夕刊フジ「私の流儀」より「描かれている内容は99.9%実体験」 漫画家・玉井雪雄さんに聞く“じこまん”の世界

  • 一覧
玉井雪雄さん玉井雪雄さん

 最近、大人の趣味としてひそかなブームとなっている自転車。ロードレーサーなど専用仕様の自転車で都内や郊外を疾走する姿は今や珍しくなく、会社まで自転車で通勤するツーキニストも増えている。今回は『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)で自身の自転車ライフを描いた『じこまん~自己漫~』の作者、漫画家の玉井雪雄さんが登場。作品や自転車の魅力について語ってもらった。

◇      ◇

 漫画家が自らを主人公にした作品を描くことは珍しい。しかも、自伝などではなく、テーマが自転車のような個人的な趣味であればなおさらだ。

 「最初は自転車の延長で野宿にハマッていたこともあり、第1巻の最後に収録されているような野宿の話をメインにする予定だったんです」

 いずれにせよ作者にとって『じこまん~自己漫~』というタイトルに集約される作品であることには変わりない。しかも、すべて玉井氏の実体験に基づいた話ばかりで、「描かれている内容は99.9%事実」とか。

 「唯一違う部分を挙げるとすれば、減量の話に出てくる骨折した女子高生の話ですね。本当はシチュエーションや年齢は違うんです。でも本人が特定されると申し訳ないので、作品内では女子高生にしました(笑)」

『じこまん~自己漫~』表紙『じこまん~自己漫~』表紙
描かれている内容は99.9%実体験描かれている内容は99.9%実体験

最初はダイエットが目的で自転車に

 もともと自転車に乗るようになったのはダイエットが目的。職業柄、生活は不規則で運動不足もあり、ピーク時の体重は90kg。ただし、当初は以前に購入したマウンテンバイクで、格好も専用のウエアなどではなくTシャツだったそうだ。

 「冬場はその上にフリースやブルゾンを着込んで走っていたのですが、すぐに汗だくになってしまい、27km走る間にTシャツを2枚買ったこともありました(苦笑)」

 そうした自身の経験を踏まえ、これから始めようと思っている人に対しては、「自転車に乗るには、まず格好から入ったほうがいい」と説く。

 「専用のジャージーは速乾性や保温性に優れています。それにデザインもオシャレでカッコいいものが多いため、テンションも上がるはずです」

 ちなみに玉井さんが現在乗っているのは、主に「ロードバイク」と呼ばれる自転車。有名なツール・ド・フランスなど公道での自転車レースで使用されているのと同じ高速仕様のスペックだ。

 「マウンテンバイクと比べると、スピードは10km以上速くなります。1日100kmやそれ以上の距離を移動することもでき、行動範囲が広がります。それに風を切る疾走感もあり、自転車の大きな魅力だと思います」

 楽しみ方はマラソンやジョギング同様、距離やタイムを目標にしたり、沿道の景色を楽しんだりと人によってさまざま。また、一般向けのロードレースの大会なども各地で定期的に開かれており、市民マラソン感覚で参加することもできる。

 「毎年、富士山の麓から5合目までを走る富士ヒルクライムというレースがあるのですが、コースからの眺めは絶景。これを見たいがために参加する人も多いほどです。また、佐渡島を1周する佐渡ロングライドもローディ(※ロードバイク愛好家)にとって一大イベント。どちらもアシスタントや編集者と一緒に参加したことがありますが、こうしたレースを仲間と走るのも楽しみ方のひとつだと思います」

自転車デビューに冬がおすすめの理由

「POSITIVI North America」の手塚隆介さん(右)と自転車談義「POSITIVI North America」の手塚隆介さん(右)と自転車談義

 ちなみに冬場は夏場と違って暑くないので自転車好きにとってはベストシーズン。さらに自転車の新モデルが登場する直前のため、これから始めたい人は時期的にもベストのタイミングだ。

 「年明けから新モデルが出始めるので、今あるモデルは安くなっているはずです。ロードバイク以外にもMTBを平地走行仕様にしたクロスバイクなどもあり、初心者にはオススメです。ちゃんと手入れさえすれば一生使えますし、中高年の趣味にいいと思いますよ」

 そんな玉井さんの自転車愛が詰まった『じこまん~自己漫~』。漫画として面白いのはもちろん、自転車の知識やアドバイスも満載。読んでいるうちについ自転車に乗りたくなってしまう作品だ。

◇      ◇

 たまい・ゆきお 1970年2月19日生まれ、42歳。兵庫県出身。92年、『さらば山中』でスピリッツ新人コミック大賞を受賞。以降、映画化された『ゆりかちゃん』『オメガトライブ』『オメガトライブ キングダム』などのヒット作を生み出す。現在はロードレースを描いた『かもめ☆チャンス』(小学館ビックコミックスピリッツ)のほか、今回ご紹介の自転車愛が溢れる自伝的作品『じこまん』を週刊漫画ゴラクにて好評連載中。単行本第1巻(定価620円)も好評発売中!

  ■ショップ■
 今回、取材場所としてご協力いただいたのは米自転車ブランド、キャノンデールパートナーストア「POSITIVI North America」の手塚隆介さん。
 「最近は『これから自転車を始めたい』という方もよく来店されます。ロードバイクは安い買い物ではないですが、初心者向けのエントリーモデルなどにはお手頃なものもあります。お店では最初に予算を話しておくといいですね。予算に沿って商品を紹介してくれ、いろいろとアドバイスしてくれるはずです」
 
「POSITIVI North America」
東京都新宿区坂町26 永谷マンション1F 03-3351-0489 営業時間:11~20時

『じこまん~自己満~(1)』(日本文芸社サイト内)

夕刊フジ公式サイト「zakzak」

関連記事

この記事のタグ

Cyclist的エンタメ観戦記

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

ショップナビ

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載