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女子選手の地位向上、賞金の男女平等などが承認ロードでのディスクブレーキ完全解禁に UCIが長期指針「アジェンダ2022」を発表

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 UCI(国際自転車競技連合)が6月21日の声明で、向こう4年間の戦略的ロードマップとして、「アジェンダ2022(Agenda 2022)」を承認したことを発表した。自転車競技の将来を見据えた指針として、新たな取り組みを進めていくことを確認している。

3年にわたってトライアルが行われてきたロードレースでのディスクブレーキ使用が7月1日付で正式に認められる Photo: Yuzuru SUNADA

ロードレースでのディスクブレーキが完全解禁に

 このほど、3日間にわたってフランス・アルゾンで2018年2回目のUCI管理委員会が行われた。その中で議論され、決定・確認された数々の項目でアジェンダ2022が構成される。

UCI会長ダヴィ・ラパルティアン氏 ©SWPix

 なかでも大きなトピックは、ロードレース種目とBMX種目でのディスクブレーキ使用が認可された点だろう。これまで3年間にわたりトライアル期間が設けられてきたが、7月1日に全面解禁となる。選手・チーム・メカニック・ファン・コミッセール・世界スポーツ用品工業連盟(WFSGI)の承認を得られたとし、この決定と同時にブレーキシステムに言及するUCI規則1.3.025も修正される。

 注目されるのは、7月7日に開幕するツール・ド・フランス。ディスクブレーキを導入するチームがいくつ出てくるかが見ものとなってくる。

女子選手の地位向上を目的とする行動規範も策定

 アジェンダ2022の大部分を占めるのが、女子選手の状況改善にかかわるものとなっている。

アジェンダ2022では女子選手の地位向上を目指していく =リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ・ファム2018 2018年4月22日 ©︎ASO/Thomas MAHEUX

 2019年から導入される「行動規範」(コード・オブ・コンダクト)は、女子選手がチーム内外で被害者となる可能性のあるハラスメントを厳しく取り締まるもので、UCI登録を行う女子チームは、関係者全員の署名がなされた書類を提出することを求められる。これを犯した場合には制裁が適用される。

 「サイクリングにおける男女平等を促進するための憲章」の作成と実施が認められ、契約や賞金の額を平等とすることを確認。UCIシクロクロスワールドカップの賞金が2021~2022年シーズンから男女同額となる。それまでの3シーズンは、男女間の格差を埋めていく財政投入期間とする。さらに、2020~2021年シーズンから、女子ジュニア(17~18歳)カテゴリーを新設することも決まった。

 UCIが主催する世界選手権については、表彰式における男女平等の保証を承認。今年9月に行われるロード世界選手権インスブルック・チロル大会から、主催者や関係者の着用物はあらかじめUCIの確認が必要となる。

トラマドール使用の正式禁止、総合的世界選手権構想も

 医療分野では、鎮痛剤トラマドールの使用が2019年シーズンから正式に禁止されることが確認された。

近年問題視されていた鎮痛剤トラマドールが2019年から正式に使用禁止となる =ジロ・デ・イタリア2018第21ステージ、2018年5月27日 Photo: Yuzuru SUNADA

 先に明らかとなったWADA(世界アンチ・ドーピング機関)のレポートでは、プロ選手の多くがトラマドールの使用経験があるとし、実際に使用して競技に臨んだ選手の事例が数多く報告されている。具体的にはめまいや眠気、身体依存、その他副作用の可能性が指摘されており、この決定は選手の安全性を目的としたものと捉えることができる。

 また、痛み止め目的でグルココルチコイドの使用については、8日間はレース出場が不可能となる。使用した際は、担当医によってその旨を申請しなければならない。

 競技イベントの開催といった面では、2023年をめどに総合的世界選手権を開催する構想が明らかになった。オリンピックの前年に、4年に1回のペースで開催され、ロードレース、マウンテンバイク(クロスカントリーオリンピック、クロスカントリーマラソン、ダウンヒル)、トラック、BMXレーシング、アーバンサイクリング(BMXフリースタイルパーク、トライアル、MTBエリミネーター)、パラサイクリングロード、パラサイクリングトラック、インドアサイクリング(サイクルフィギュア、サイクルボール)、グランフォンドが実施競技となる見通し。大会期間は17~19日間、120以上の参加国、2600人のエリート選手、6000人のアマチュア選手、1万人の大会関係者(ジャーナリスト700人含む)が一堂に会することを見込んでいる。実現すれば、スポーツ界全体でも指折りのビッグイベントとなる。

 そのほか、スノーバイクが正式競技として認められ、2019年からマウンテンバイクの競技カレンダーに含まれることとなった。また、2020年にはUCIスノーバイクワールドカップが初開催され、全4戦(4カ国)を転戦することも決まっている。

 なお、アジェンダ2022は9月28日開催のUCI総会で批准され次第、UCIのウェブサイトに詳細が掲載される予定となっている。

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