雨も、レースの幕が切って落とされると再び激しくなり、選手たちは慎重な立ち上がりを見せる。テクニカルな下り区間に入ると激しい雨に慎重になり過ぎる選手が次々と集団内で中切れを起こし、1周目から集団が大きくふたつに割れる展開となった。

レース序盤、窪木一茂が中切れを埋める作業に追われる Photo: Nobumichi KOMORI

 それでも、前方集団の先頭では雨をものともしない選手たちが激しいアタック合戦を繰り広げる展開に。阿部嵩之と鈴木龍(ともに宇都宮ブリッツェン)、入部正太朗と黒枝咲哉(ともにシマノレーシング)の4人が15秒ほど抜け出すも、これは集団が吸収。その後もアタックの応酬が続く中、2周目に入部、雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)、佐野淳哉(マトリックスパワータグ)、湊諒(シマノレーシング)の4人が逃げを決める展開になった。しかし、3周目も終盤になると佐野がドロップし、逃げ集団は3人となった。一方のメイン集団は、逃げに選手を送り込んでいない那須ブラーゼンが先頭に立ってコントロールを開始。逃げ集団とのタイム差を1分程度に保ってレースは進んでいった。

湊諒、入部正太朗(ともにシマノレーシング)、雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)の3人の逃げが形成される Photo: Nobumichi KOMORI
メイン集団は逃げに選手を送り込めなかった那須ブラーゼンがコントロールを開始する Photo: Nobumichi KOMORI
3人の逃げ集団がメイン集団とのタイム差を広げようと逃げ続ける Photo: Nobumichi KOMORI

最終周で逃げは吸収

 その後しばらく、レースは3人の逃げ集団とメイン集団という展開のまま進んでいき、残り2周となる8周目に入ってもタイム差は1分程度のまま。すると、メイン集団もマトリックスパワータグとキナンサイクリングチームが選手を出し合って追走の動きを本格化させる状況となり、逃げ集団とのタイム差も少しずつ縮まっていく展開となった。

メイン集団は那須ブラーゼンがコントロールする展開が続く Photo: Nobumichi KOMORI
安定したペースを刻みながら逃げ集団がエスケープを継続する Photo: Nobumichi KOMORI

 一方の逃げ集団では、数的有利の状況を生かして入部が雨澤に対して揺さぶりをかける状態が続いたが、8周目の終盤に湊がスリップして遅れてしまい、雨澤と入部の2人が先行する形でレースは最終周に入った。

雨が弱まるに連れて会場の広島県中央森林公園は霧が立ちこめて目まぐるしく条件が変わる Photo: Nobumichi KOMORI
スリップで遅れた湊諒を引き離して雨澤毅明と入部正太朗が最終周に入る Photo: Nobumichi KOMORI

 最終周に入ると、人数を減らしながらも勢いを増して追走するメイン集団が逃げ続けていた2人を吸収。22人の先頭集団となって最終局面を迎える。ひとつになった集団からは、中西健児(キナンサイクリングチーム)が単独アタック。続いてチームメートで前週の全日本選手権を制した山本元喜(キナンサイクリングチーム)が追撃をするが、この動きに窪木が反応したことで集団が活性化してしまい吸収される。その後も攻撃が繰り返される中で、窪木、中西、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、横山航太(シマノレーシング)、アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ)の6人の先頭集団がフィニッシュへ向かう展開となった。

キナンサイクリングチームとマトリックスパワータグがペースを上げるメイン集団は最終周に入り、逃げを吸収した Photo: Nobumichi KOMORI

先行した窪木が他を寄せ付けず

 ホームストレートに姿を見せた先頭集団は互いをけん制しながらスプリントのタイミングを探り合う展開に。その中から真っ先にスプリントを開始したのは窪木。その番手に横山、さらに小野寺と続いたが先行する窪木には届かない。結局、自分のタイミングでスプリントを開始した窪木が後続を寄せ付けずにゴールし、今シーズンJプロツアー2勝目となる優勝を飾った。

先行してスプリントを開始した窪木一茂が後続を寄せ付けずにフィニッシュ Photo: Nobumichi KOMORI

 「4人の逃げができる段階で集団も中切れが起きていて、それを埋めようと自分も動いていた中で、同じように前に選手を送り込めなかった那須ブラーゼンが集団を引いてくれた。あれがなかったらその時点でレースが終わっていたと思いますし、積極的な他のチームの走りに助けられました。」とレースを振り返った窪木。翌日に初開催されるJプロツアー第12戦「第1回JBCF広島クリテリウム」で連勝の期待がかかることを問われると、「トラック選手やスピード系の選手がいても、この前の那須塩原クリテリウムと似たレイアウトなので同じ結果になってしまうこともあり得るので注意したい」と気を引き締めていた。

 この結果、ルビーレッドジャージは窪木が、ピュアホワイトジャージは小山がともにキープしている。

左から2位の横山航太、優勝した窪木一茂、3位の小野寺玲 Photo: Nobumichi KOMORI
窪木一茂がルビーレッドジャージ、小山貴大がピュアホワイトジャージをそれぞれキープした Photo: Nobumichi KOMORI

第52回JBCF西日本ロードクラシック広島大会 P1結果
1 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング) 2時間46分39秒
2 横山航太(シマノレーシング) +0秒
3 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
4 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
5 中西健児(キナンサイクリングチーム)
6 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +4秒
7 ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +7秒
8 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) +7秒
9 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン) +8秒
10 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン) +10秒

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