全日本選手権ロードレース 女子ジュニア石上夢乃と兄妹V【詳報】石上優大が力を見せつける独走勝利 カテゴリー3年目でU23タイトル獲得

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 前日の女子カテゴリーに続き開催された男子U23、レースは後半に飛び出した石上優大(AVC AIX EN PROVENCE)が松田祥位(エカーズ)と果敢にアタックした末に独走して優勝。U23カテゴリー3年目で、タイトルを獲得しチャンピオンジャージに袖を通した。男子ジュニアは厳しいマークを振り払い、集団スプリントを日野泰静(松山城南高校)が圧勝。女子ジュニアは石上夢乃(横浜創学館高校)が勝利し、U23を制した優大と共に兄妹でカテゴリー日本一となった。

石上「全開で行った」

次世代を担う選手が集まった男子U23。国内トップチームや、海外クラブチームや学連で活躍する選手らが一堂に会し、計123人が出走。時折雨がぱらつく曇り空の下、レースは正午にスタートした。距離はコースを11周する、156kmだ。序盤は山本大喜(キナンサイクリングチーム)がアタックするなど動きをみせるが、落ち着いたペースでレースは進んだ。

その後、7人の逃げが形成。中田拓也(シマノレーシング)、白川幸希(ヴィクトワール広島)、成海大聖(鹿屋体育大学)、小嶋健太と武山晃輔(日本大学)、花田聖誠(チームユーラシア・IRCタイヤ)、伊藤皓平(京都産業大学)が後続まで1分27秒差をつけて4周目へと入った。後続は蠣崎優仁(エカーズ)や岩本克也(チームUKYO Reve)らがそれぞれ積極的に単独で追走する動きをみせるが、先頭へ追いつくことはなかった。

しばらく7人が逃げ続ける展開が続いたが、レースも折り返しを迎えた6周目、先頭のペースが緩んだ際に渡邉歩(GSC Blagnac Velo Sport31)と中村圭佑(USSA Pavilly Barentin)がブリッジに成功。9人の集団となった直後に、逃げ続けていた中田、白川、成海が遅れ、6人でレースを進めた。この時点で集団との差は約1分。

レース後半に入り、逃げを容認できなくなったメイングループは活性化した。60人ほどの人数だったが、ペースアップがかかり30人ほどまで減らした。残り4周回では渡邉、冨尾大地(鹿屋体育大学)、蠣崎、奥村十夢(中央大学)が先行するも、それまで逃げていた花田が遅れ、代わりにメイン集団から石上がジョイン。さらに、後続のメイン集団から大前翔(慶應義塾大学)や松田、山本らが合流するなど激しくメンバーが入れ替わる。

9周目の上りで石上がアタックを仕掛け、松田がそれに続き、2人の先頭グループが形成された。2人は声を掛け合いながら協力して逃げ続け、ジャンが鳴るラスト周回へ入ってもペースは衰えなかった。「全開でいきました」と後に明かした石上。長い上りの序盤から“踏み”に入り、松田を突き放した。しばらくは10秒ほどと拮抗した松田との差だったが、徐々にその差は開き始め、そのまま独走でフィニッシュ。アンダー3年目の年に念願のタイトルを獲得した。2位には粘った松田が入り、後続のスプリントを大前が制して3位に入った。

優勝した石上は「全体を通して脚に余裕を残した展開が続きました。アタックしたタイミングはもう少し後でもよかったですが、周りが疲れて見えたので踏んだところ、松田しかついて来れなかったようです」と振り返る。2人になった後、石上は松田に「上りは踏み過ぎず、平地と下りで踏もう」と経験を生かしたアドバイスを送り、協調してペースをつくったことを説明した。

粘りの走りで2位をキープした松田は「最終ラップ、上りをしのげばチャンスがあったかもしれませんが、クライマーの石上さんに行かれてしまった。その後は“諦めない”と何度も心の中でつぶやきながら走り続けました」と心境を振り返った。優勝した石上もエカーズからフランスのアマチュアチームに派遣されている選手。エカーズはワンツーでのフィニッシュとなった。

「ペースアップで疲れて脚が攣りかけている最中の2人のアタックだったため、ついていくことができませんでした。後続では諦めムードが漂い、3位狙いに切り替える選手が多かったので、うまく立ち回り集団スプリントで頭を取ることができました」と大前は解説する。学生選手権個人TTで優勝、学生ロード3位と、好調ななか挑んだ大前だったが、持ち前のスプリント力を発揮したのは3位集団内にとどまった。

石上は最後に「ナショナルチャンピオンジャージで欧州に戻ることについては「プレッシャーは感じますが、胸を張って帰ることができます」と笑顔を見せた。

全日本選手権ロード・男子U23(リザルト)
1 石上優大(AVC AIX EN PROVENCE) 4時間10分6秒
2 松田祥位(エカーズ)+56秒
3 大前翔(慶應義塾大学)⁺3分27秒
4 草場啓吾(日本大学)
5 大町健斗(チームユーラシア・IRCタイヤ)

日野泰静がスプリントで圧倒

午前中に開催された男子ジュニアは高校生の2、3年生が中心となったカテゴリー。学校の自転車競技部で活躍する生徒がほとんどだが、那須ブラーゼンやブラウブリッツェンなどのJプロツアーやその下部チーム、クラブチーム勢も名を連ね、合計152人がエントリーした。

コースを6周回、計85kmで争われたレースはスタートして3周目、小野寺慶(ブラウブリッツェン)、土田裕希(朝明高校)、堀川滉太(関西高等学校)、高倉廉太郎(北桑田高校)、日野凌羽(松山城南高校)、海野晋作(VANTOS FRECCIA)ら6人が飛び出す展開となり、後続のメイングループから約1分のリードを奪った。メイン集団では榛生昇陽高校や横浜高校、北桑田高校といった強豪高校が前方を固め、ペースを上げながら5周目に突入した。

逃げ集団からは4人がドロップし、小野寺と日野凌羽の2人が45秒リードする形で最終ラップへと入った。後続では福田圭晃(横浜高校)が懸命にペースを上げて活性化。ペースアップした集団は逃げていた2人を捕まえ、さらにアタック合戦の様相を呈した。ラストは30人ほどのスプリントとなり、福田と兒島直樹(祐誠高校)がほぼ同時に仕掛けるも、昨年王者の日野が残り100mでかわして先頭でフィニッシュラインへと飛び込み連覇を果たした。2位は福田、3位には兒島が入った。

全日本選手権ロード・男子ジュニア(リザルト)
1 日野泰静(松山城南高校) 2時間11分31秒
2 福田圭晃(横浜高校)+0秒
3 兒島直樹(祐誠高校)
4 古谷田貴斗(南大隅高校)
5 道見優太(南大隅高校)

津田悠義がTTに次ぐ優勝

男子U17+U15は2周目から津田悠義(三好高校)と岩田聖矢(榛生昇陽高校)の2人がアタックし、逃げグループを形成。40秒の差を保ち最終周回へと入った。その直後の上りで津田が再びアタックを仕掛け、岩田を振るいにかける。単独となった津田は、前週の全日本個人タイムトライアル選手権を制した独走力を発揮。20人ほどの集団からさらにタイム差を広げ、そのままフィニッシュラインを切った。

全日本選手権ロード・男子U17(リザルト)
1 津田悠義(三好高校) 1時間6分51秒
2 石塚慶一郎(和歌山県)+1分9秒
3 小池陽斗(北桑田高校)
4 岩田聖矢(榛生昇陽高校)
5 寺田吉騎(Vivace-掛川磐田北)

全日本選手権ロード・男子U15(リザルト)
1 梅沢幹太(エキップユーレーシング)1時間8分0秒
2 鎌田晃輝
3 小泉響貴 +3分44秒

石上夢乃がスプリントで優勝

女子ジュニアと女子U17(17歳未満)の混合で開催されたレースは、6人のスプリントを石上夢乃(横浜創学館高校)が制して女子ジュニアの部で優勝。石上は前週に開催された全日本個人TT選手権も同カテゴリーを制している。女子U17のトップはスプリントに絡み、4番手でゴールした渡部春雅(駒沢大学高校)だった。

全日本選手権ロード・女子ジュニア(リザルト)
1 石上夢乃(横浜創学館高校)1時間17分2秒
2 中冨尚子(京都産業大学) +0秒
3 平尾愛菜(岐阜第一高校) +1秒

 

全日本選手権ロード・女子U17(リザルト)
1 渡部春雅(駒沢大学高校)1時間17分3秒
2 内野艶和(祐誠高校) +1分28秒
3 石田唯(北桑田高校) +3分14秒

 

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